桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

日本相撲協会

2010-06-19 | Weblog
朝青龍問題から薬物問題と屋台骨を揺るがす騒動だったが、何とか乗り切って貴乃花理事での騒ぎも落ち着いたと思ったらば、今度は賭博問題だ。本当に事件が続く相撲協会だ。
朝青龍問題は、外国人力士が増えれば、ただ強ければ良いと考える人が現れて不思議はない。個人の問題、相撲部屋の教育の問題で片付けられる。また、薬物も外国人力士ばかりが問題になり、マリファナが許されたりする薬物文化の違いがあるかも知れないが、外国人力士の認識の甘さを露呈した問題だった。
今度の賭博問題は、これは膿。相撲界の過去の傷が生んだ膿だと思う。相撲界とヤクザ社会の付き合いは公然たる事実だった過去がある。ヤクザが興行を仕切り、それに乗っていたのが相撲界だ。日常的に付き合っていた。
今、暴力団は入場させないと宣言する相撲協会だが、付き合いの名残はあって、特別席観戦問題が生まれたと思ったらば、今度は野球賭博だ。ヤクザ社会と付き合うことに慣れがあったのだろう。
相次ぐ問題の相撲協会に対して、自浄力がないとか、外部に第三者委員会を作らなければ解決出来ないとか、かなり辛辣な批判がなされてるが、同感と思う俺には、違った組織への思いが生まれる。
警察、検察、あそこも外部に第三者委員会を作って検証と改革が必要だ。内部だけでは判断が甘くなるのは相撲協会だけではないが、マスコミは警察や検察に厳しい声を上げないのは、なぜだろうか?
暴力団に資金を与える野球賭博は犯罪行為であり、反社会的行為だが、警察や検察が裁判に対して行う自白強要、証拠のでっち上げと改ざん行為、証拠隠しの行為などは、何と言うべきだろう。
許し難い行為としてでは、単なる賭博よりも罪は重かろう。
足利事件でも捜査体質が持つ自白第一主義ゆえに犯人を作り上げてしまう本質的問題を反省しなかった警察と検察。一度自白をさせてしまえば、その自白を守ることが社会正義の実現だと思う警察は、平然と証拠を作る。氷見事件、足利事件、袴田事件、名張事件、狭山事件、仙台北陵クリニック事件、日野町事件などなど、警察が物的証拠をでっち上げた事件は数多ある。日本相撲協会よりも、こっちの方が重大な問題だ。警察と検察の行った行為を検証し、監視する組織を作ろう。

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