桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

ならば判る

2014-06-27 | Weblog
敗戦ザックジャパンに付いて、多くの批判記事を見たが、この敗戦を象徴するのさ内部分裂記事だろう。なればこその、あの一体感のないサッカーだったのだ、と理解出来た。
ワールドカップ直前の強化試合で、本田はファンに挨拶もしないで引っ込んだことがあった。あのとき、先輩になるキーパーの川島は「挨拶しろ」と迎えに行ったらしいが、本田は敗戦の悔しさか、後輩らしからぬ口調で拒否したとか。
本田、 香川、長友のヨーロッパ勢が、他の選手と遊離したようになってしまい、最後まで修復出来なかったと書いていた。
本田、香川、長友辺りでは、個々の力は知れている。チームとして団結すれば、それなりに戦えたろうが、反目し合っていたとあっては、あの結果で当然だったろう。
増長、傲慢、自信とは紙一重なのだろうが、人間の怖さ、弱さだ。
戦前、本田は「根拠のない自信がある」とか語っていたが、「俺よりうまくなったらば言うことをきいてやる」と仲間に語ったらしい天狗の鼻は、見事に折れ。根拠のない自信には、何の力もなかったことが明らかになってしまった今、彼の人生が問われているのかも知れない。
ここから立直り、新しい本田のサッカーを期待したいが、果たして?

無視してる訳ではないが

2014-06-27 | Weblog
但木敬一を書いたところに、柳田豊さんを皮切りに論争の書き込みがある。
俺は柳田さんの冷静で正確な書き込みを認めているし、信頼出来る人だとも感じている。
ただ、慰安婦問題では、残念ながら意見を異とする。確かに、柳田さんの書くように拉致されたごとき話や慰安婦の数字などは誇張もあると思う。しかし、慰安婦となり、日本軍の管理下にあって自由を奪われていたことに違いはない。意に反して強制されたのだ。金持ちがいたとか、いい思いをしていた者もいたとか、そんな些末は意味をなさない。ことが戦争の中で行われ、敗戦で大量の資料を燃やした日本が、今になって証拠がないとか、裏付けがないなどと声高に主張して、何の利益があるのだろう。
俺には理解出来ない。
橋下辺りは、俺もやったが、お前たちもやった!だから同罪だと言いたいらしいが、そのような主張が、本当に国際的な指示を得られ、日本国の信頼になると思うのだとしたらば、こんなにお目出度い話はない。
個人であっても国であっても過去は変えようがない。過去があって今がある。今に不満を持つ者は、とかく過去を美化したりしがちだが、日本軍が行った行為を言い繕うとしても、今さら無理な話だし、却って国際社会で嘲笑されるだけだろう。
今になって南京虐殺はなかったとか、強制された慰安婦問題は韓国の作り話だなどと騒ぐ連中があるのは、俺は日本自身に問題があったと思っている。
先日、ワールドカップで敗退した日本について、「同じ失敗を繰り返すのは、本質的な反省をしないからだ」と批判する言葉があったけど、あの戦争についても、日本人自身は、戦争の本質を突き詰めて反省したろうか。
戦争を煽り、戦争に突き進んだ連中(政治家、軍人、資本家、マスコミなど)の問題を、日本人は「1億総懺悔」として考えないで来た。だから、今になって、馬鹿げた論争になったり、馬鹿げた主張が許されたりするのだと、俺は思っているけどなぁ。