リンリン・ダイアリー

ブースカがお話します。

2015年4月14日 映画・沈まぬ太陽

2015-04-14 20:26:33 | Weblog
 山崎豊子さんの作品は読んだ事がない。取材力が物凄い、としか彼女に関する知識としてはない。凡人には思いつかないような発想で次々と問題作を生んだ。凄すぎて付いていけそうになくて読まなかった、いや読めなかったのだ。”沈まぬ太陽”は1985年夏の御巣鷹の尾根に墜落した日航機事故を取り上げそれまでの日本航空、会社のあり方も暴く。大企業相手によくぞここまで、と感心するしかない。身の危険を感じた事はなかったのか。ボディーガードを雇っていたわけでもないだろうが、女性とは思えない(失礼)勇気ある生き様。それまでにも公害問題をはじめ、様々な社会問題を斬って来た人だからこその技。映画公開時はその凄さを知らなかった。実際に拝見しここまでやるのかと驚いた。主人公役の渡辺謙さんは役になりきっていて、実直な人柄を上手く表現していた。彼の女房役、鈴木京香さんもとても良かった。年齢さがかなりあるはずなのにそれを感じさせず、しかも母親の優しさと強さを上手に演じ分けていて素晴らしかった。いつもの彼女とは違って見えた。墜落事故の場面は本当はもっともっと辛くて大変な日々であっただろうが映画ではやや柔らかめに仕上げてあった。遺族や関係者に配慮しての事と思われるが、それでも心が痛んだ。そこから目を逸らさずに真実を見る重要性。忘れかけていた事を思い出させてもらい、少しだけ覚醒した。

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