桜井昌司『獄外記』

布川事件というえん罪を背負って44年。その異常な体験をしたからこそ、感じられるもの、判るものがあるようです。

素直に

2014-06-17 | Weblog
布川事件の話をするとき、巡礼の話をするし、何度もCD作成の録音をしたことも話す。
子供のころ、歌謡曲を聴くたび、すぐに唄えるように覚えたし、2回聴けば歌詞も含めて記憶出来た。勉強も何も自信はなかったが、歌だけは自信があった。でも、極端な恥ずかしがり屋だったものだから、ほとんど人前では唄わなかった。もし冤罪に出会わなかったらばカラオケブームの中で、きっと美味しい思いをしたと思う。
29年間の沈黙の時間で、途中から刑務所の歌謡クラブで唄ったりはしたが、声が抜けないと言うか、何かが喉に被さったようで逮捕されたころのように唄えたことはなかった。
それでも社会に帰って唄う機会が増えたことから、それなりには満足する声が出るときもあった。だから、自分の声で唄うCDを作ることにしたのだが、実際に録音してみると自分で思っている歌声とは違い過ぎた。それで何回も録音に行く結果になった。四国巡礼をする中で、自分の思う歌声と違うのは、単純に下手だからだと悟ってしまった。作るか、止めるか、それなりに悩んだけれども、そのCDも闘いの一手段と割り切って出すと決めた。
色々な人の手に渡り始め、批評も届き始めたが、俺に作曲をさせる切っ掛けをくれた佐藤光政さんからは、過分なお褒めを頂いたし、俺の歌には辛口な水戸の人からも、いいよぉ!!と言って頂いた。
嬉しいねぇ。
お大師さんには「大したことはないよ」と、釘をさされたけども、大したことはないことを自覚した上で、俺の闘いの手段として、皆さんのお褒めを素直に受け止めて力にして頑張ります!

称賛

2014-06-17 | Weblog
今朝の新聞でも報道されたが、コートジボワール戦に負けた後、日本人サポーターたちがスタンドのゴミ掃除をしたことを「敗戦したが、サポーターたちのマナーはブラジル人の心をつかんだ」と称賛されたらしい。16年前の初出場のときから行っているという、この試合後のスタンド掃除は、日本人の民度の高さをしめしていて、本当に誇らしいよねぇ。
先日の集会でも聞いたが、日本の警察や検察、御用学者たちは、全面可視化と全面証拠開示に反対する言葉として「世界一治安の良い国の日本が、なぜ治安の悪い国のやり方を真似しなければならないのだ」と言うらしい。
こいつら、巧い言い方をするよなぁ。でも、良く考えれば、日本が世界一治安の良い国であることと、今の警察や検察の捜査の在り方と、どうつながると言うのだろうか。犯罪解決率は30%台だ。決して日本の警察や検察の捜査力が優秀なのではない。警察や検察が優秀で「だから他国のやり方を真似する必要はない」と言うならば、全面可視化などに反対しても判るが、10件の犯罪があれば7件も逃してしまう未熟者が「俺たちは優秀だ」と言わんがばかりの反論は、余りにも我田引水で笑える言い種だろう。
言うまでもなく、ワールドカップで示される日本人の民度こそが、世界一安全な日本を作り上げている。警察や検察の力ではない。もし、明日に警察を廃止して、日本の治安をアルソックやセコムに委託したとしても、何ら変化無く日本の治安は保たれるだろう。そして、法律を守る民間会社の捜査は、その捜査の正しさを検証する手段として、全面可視化と全面証拠開示を自ら求めて行うに違いない。そう、日本の警察と検察は、その捜査が正しく行われたかどうかを国民に示す手段として、直ちに行う責任と義務があるのだ。と言っても、この腐れ組織には蛙の面に小便だろうが。