スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京2歳優駿牝馬&人間の力

2021-12-31 19:26:45 | 地方競馬
 北海道から2頭が遠征してきた第45回東京2歳優駿牝馬
 スピーディキックは両脇の馬に挟まれるような発馬になって1馬身の不利。前にいこうとしたのはスティールルージュとロマンスロード。外のロマンスロードの方が前に出ての逃げ。控えたスティールルージュが2番手。2馬身差でギンガレールウェイとグラーツィア。5番手にピンクプラムとラインブレイカーとレディオガガ。8番手にクールフォルテ。9番手にヒストリックノヴァ。10番手にスピーディキックとレディーアーサーとプラチナプライド。13番手にドレンチェリー。14番手にラブラブパイロとコーミズアムール。2馬身差の最後尾にマリンカカリンカ。前半の800mは50秒3のハイペース。
 3コーナーを回ってから逃げたロマンスロードにスティールルージュが並び掛けていきました。後続も追ってきて3番手にヒストリックノヴァでさらに外からグラーツィア。直線に入るとスティールルージュが一杯になり,ヒストリックノヴァが2番手に。さらに逃げたロマンスロードも差してヒストリックノヴァが先頭。それをグラーツィアの外から伸びてきたスピーディキックが鮮やかに差し切って優勝。ヒストリックノヴァが4馬身差で2着。内目から追い込んできたクールフォルテが半馬身差で3着。
 優勝したスピーディキックエーデルワイス賞以来の勝利。このレースが南関東への転入初戦で南関東重賞は初勝利。重賞の勝ち馬ですから能力は最も高いとみていましたが,前走は1800mでいつもの末脚が使えていなかったので,距離には多少の不安を感じていました。ですがこの距離なら大丈夫だったということでしょう。来年のクラシック戦線でも注目ですが,末脚で勝負するタイプですから,展開やコースによって力を発揮できないというケースもあるかもしれません。父はタイセイレジェンド。母の父は2003年にシンザン記念と武蔵野ステークス,2007年に佐賀記念を勝ったサイレントディール
 騎乗した船橋の本橋孝太騎手は昨日の東京シンデレラマイルに続いての南関東重賞23勝目。東京2歳優駿牝馬は初勝利。管理することになった浦和の藤原智行調教師は開業から7年5ヶ月で南関東重賞初勝利。

 第五部定理四証明によって,身体corpusの刺激状態を明瞭判然と認識するcognoscereということがどういうことであるのかが分かりました。そしてこれによって,第五部定理三でいわれている明瞭判然ということが,どういうことを意味しているのかということも分かります。当然ながらそれも,第五部定理四でいわれている明瞭判然と同じ意味なのであって,共通概念notiones communesによる認識cognitioを意味することになるからです。つまり第五部定理三を,現実的に存在する人間に対してもう少し具体的に適用すれば,受動passioという感情affectusは,僕たちがそれについて共通概念に基づいて認識することによって,受動であることを止めるということなのです。そして第五部定理四が示しているのは,僕たちにはそれをすることができるということです。ただしそれはその感情自体の十全な観念idea adaequataではありませんから,共通概念に基づいて認識される限りにおいては受動を止めるのですが,そこから外れる部分に関しては,相変わらず受動であり続けるといわなければなりません。
                                   
 これにより,第五部定理三が成立するということと,自分がある受動感情,たとえば悲しみtristitiaを感じていると認識している人間が悲しみを感じていないというのは不条理であるということが,なぜ両立するのかということも明らかになったといえるでしょう。前者は受動感情が共通概念に基づいて認識されるということを主眼に置いて主張されているのに対して,後者は共通概念による認識は受動感情の十全な認識ではないという点に着眼した主張であり,各々の主張はどのような観点からそれをいうのかという点の相違に帰することができるからです。そして僕たちは受動感情をそれ自体で十全に認識するということはないのですから,第四部定理六は,たとえ僕たちが受動感情を明瞭判然と認識することができるとしても,あるいは実際に受動感情を明瞭判然と認識したという場合でも,なお効力をもつ定理Propositioであるといえます。
 ただし,共通概念に基づいて明瞭判然と認識する範囲の中では,受動感情は受動であることを確実に止めるのですから,これは確かに第四部定理六の受動感情の力potentiaに対抗する,人間の力であるということは間違いないのです。
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