桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

袴田事件集会

2014-06-29 | Weblog
再審請求が認められ、身柄も釈放された袴田事件は、とにかく人は集まる。
今日の集会も超満員。
袴田巌さんもお姉さんと一緒に参加したが、まだ正常に会話は通じない。死刑の恐怖に向き合った精神は、自分を狂わせて耐えるしかない。少しずつ回復はしているが、まだだよな。
マスコミは移り気だし、今の関心しかない。袴田巌さんが会場から去ったらば、総てのテレビカメラはいなくなった。
その中で弁護団報告と静岡大学教授、笹沼先生の話を聞いたが。
俺に言わせれば、検察が持っている「穿けないズボン」の証拠を偽り、袴田さんを有罪だ!!と嘘を主張し続けた虚偽主張な問題こそ、袴田事件の総てだ、と言わなければおかしい。
法律の常識に捕らわれた主張は、犯罪者検察を許すようなことになると思った集会だったなぁ。
冤罪は、警察の思い込みで嘘の自白が作られ、嘘の自白を誤魔化すために証拠捏造が行われることで完成する。袴田事件で指摘された証拠捏造は、他の冤罪にも共通する問題なのだ。
マスコミの関心がある今、袴田事件の運動体がなすべき使命は大だ。
冤罪事件は、それぞれは別々の闘いだが、実は一致した闘いだ。今日は、痴漢冤罪・三鷹バス事件の被告が集会で訴えたが、参加者の共感を呼び、盛大な拍手が送られた。みんなで手をつなぎ、頭が良いバカ集団の法務・検察を改革する闘いにしたいよね。そう思ったなぁ。
司法試験に向き、しかも検察官になる頭が良いバカの集団は、その手の頭は良くない世間を舐めて、大衆をバカにしてるが、どっちのバカが真実で正しく、強いか、判らせてやりたいよね。
そんなことを想ったなぁ。

岡山

2014-06-29 | Weblog
昨日は岡山に来た。
何年振りだったろうか、駅に下りてみると、まるで記憶と違う。前回のときは工事中だったが、総てが完成して駅は綺麗に整備されていた。
救援会岡山県本部は会員が千名を突破したそうで、その突破記念の集会に招かれての岡山入りだった。
会場には若い男女も混じり、集会の参加者は80名を越えたそうで、さすがに千名を越えただけの人の思いを感じた。
俺の話は、何時も通りだが、四国・善通寺市にある大学で平和学を教えているケニア人の教授が「映画、約束を見て感動して参加した」と言うことで、助手の若い女性と共に参加し、懇親会から二次会までも残り、「私の大学にも来て欲しい」と言って貰えた。
若い女性の1人は、まだホヤホヤの弁護士さんだった。京都で行われた司法修習生の集まりのとき、俺の話を聞けなくて懇親会で話したそうだが、それで印象に残ったことがあって、その後、岡山に来て弁護士になり、救援会にも入ったことから、この集会に来たとか。やはり、懇親会から二次会まで、一緒に盛り上がった。
この地で痴漢冤罪と闘い、残念ながら有罪で終わってしまったが、その後も苦闘しながら事業を始め、頑張っている冤罪仲間の山本真也さんとも久しぶりに会った。懇親会では、初めて家族の苦悩を話して涙を流すのを見たが、冤罪は家族が大変だ。子供たちも無事に成長して孫も得たそうだが、再審も目指したいと語る、この仲間たちのためにも、俺は頑張ると思えた岡山だった。