スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

能登半島支援・読売新聞社杯全日本選抜競輪&確実性の観点

2024-02-13 19:32:30 | 競輪
 岐阜競輪場で争われた昨日の第39回全日本選抜競輪の決勝。並びは新山に浅井,北井‐郡司‐松谷の神奈川,古性‐南の大阪,清水‐山田の西国。
 スタートは取り合いになりましたが,古性が誘導の後ろに入って前受け。3番手に清水,5番手に新山,7番手に北井で周回。残り3周のバックの出口から北井が上昇開始。それを清水が牽制し,ホームで古性を叩いて前に。その後で北井が巻き返していき,神奈川の3人で清水を叩きました。このまま打鐘を迎えて新山が発進。ホームで北井を叩いて先行になったのですが,タイミングが合わなかった浅井は郡司の牽制などもあって離れてしまい,新山の後ろに北井となりました。北井はバックから新山を抜きに行きましたが,そこから新山が頑張って競り合い。最終コーナーで何とか北井が前に出たところ,松谷の後ろから動いた清水が迫ってきました。北井マークの郡司は北井が先頭に出ると外から抜きにいき,捲り追い込みの清水と優勝争い。一旦は清水が前に出たように見えたのですが,内から差し返した郡司が優勝。清水が半車輪差で2着。北井が4分の3車輪差で3着。浅井の後退で最終周回でもつれたところ,清水を追う形になった古性がタイヤ差で4着。
 優勝した神奈川の郡司浩平選手は川崎記念以来の優勝。ビッグは一昨年9月の共同通信社杯以来の6勝目。GⅠは2021年の全日本選抜競輪以来の3勝目。全日本選抜競輪は3年ぶりの2勝目。岐阜では2020年9月に記念競輪を優勝しています。このレースは清水の近況が絶好調だったのですが,北井という強力な援軍がいましたので,郡司が優勝の最有力候補だろうと考えていました。北井は抑えて先行するより突っ張って先行する方が持ち味が生きる選手ですが,車番の関係で前受けができそうもない点は不安でしたが,すんなり抑えることができ,清水が飛びつかずに引いたのでその点は大きく影響しませんでした。それでも新山に叩かれてしまったのは,やはり突っ張り先行ではなかったからではないでしょうか。北井が新山を抜くのに苦労した分だけ好調な清水が迫りましたが,何とか郡司が凌いだというレースだったと思います。

 デカルトRené Descartesは絶対的に正しいことは何かということから思索を開始しました。そして絶対的に正しいこととは,自分が疑うことができないことであると見定め,そのために方法論的懐疑doute méthodiqueを採用したのです。しかしスピノザはこの種の問いに対して,絶対的に正しいことは何かという問いを拒否します。そうではなくて,知性intellectusのうちに何らかの観念ideaがあるとき,その観念が正しいということ,すなわちその観念が十全な観念idea adaequataであるということを知るとはどういうことか,あるいはそれが十全な観念であるということをいかにして知るのかという問いに変更します。つまり,知性にとってある観念が確実に十全であると知るとはどういうことであり,またそれをいかにして知るのかというような問いから思索が開始されるのです。このスピノザの観点をここでは確実性certitudoの観点ということにします。方法論的懐疑が,とにかく疑い得ない観念を探求していくのに対し,スピノザはそのような観念自体を探求していくのではなく,知性がその観念に対して確実であるとはどういうことであり,そのための必要条件は何かということを探求していくのです。
 最初にスピノザの解答だけをいっておくと,これは実にシンプルなものです。それは,たとえば現実的にAという人間が存在していて,そのAの知性のうちにXの十全な観念があると仮定すれば,AはそのXの観念が十全な観念であるということを知ることができさえすれば,AはXについて確実であることができるというものです。だから,問いに答えるために必要とされるのは,このXの観念が十全な観念であるかということを,Aがいかにして知るのかということだけです。
 これについてはスピノザは独自の解答を出します。独自のというのは,この解答というのはスピノザに独自の理論である平行論に依拠したものだからです。これは以前にも考察した事柄ではありますが,ここではもっと基礎的な部分から詳しくみていくことにします。
                                   
 まず,スピノザは現実的に存在する知性というのを,第二部定理一一系にあるように,神の無限知性の一部partem esse infiniti intellectus Deiであると解します。なのでAの知性とは,Aの知性の本性essentiaによって説明される神です。
コメント
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