桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

弁護団会議

2010-06-21 | Weblog
今日は弁護団会議だった、もちろん、会議の冒頭はDNA鑑定請求での検察官意見書に対する議論だった。裁判所は、その証拠品の保管状況に対する資料を要求したが、結局、検察官が提出したのは、当時の捜査官や検察事務官の言葉だけだった。そして、俺の発言を報じた新聞コピーを提出し、桜井が触ってないと言ってる、などと弁明しているのを知って、ただただ呆れている。そんなに俺の言葉を信じてくれるならば、なぜ43年も無実を叫ぶ俺の言葉は信じないかねぇ。

今回の検察官の意見書を見て、猛烈に腹が立ったことがある。俺の言葉を信じないからでは無い。また検察官の汚さが判ったからだ。
検察官は、俺たちのDNA鑑定をしたいと思い、その意思を隠したまま裁判所からワイシャツやパンツを借り出した。これは反則だよね!裁判所にも言わないで、密かに自分たちだけでコソコソ証拠品を弄り回す。これだけでも怪しいが、検察官が持ち出したのは、他にもあったのだ!
43年前、俺たちの髪の毛を警察は押収した。それで現場に残された犯人の髪の毛かも知れない物と比較検査した。鑑定結果、太さが違うと言う鑑定になり、その鑑定書が35年も隠された訳だが、その我々の当時の毛髪も検察官は借り出し、密かに科学警察研究所の職員と調べていたと言うのだ。
こんなことは許されるのか!
検察官は、そのワイシャツなどを鑑定し、桜井のDNAが出れば犯人の証拠だ!と言う。だから鑑定が必要だと言う。ならば、なおのこと、なぜ検察官は裁判所に真意も告げずに証拠品を借り出したのだ!鑑定対象では無い、俺たちの髪の毛までも持ち出したのだ!
このやり口の汚さ、これが日本の検察庁の本質だし、正体だ。自分たちのした証拠隠しが明らかになり、布川事件における検察の罪を追及されたらば弁明出来ない現実から逃れようとしているのだ。そのためには手段を選ばない。
日本の検察庁は、自分たちが正しいとするためには、どんな不正をすることも拒まないのだ。
だから、平然と裁判所を欺き、ワイシャツなどだけでは無くて、我々のDNAが存在する毛髪までも借り出したのだ!
汚い!汚すぎる!
もう鑑定対象物のワイシャツなどに俺たちのDNAを混入させ、何時でも犯人にと主張出来る細工は果たしたのかも知れない。
本当に日本の検察庁は犯罪者集団だと、今日は骨身に染みて思ったねえ。
許すまじ、犯罪者集団!日本の検察庁!

オシムの目

2010-06-21 | Weblog
オランダ戦の大善戦でワールドカップ熱が一気に高まった日本だが、前代表監督のオシムは、さすがに冷静に全体を見ていた。
俺はサッカーは判らないが、何よりも大事なのは、全体を見回して動く感覚と走量だと思う。オランダ戦の大久保のシュートを見て、ただ打てばいいってもんじゃないと思い、ただテレビの前でも声に出したが、オシムは「他に打てる体勢の選手がいた」と指摘した。俺は見損なった。全体を見ている人は、さすがだね。本田を絶賛する人もいるが、オシムは、本田がボールを持つとプレーが遅くなると指摘していた。
最後のデンマーク戦に向けて、ますます熱を帯びそうな日本だが、さてはて結審やいかに!
楽しみだねぇ。

草刈り

2010-06-20 | Weblog
我が家の庭は、毎日掃き清める暮らしをしていないために、かなり乱れた状態になった後、一気に草刈機で刈り、綺麗にするのが日常だ。
今日は予定のない日曜日。久しぶりに草刈りをした。肉体労働も久しぶり。気持ち良い汗を流して綺麗な庭になり、満足の休日になった。

ワールドカップ

2010-06-20 | Weblog
今回のワールドカップは番狂わせ的な試合が続く。評価の低いアジア勢の健闘もあり、見る方は面白いが、戦ってる選手や国は大変だよね。過去には戦争も招いたサッカーだから。
その戦いの中で、やはり!と納得する思いになる国がある。フランスだ。
何時だったか、オリンピック柔道で日本が勝ったのに審判の誤審て負けたことがあった。負けた日本選手が潔く、何も審判を責めなかったが、勝ったフランス選手がグダグタと言い訳をして腹が立ったことがあった。あれ以来、フランス人の傲慢を感じていたが、今度のワールドカップ予選では、ハンドの反則をして、何とか滑り込んで出場した。そして大会になったが、全く勝てない。
当たり前!
汚い反則をして、それもサッカーだごとき言葉を吐き、代表枠を盗んだ国なんて勝てる訳がない。ざまぁ見ろ!とは言わないが、溜飲の下がる結果だねぇ。
スポーツくらい当たり前に正々堂々とあって欲しいよね。

飲み会

2010-06-20 | Weblog
週末は、必ず予定が入っている月日が続いていたが、今週は、全く予定がなかった。それで若い友人が結婚した祝いの食事を、俺が気に入っているフランス料理店でしょうと、ドタキャン有りで決めたのだが、その店へ行ってみると、何と父の日予約で満員!だった。豪華にディナーのつもりが、だだの飲み会になってしまった。
俺には息子、娘世代だが、もう付き合って7年と言う夫婦は、二人の間に、実に落ち着いた空気が流れていて一緒にいるのが楽しくて、穏やかな気持ちにさえなるのだ。
サッカーのオランダ戦を見ながら飲んだが、家族一同がスポーツファン、サッカーファンと言う夫、タケルは、全くスポーツに関心のない一家に育ってルールにも無知な妻、マリに対して、一つひとつのプレーや意味を、質問されるたびにテレビから目を離して説明するのを見ていて、本当に関心した。俺ならば、「後で教える、少し黙って見てろ」なんて言いそうな白熱した戦いの最中、ゲーム開始のホィスルが鳴る前から「あぁドキドキして来た!」と言うくらいに観戦に気合いの入ったタケルなのに、それはね、と話すのを見ていて、二人は似合い、結婚するべくしてした二人と感じる喜びみたいな感覚を味わった。
いいよね、幸せを感じる人間同士の繋がりを見られ、その傍にいられるのは。
大善戦の結果と満ち足りた時間を過ごした夜だった。若い二人は、「今度、つくばの新居に泊まりで飲みに来て!」と言ってくれたが、俺は幸せ!
写真は二人。

意見書

2010-06-19 | Weblog
DNA鑑定に付いての検察の意見書が提出されたらしい。俺には届かないし、見ていないが、新聞に記事があった。
裁判所の求めた資料はあるはずがないが、検察は「証拠物を目の前に出す調べが行われるとは思えない」と主張しているらしい。
なぜ目の前に出さないと言うのか、言えるのか、その根拠は知らないが、出さないと言ったって、俺は実際に出されたし、目の前の机に乗せられた証拠物を確認させられた。財布、便所の桟、パンツ、ワイシャツなど。
それに検察は「DNAの付着時期は見分けられる」とも言ったらしい。新説だね、付着時期が見分けられると言うのは。
混入させるようなこともしていないと言うらしいが、判らないよね、検察のやることは。
そもそも鑑定をやるともやらないとも決まる前に裁判所から持ち出して、それを「鑑定が可能か、調べた」なんて許されるのか!
そのやり方の不公正さが、検察を信用し難い理由なのだ。
裁判所の判断がどうなるかは判らないが、何をどう言ったところで、今さらのDNA鑑定など、到底納得出来る手段ではないのだ。

日本相撲協会

2010-06-19 | Weblog
朝青龍問題から薬物問題と屋台骨を揺るがす騒動だったが、何とか乗り切って貴乃花理事での騒ぎも落ち着いたと思ったらば、今度は賭博問題だ。本当に事件が続く相撲協会だ。
朝青龍問題は、外国人力士が増えれば、ただ強ければ良いと考える人が現れて不思議はない。個人の問題、相撲部屋の教育の問題で片付けられる。また、薬物も外国人力士ばかりが問題になり、マリファナが許されたりする薬物文化の違いがあるかも知れないが、外国人力士の認識の甘さを露呈した問題だった。
今度の賭博問題は、これは膿。相撲界の過去の傷が生んだ膿だと思う。相撲界とヤクザ社会の付き合いは公然たる事実だった過去がある。ヤクザが興行を仕切り、それに乗っていたのが相撲界だ。日常的に付き合っていた。
今、暴力団は入場させないと宣言する相撲協会だが、付き合いの名残はあって、特別席観戦問題が生まれたと思ったらば、今度は野球賭博だ。ヤクザ社会と付き合うことに慣れがあったのだろう。
相次ぐ問題の相撲協会に対して、自浄力がないとか、外部に第三者委員会を作らなければ解決出来ないとか、かなり辛辣な批判がなされてるが、同感と思う俺には、違った組織への思いが生まれる。
警察、検察、あそこも外部に第三者委員会を作って検証と改革が必要だ。内部だけでは判断が甘くなるのは相撲協会だけではないが、マスコミは警察や検察に厳しい声を上げないのは、なぜだろうか?
暴力団に資金を与える野球賭博は犯罪行為であり、反社会的行為だが、警察や検察が裁判に対して行う自白強要、証拠のでっち上げと改ざん行為、証拠隠しの行為などは、何と言うべきだろう。
許し難い行為としてでは、単なる賭博よりも罪は重かろう。
足利事件でも捜査体質が持つ自白第一主義ゆえに犯人を作り上げてしまう本質的問題を反省しなかった警察と検察。一度自白をさせてしまえば、その自白を守ることが社会正義の実現だと思う警察は、平然と証拠を作る。氷見事件、足利事件、袴田事件、名張事件、狭山事件、仙台北陵クリニック事件、日野町事件などなど、警察が物的証拠をでっち上げた事件は数多ある。日本相撲協会よりも、こっちの方が重大な問題だ。警察と検察の行った行為を検証し、監視する組織を作ろう。

大林宏

2010-06-19 | Weblog
検事総長が交代した。
樋渡利秋が退官し、大林宏が新検事総長だ。
この連中、俺は布川事件の再審請求に名前で係わった人たちだから、深い思いがある。直接に書面を検討して抗告を繰り返したのは、当事者的幹部や担当者たちなのだろうが、抗告の最高権限者だったのは歴代の検事総長や東京高検検事長だ。但木敬一、樋渡利秋、大林宏、この三人は、俺には怒りのターゲットだ。
樋渡利秋が退官し、コメントを出し、大林宏が就任してコメントを出したが、本当に言葉は素晴らしいよね。「足利事件のような冤罪は二度と出さないようにしたい」と言うが、満足に反省しないでいるのだもの、今後も冤罪は作られる。そして、再審は、今後も続くだろう。
俺は、俺のターゲットである歴代検事総長たちと席を同じにして論議をしたい思いがある。卑劣、姑息、醜悪、正義面をして検察が行う裁判での汚さを、社会の皆さんに晒してやりたい願いがあるけど、何時か、実現したいねぇ。

映画

2010-06-19 | Weblog
昨夜は「弟」を見に行った。山田洋次監督作品だから、笑わせて泣かせての内容だが、俺も馬鹿な人生を生きた男だから、あかんたれとして痛みを共感した映画だった。
一緒に連れ合いと娘が行ったのだが、女手一つで子供を育て、更に独り者だった弟を亡くした主人公の作品に重なる人生を生きた連れ合いは、どんな思いだったか。
昨日、ヒロトを連れ合いの実家へ連れて行ったらば、着くなり「お線香を上げる!」と仏壇に行った。高い仏壇なので俺が抱き上げてやらせた。そして、川遊びをした後、スイカなどをご馳走になっていたとき「このウチは二人なの?」とお婆ちゃんに聞く。「そうだよ」の答えを聞いてヒロトが言ったのは「ウチは7人だよ!二人じゃ寂しいねえ」だった。そのときのお婆ちゃんの表情は、実に複雑なモノだった。家を継ぐはずだった次男が亡くなり、老夫婦だけで暮らす毎日は、それは寂しくて侘しいだろう。ズバリと言うヒロトの言葉は胸に響いたに違いない。
帰って見た「弟」、俺の胸にも響いた作品だった。

完全休日

2010-06-18 | Weblog
梅雨に入ったとたんに晴れ続き。今日も薄日が射して蒸し暑い。
何も無い1日だから子供に会いに行った。そして、連れ合いの実家に来た。
連れ合いの実家の側には小さな川が流れている。字地名のままに塩子川と言うらしい。
子供は川遊び、水遊びが好きだ。ひたすらに石を投げ、水に戯れている。
もうすぐ4才になるヒロトは、もう何でも自分でやれるようになり、俺の役目は水に流されたときだけになったが、ズボンの尻まで濡らして遊ぶのを見ているのが安息の今日になりそうだ。