銅器の世界地図

この１ヶ月ほどはものづくりをしているみなさんと
お話しする機会が
沢山あり。
また
数年かけて製作している鎚起銅器の本「俗物」も
佳境に入っていたりして。
自分の仕事について言葉を煮詰めている感があります。

言葉にしなくてもよい世界
であったかもしれません。
でも
言葉にすることで
足りないところが見えてくる。
とも思います。

目的地に着くだけだったら
車でも
自転車でも
歩きでも
方法はいろいろとあるでしょう。
経済合理性を考えれば
早く低コストで
目的地に着く方法を考えるべきですが
どうも
そこに足が向かず。

目的地に着く事と共に
その道中を面白がりたい。

「俗物」に寄稿してくれている
木工作家の富井貴志さんは
「素材と戯れる」とゆう表現をされていましたが
私も一枚の銅板が立ち上がってゆく様を見ているのが
毎回面白くて。
同じことを何度繰り返しても
同じにはならなさ加減が留めどなく。
ある意味
完成が近くなる事で
一抹の寂しさもあったりするのです。

私の銅器を手にしてくれる方は
「自分の思った形の銅器が欲しいとゆう方」
「どうもおかしなことをしている大橋のつくった銅器が欲しいとゆう方」
または
「偶然、鎚起銅器の初見が大橋の器だった方」
それらが複合的に絡み合っているのだと
今は感じています。
ブランドを求めるなら玉川堂
低コストなら他の銅器屋さん
また
機械で絞ったままのものでもよい。

多種多様な銅器の世界。
選び方は自由で
それぞれのお客様にあったコンシェルジュ
いつかしてみたいとも考えています。

私のものではなくても
きっと
お客様の求める銅器に出会える機会は
あると思うのです。
そんな銅器の世界地図が
必要なのかもしれません。

そんなことを考えながら
今日は
今年初の銅鍋づくり体験会に出かけます。
晴れた気持ちの良い
スターバックスの窓際から。
本日も
それぞれの場所で
素敵な１日にしましょうね。