スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京中日スポーツ賞金盃&一致と相違

2021-02-17 19:11:06 | 地方競馬
 第65回金盃。シュプレノンは小杉騎手から笠野騎手に変更。
 すぐにハルディネロが先頭に立っての逃げ。例によって前半は縦長になりましたが,2周目の向正面では馬群が凝縮。2番手にストライクイーグルで3番手にテルペリオンとノンコノユメ。5番手にマイネルアンファンとサウンドトゥルー。7番手にシュプレノンとハセノパイロでここまでは集団に。3馬身差でマンガンとチェスナットコート。2馬身差でトーセンブルとフレアリングダイヤ。1馬身差でサブノクロヒョウ。3馬身差でナムラアラシとなり,アルーリングトーンは大きく引き離されました。最初の1000mは62秒7のミドルペース。
 3コーナーでストライクイーグルは一杯。ノンコノユメが2番手になり,外からサウンドトゥルーが3番手に。さらにその外から追い上げてきたマンガンは,勢い余って直線の入口で外に膨れましたが,ほかの3頭とはこのときの脚色が違いすぎ,直線に入ってすぐに先頭に立つと,あとは後続を引き離していくばかりの圧勝。前の争いから一旦は2番手に上がったサウンドトゥルーをすぐ外から差したトーセンブルが9馬身差の2着。サウンドトゥルーが半馬身差で3着。
 優勝したマンガンは前々走の3歳オープン以来の勝利。南関東重賞は昨年の東京湾カップ以来の2勝目。この馬はおそらく現4歳ではゴールドホイヤーに次ぐ実力の持ち主。ゴールドホイヤーと同様に,古馬との対戦では苦戦しましたが,前走は2着に追い込み,慣れてきたところをみせていました。なのでここも優勝候補の1頭とは考えていましたが,これほどの差をつけたのは驚き。長い距離が合っていたということはあるでしょうし,展開が最も向いたという面もあったでしょう。末脚勝負型なので,取りこぼしもあるでしょうが,ゴールドホイヤーと同様に,この馬も順調なら今後も大きな活躍が見込めそうです。母の父はアグネスタキオン
 騎乗したのは川崎の短期免許で騎乗している吉原寛人騎手で,昨年の雲取賞以来の南関東重賞29勝目。第61回以来4年ぶりの金盃3勝目。管理している川崎の田島寿一調教師は南関東重賞3勝目。金盃は初勝利。

 デカルトの欺瞞に二面性があったということが,この当時の哲学者の中で,スピノザの思想に最も近づいていたのがデカルトRené Descartesであったということを説明しています。そしてこのことが,ここで自己原因論争を探求することによって,僕が示したかったことです。デカルトの哲学がスピノザの哲学からみて欺瞞的にみえるのは,その中には,異なっている部分もあるとはいえ,確かにスピノザの哲学に近いものが含まれているからです。逆にアルノーAntoine AmauldやレヴィウスJacobus Reviusuからみてデカルトの哲学が欺瞞的にみえるのは,その中には一致した見解opinioが含まれてはいるものの,正統的な神学的観点を踏み越えている部分も含まれていたからなのです。
                                         
 各々の一致点と相違点を簡単にまとめておきましょう。
 カテルスをはじめとして,自己原因論争においてデカルトの論敵となった神学者や思想家の見解では,自己由来性は消極的に解されなければならず,そのゆえに自己原因causa suiは起成原因causa efficiensではありませんでしたし,神Deusは自己原因でもありませんでした。一方,スピノザの哲学では,自己由来性は積極的に解されるべきものであり,その帰結として,自己原因は起成原因の一部をなすこととなり,神が自己原因であるという規定を受けることになります。このふたつは真逆の結論を導き出していますが,ひとつだけ一致点があります。それは自己由来性をどのように解釈するべきであるかということが,自己原因が起成原因であるか否かを結論づけ,ひいては神が自己原因であるか否かをも導出するという点です。
 デカルトは,自己由来性を積極的に解するという点で,スピノザに近付きました。しかし自己原因が起成原因であることと,神が自己原因であるということについては,類比的な意味においては肯定しているのですが,類比的な意味で肯定するということが含んでいる実際の意味は,それらの事柄を否定するということなのであり,この点ではまだ自身の論敵の側にとどまっています。しかし論敵の側の見解がスピノザの哲学と真逆であるというほどには,スピノザとの隔たりはありません。そしてその点において,デカルトはスピノザの先駆者であったといういい方も可能になるのです。
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