桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

復興法人税

2013-09-26 | Weblog

東日本大震災の復興を目指すために、企業にも特別な税金が課されているが、それを止めようと、安倍首相言っている。

もちろん、国民に対する復興税は維持するし、更に消費税も8パーセントにしようとしているが、大企業には儲けて貰い、そのお零れを社員に分け前を与えられるように、もっと利益を上げさせたいらしい。

何度も書いたけど、日本の経済は一般の消費が6割を超え、大企業の利益を図っても景気は良くならない。大企業に利益を与えても、それは内部留保として蓄えられるだけで、全く社会に還元されないことなどは、この間の不景気でも大企業の内部留保は増え続け、今や220兆を超す現実を見れば明らかだろう。

ああそれなのに安倍のお坊ちゃん、馬鹿の一つ覚えのように大企業を儲けさせて、そのお零れで景気浮揚させる政策しかなし得ない。時代遅れと言うか、自民党の限界と言うか、会社主義日本政党の限界だ。

しかも、この政策提言に応える日本経団連のコメントは「歓迎する」と来た。こいつらには大震災で被災し、今も困窮する人がいることなど、全く眼中にない。ひたすら金儲けばかり。

日本の財界人と言うのは、この程度の人間でしかないのも悲しい現実なんだねえ。


情報

2013-09-25 | Weblog
金沢の地に住み、福島原発の事故以来、反原発に目覚めた、俺には頼もしい親戚の娘から、久しぶりにメールがあった。
講談社の「原発ホワイトアウト」という本を読むようにと薦めるメールだった。中身には触れていなくて、自民党の河野太郎さんもリアルな内容を推奨しているらしいが、現職の官僚が内部告発で書いたと噂のある本らしい。
今日の朝のテレビ朝日番組でも、カナダと結んだシェールガスの輸入契約に絡み、「発電は原発も入れた総合的なバランスを保つ必要がある」と語った人がいた。処理技術も確立しない原発は、動かせば動かすだけ、廃棄物は貯まるし、後世に命の危険を負わせるのだから、どのようなバランスでも存在してはならない。原発がいいと思う人も反原発の人も、ぜひ原発ホワイトアウトを読んでみてください。

感覚

2013-09-25 | Weblog
俺の食べ物の感覚に付いては、前に書いたと思うが、好き、どっちでもいい、好きじゃない、嫌い、食べられない、と五つの区分けがある。
どっちでもいいは、文字通り、好きでも嫌いでもない感覚で、好きじゃないは、どちらと言えば嫌いに近くて、嫌いは嫌いだが、でも、食べられる。食べられないは、そのものズバリ。
この五つの感覚は、連れ合いに言わせると理解出来ないみたいだ。
この食べ物の感覚で政党を考えると、自民党は嫌いに入るだろう。
大企業だけの応援団化した自民党なんて、大体貧乏人が支持するのが間違いなのだが、自由で民主的な政党なんて、その党名から錯覚してる人が多いんだよね。安倍政権が国民の自由を縛り、戦前の日本に戻そうとしている今、維新や創価学会党や幸せの科学党と同じに、食べられない政党に加わるのも近いかも知れないけどね。

知ってるよね?

2013-09-24 | Weblog
原発から排出される核廃棄物の貯蓄場所は、もう少ないんだってね。日本国内に予定する保管場所には、もう80%も埋まっていて満タンになるとか。
福島原発の事故があっても、なお原発が動かなければ日本の将来はない、とか言う奴がいる。そう語るらしい馬鹿どもは、その事実を承知してるよね?
放射能の毒が消えるまでに万という年数が必要な物質もあるけれど、放射性廃棄物をガラス質の物で閉じ込め、更に鋼鉄で閉じ込め、それを地下深いコンクリートの貯蔵庫に閉じ込めるとか言うけど、ガラス質も鋼鉄も千年もすれば溶けてしまうって、知ってるよね?日本の千年前、平安時代だ。稀代の色事師の光源氏が奔放に生きていたが、あのとき原発があり、地下深いコンクリート貯蔵庫に埋められていたらば、今の日本はどうだろうか。
原発推進派は、判っているのだろうか。
コンクリートは崩壊、容器も溶解。つまり、放射性廃棄物は、この地上に噴出して生きる生物を殺しているのだ。
原発は人類の敵、命を脅かす悪魔。少しだけ将来を見通して見れば、もはや原発など、廃棄する以外はないと判るのに、今でも公然と原発は必要だ!と語る馬鹿がいる現実は、何なのだろう。
しかも、その馬鹿には、頭の良さだけしかない取り柄がない官僚がいることを思うと、人間って何なんだ!と思うよなぁ。

珍しい本

2013-09-24 | Weblog
「捜査報告書は、捜査の最高責任者が捜査方針を立て、具体的に捜査指揮を行うための判断資料となる大切なものである。
また、裁判官に納得してもらうために、他の疎明資料とともに提出し、検察官も補充捜査の要否を判断するうえでも大いに活用されるものである。
さらに、公判で証拠として採用される場合もあり、捜査資料としては大切なものである」
このようなことが冒頭に書かれた「捜査報告書記載要領」と題する教本を見つけた。
たまたま入った書店の古本コーナーにあったのだが、内容は、色々な捜査報告書の書き方を実例で示した教本だった。
これを見て、改めて思ったが、布川事件の事件発覚直後から行われた、小貫さんに対する聞き込みの捜査報告書が、全く存在しないのは、どう考えても納得出来ない。殺された玉村さんと話していた人物を目撃したと証言するのに、その人の証言に係わる捜査報告書を記録しない訳がない。残さない訳がない。
小貫さんの捜査報告書に書かれた内容は、それが明らかになると俺たちを犯人に出来ない事実があるために隠蔽したのだということを、この書籍を見て、強く確信したよ。

どちらかと言えば

2013-09-24 | Weblog

自民党の女性議員はタカ派が多い。猛烈な保守、権力好きが多いけど、その中で最低は稲田だよね。弁護士らしいけど、「国民に主権などあるのか」などと語る西田昌司みたいな輩と似たり寄ったりで、人間を差別的にしか見られない人間だと俺は思っている。何のために司法資格を持っているのか、判らない人間だ。

その中で、野田対高市戦争の女性戦争は高みの見物だが、俺は、泥鰌に厚化粧したみたいな高市より(ゴメン泥鰌さん!)、どちらかと言えば野田派かも知れない。

その野田さん、良いこといいことを言ったねえ。今日の毎日新聞の1面にある「血縁を超えた家族の形」と言う特集記事で「家族の形は。政治がこうあるべきだと決めてはいけない。その人が『家族だ』という形を尊重する寛容な社会を作りたい」と語ったとある。

自民党の多くは、天皇を頂点とする家族国家を標榜するため、事実婚や別姓婚を認めない。俺に言わせれば、そうしなければ家族を形成できないと思う心の狭さ、自信のなさの表れだが、「自分の歩いてきた人生以外は受け入れられない人たちが、国会議員に多過ぎるんです。イマジネーションの欠如です」と語ったらしい野田さん、いいねえ。

自分しか受け入れない国会議員ばかりだから、今のような政治なのだと納得できるが、人それぞれが自分お好みで生きられる、そういう自由な国にしたいよねえ。

養子、事実婚、離別、障害を持って生まれた子供の母親になるなど、人としての豊富な体験が野田さんを変えたのだと思うが、その思いを忘れないで頑張って!と言いたいねえ。

 


問題の本質

2013-09-24 | Weblog

JR北海道の脱線事故では、今日も新聞に会社の体質を問う記事だ掲載されている。

線路の幅が広がっているのに放置するのは、鉄道会社としてあるまじき行為であることなど、誰が考えたって判る。そんことを批判したって、JR北海道の事故多発の原因は見えないし、解決のなるまい。問題は、何故、こうなのかと言うことだろう。そこの問題を突き詰めなければ解決策は生まれない。

JR北海道は、そもそも分割民営化の時点で経営的には不利があった。インフラの未整備と広大な鉄道路線に比例する赤字、これらを背負って出発したJR北海道は、人員を整理し、赤字路線を廃止して、保線事業なども下請化して、何とか経営の合理化を図っているが、それでも毎年5億もの赤字だと言う。

JR北海道の再三の事故を批判するのは容易いが、それでは解決にならない。

なぜ採算化の難しい北海道を、鉄道路線が交通の重要な要素である北海道を、民営化したのか、そこから考えて北海道の鉄道網をどうするかから議論すべきではないのだろうか。

 


怖い話

2013-09-22 | Weblog

今日の新聞に「52年前の米上空。水爆誤落下、あわや爆発」と言う記事があった。

2発の水素爆弾がノースカロライナ州ゴールズロボ上空で落下した事故で「起爆を防ぐ4つの安全装置のうち、3つが作動せず、「最後の低電圧の単純な」装置が作動して起爆を逃れていたらしい。

いやあ、危機一髪だったねえ。

もし、これが爆発していたらば、その後の世界情勢はどうだったろうか。

広島に落とされた原子爆弾の260倍の威力だったらしいから、ワシントンやニューヨークにも死の灰は降り、数百万人の命が危険にさらされたという。きっと米国では反原爆の運動が起きて、今とは違った世界になっていたのではないだろうか。

どんなに原子爆弾や水素爆弾が悲惨な被害をもたらすか、アメリカ人に認識させる絶好の機会だったかもしれないなんて思うと、不謹慎だけど、50年から68年迄の間には700件もの「重大な事故」があったというから、そのうち再び事故が起こるかも知れないよね、怖いなあ。

 


匿名主義じゃないよ、俺は

2013-09-22 | Weblog

裁判では匿名が、ある意味、徹底され、ほとんど実名を出さないことになっている。

俺の国賠裁判でも、過去に誤りを犯した警察官と検察官、裁判官の名前さえ、一部しか出さない。、

こんなのおかしい。死んでしまった警察官の早瀬四郎や渡辺忠治、検事の吉田賢治や裁判官の花岡学など、責任はどうなる。死んでも免責にはならないだろう。

俺は、どこでも実名主義だ。

福井女子中学事件では、冤罪作りに関わった横山など、ほとんどが生きているが、もちろん学習会でも匿名だった。横山の証言を教唆された人たちも含めて、YとかM雄とかA美だとか、さっぱり判らない。でも、以前、前川さんから横山の名前だけは聞いていた。だもの、俺は実名だよね。

今では暴力団から足を洗い、市民として生きているらしい横山を思うと、俺は、俺たちを「目撃した」と語り、何も罪を感じないで生きている渡辺昭一を感じて匿名にする気にはなれないよねえ。


福井女子中殺し事件

2013-09-22 | Weblog
20日は、福井女子中殺し事件の学習会だった。
布川事件の事務局長だった山本先生が福井の弁護団に加わったことから、先生に講師をして頂いて、改めて東京で真相を学ぼうとなった。
そうだと判ってはいたが、福井事件は、呆れ果てる事件だ。
前川さんが犯人にされたのは、覚醒剤事件で逮捕されていた横山という暴力団員の「証言」によるのだが、その証言を支える証人によって有罪にされた。
しかし、この横山という暴力団員の証言は、普通に考えれば偽証が明らかなのだ。
この横山、始めは留置場から「犯人を知らないか」と、手紙を書いたのだが、次は、前川さんの名前を出して「良く思い出してくれ」と書き、その次は「前川に違いない」と言い出すのだ。しかも、「俺の証言で犯人逮捕となれば、俺の刑期が減刑される」とまで書いている。
この横山の女や手下が、警察の強引な調べに「見た」と言ったことで有罪になる訳だが、なんと横山は取調室にも入り、証言を求めらる人に「俺の顔をたてろ」などと言ってもいる。
学習会では、横山の証言の数々が示されたが、変転する証言を追及され、「嘘を言った」と、自認してもいて、まともな人間ならば有罪の証拠になど、使えないのに、裁判官は、これを信じてしまう。
福井事件は、今、最高裁だが、何としても高裁の判断を覆して無罪とすべき事件だと、再確認した。
しかし、裁判官ってのは、責任の重さに堪えない人物が多すぎるよ。