先日亡くなった、市原悦子さんを偲んでTBSで特集番組があった。ひょうひょうとした人柄がよく表れていて見ていて楽しかった。彼女の魅力を感じたのは晩年になってから。特にいいなぁと感じたのは遺作となってしまった映画”しゃぼん玉”。ひなびた場所でひとり暮らすお婆さんの役。悪事を働き、逃亡中の若者としばし暮らしを共にする。若者の事情を承知の上で彼を暖かく包み、改心させ罪を償う期間、彼を待ち続ける。並みの人では出来ない事だし、映画だからとは思うがそれを自然に演じる市原さんの姿に感動。こんなお婆さんになりたい、と思わせてくれた。派手な映画ではないが、だからこその良さがあり観終わって暖かい気持ちにさせられた。(監督が誰だったのか忘れてしまったが)もう一度観たい! 話を戻すが、TBSの番組では昨年亡くなった樹木希林さんも出ていた。以前にも見たものだとは思うが、その時には感じなかった事を幾つか感じた。まず希林さんは相当に我がままだと言う事。対して、市原さんはおおらか。あの寛容さが長年愛された家政婦ドラマにも生かされたし、多くの人に支持された理由だと感じた。市原さんが演じたからこそあれだけの長寿ドラマになったのだ。美人女優ばかりがもてはやされた時代に演劇の世界へ飛び込んだ彼女。人知れぬ苦労は多々あっただろう。それを隠して努力を重ねた人。卑屈にならず、頑張り続けた人。比べて申し訳ないが希林さんはどこか卑屈。コンプレックスを払拭できずに生きた人なのか? ふたり並ぶ姿を見て、あまりの違いに驚いた。市原さんの幸せそうな顔と対比し、希林さんは不幸な顔をしているとも思えた。顔にはやはり出るなー。希林さんを卑下するつもりはないが、市原さんの良さが際立っていたと感じた番組だった。司会の安住さんと市原さんのかけ合いも心地よかった!
先週木曜日の夜から不調が続き、インフルエンザと診断がくだった。3日寝込んで昨日から仕事に復帰。喉の具合はイマイチだが、休んでばかりもいられないので無理して出勤。どうなる事か、と不安はあったが何とか1日もった。今日は元々休みの日。明日明後日は頑張らないと。そうは言っても明日はもう木曜日。休んでいる間の時間は早く過ぎる。あの辛かった夜から1週間も経つのかと驚き。しかしこの1週間でどれだけの人々が同様の苦しみを味わったのか。昨日はインフル患者の女性がホームから転落死する事故も起きた。インフルエンザだけの影響? なのかどうかは分からないが高齢でもないのにそんな事で亡くなるなんて。我が身にしても50年振りに降りかかったインフル。猛威には違いない。うがい手洗い慣行を医師は言うが、それだけで防げるはずもない。高齢者施設では連日亡くなる人が出ている。確かに体が弱っている人があれに感染したら命を落としかねないかも、と恐ろしくなる。一度かかればかかり難くなると聞いたが本当か? 治っても油断は禁物。うがい手洗いだけは忘れずに続けたい。
死ぬ気で出掛けたのだろうけど、死なずに終わって良かった。とは思うがそもそもチャレンジに無理があった、とは誰もが感じたは事ではないか。スタッフあっての登山なのは承知しているが、至れり尽くせりもいいところ。ヘリで途中まで連れて行ってもらいその後どのくらいだか知らないが、最後だけ登る計画だったそうで。それを登山と呼べるのか。あれほどの人がそんな手を使ってまで登頂したいのか、と呆れた。まぁ、あれほどの人だからそれだけの力もありスタッフも集められたのだろうが、登山家としてその心掛けはどうなの? もっとも山やを自負する我がダンナに言わせればあの人は登山家ではない。国内の山はあまり登らないし、(スキー滑降は別にして)海外の目立つ山だけに行く目立ちたがり屋との事。そう考えればこの計画の意義も納得できるか。朝日新聞にも連日記事が載り、彼らも踊らされた感あり。86歳の挑戦、の物凄さは分かるけど。
こんな流行ものに乗っかるなんて思わなかった。乗りたくて乗ったものではないけれど。インフルエンザにやられたのはウン十年振り。自分では覚えていないくらい昔にしかかかった事はない。発熱も大した事はなかったが、病院に行ったら医者が「どうしますか? 一応インフルエンザの検査をしておきますか? それによって薬も違ってくるから」と呑気な反応。早く辛い症状から逃れたい一心の身としては、受けるべきと判断しお願いする。結果を待つこと10分。「いやー検査して良かったですよ、陽性です。インフルエンザです」慌てない呑気な受け答えには救われる面もあるが、大丈夫なのか? と疑わしい面も。一時期問題になった”タミフル”を飲んで3日。やっと熱は下がった。しかし咳が止まらず、休んでも熟睡出来ないのがツライ。2時間おきに目が覚め、体がだるい。健康第一、と改めて感じる。
是枝裕和監督や西川美和監督の助監督を務めた、広瀬奈々子さん初めての監督作品”夜明け”。出演者も柳楽優弥さんや小林薫さんなど、イイ感じの俳優陣なので観に行こう! と思っていた。しかし、予告編を観ただけでいいか行かないでで、と決めた。全体的に暗い映像で(内容も)つまらなそうと思えたのだ。是枝さんや西川さんの作品は何度も映画館で観ている。彼らの作品にしても明るいものではないし、どちらかと言えば暗い部類に入る。けれど、面白いと感じさせるものが必ずあるし、観終わって未来を感じる事が出来るのだ。観てもいないのに、そうではなさそうと決めつけるのはいけない事かも知れない。ごめんなさい、広瀬監督。けど、予告編でワクワクさせてくれないようじゃ、本編には全く期待が持てないのは事実。予告をもっと上手に作ってくれていればなー。残念でならない。もう一つ残念なのは最近の日本映画には観たい! と思わせるものが少ない。こちらの感性に問題があるのか? 頑張ってくれたまえ、監督たちよ。