スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

戸口の雑感⑦&類比

2021-02-10 19:14:46 | NOAH
 戸口の雑感⑤でいったように,大木金太郎と組んだシリーズは全勝で,インタータッグの王者になりました。この後,戸口は一旦はアメリカに戻りましたが,すぐに日本に戻りました。ただこのときも戸口とジャンボ・鶴田はそんなに当たりませんでした。戸口は早く鶴田とシングルマッチをやりたかったそうですが,馬場が鶴田を大事に使ったために組まれなかったのだといういい方を戸口はしています。でいったように,戸口は鶴田の試合の組み立て方には難があるとみていて,鶴田が戸口に壊されてしまうのを馬場は恐れたのだと推測しています。このあたりは当時の戸口の自負が出た発言だといえるでしょう。
 結果的にこの年の暮れに,大木と戸口のチームは再び馬場と鶴田にインタータッグの王者を奪われました。戸口はこの年のクリスマスからカロライナで仕事をすることが決定していたので,これで日本での仕事は終ったと思ったようです。要するに戸口は大木との関係から全日本プロレスで仕事をしましたが,自分自身の気持ちでは,日本ではなくアメリカで仕事をしたかったのです。これはおそらくギャラの問題もあったのではないかと思います。
 翌年の3月に馬場はドリー・ファンク・ジュニアと共にカロライナに遠征。ここで戸口と再会し,馬場は戸口に改めてオファーを出し,半年後の10月に戸口は日本に戻りました。このときはシリーズの後半戦からの特別参加だったのですが,インタータッグ戦の直後にチェーンを持って乱入するという形での登場となりました。。これは全日本プロレス中継の解説も務めたゴングの竹内宏介の助言で,戸口がアメリカでチェーンデスマッチをやっていたことからの発想。しかしこういう形での参戦は,大木から独立するきっかけになったので感謝していると戸口は語っています。ただ,こうしたことが馬場の了解なしに行われたとは僕には考えられません。おそらく後のターザン・山本がそうであったように,この頃の竹内は全日本プロレスのブレーンのひとりだったのではないでしょうか。
 このシリーズの中で,ようやく鶴田と戸口のシングルマッチが組まれました。

 第四答弁でデカルトRené Descartesが別個性条件についていっているのは,次のようなことです。
                                        
 もしも因果関係に別個性条件が成立するのであれば,本来的な意味での起成原因causa efficiensが神Deusのうちに存するということは認められません。これはアルノーAntoine Amauldが主張していることであって,この点についてはデカルトも同意します。というか,デカルトは神の広大無辺性が,神が起成原因を有さずに存在する理由であるといっているのですから,この種の意味での起成原因を神がもたないことについては,最初から同意しているといえるでしょう。同時に,もし神が自己原因causa suiであるということを認める場合にも,もし起成原因と結果effectusが異なるものでなければならないのであれば,神がその意味での起成原因をもたないということには同意しなければならないでしょうから,このことはスピノザも同意できるといえます。あくまでも焦点は,別個性条件が因果関係を制約するか否かという点にあるのです。
 ただしデカルトはこのことに条件をつけます。それは,別個性条件が神に対して何かを制約するのであれば,それは神が起成原因をもたないということだけであって,神の起成原因に類比的に関連付けることができる積極的なものが神のうちには存在しないということではない,ということです。だから,少なくとも類比的に起成原因と関連付けることができる積極的なあるものが神のうちにあると主張しても,それは別個性条件を神に対して適用することに対して不条理ではないことになります。要するにここでデカルトがいっているのは,仮に別個性条件が神に対して成立するとしても,自己由来性については積極的に解しても構わないのだということです。そして神の広大無辺性は,神の起成原因ではなく神が起成原因をもたない理由であるのですから,別個性条件を神に対して適用することについても,デカルトはここでは同意していると解してよいでしょう。
 一方,因果性の原理はデカルトにとっては普遍的な原理でしたから,それを神に適用することは可能です。つまり,なぜ神が存在するのかと問うことは,デカルトにとっては可能でした。それにどう答えるべきかもデカルトは示しています。
コメント
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