スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

フェブラリーステークス&存在しないものの存在論

2021-02-21 19:15:25 | 中央競馬
 船橋から1頭が遠征してきた第38回フェブラリーステークス
 最内のエアアルマスが押し出されるように逃げる形に。2番手にヘリオスとワイドファラオ。4番手にカフェファラオとオーヴェルニュ。6番手にアルクトス。7番手にワンダーリーデル。8番手にヤマニンアンプリメ。9番手にスマートダンディー。10番手にエアスピネルとレッドルゼルでここまでは一団。2馬身差でサクセスエナジー,ソリストサンダー,インティの3頭。ミューチャリーとサンライズノヴァが最後尾を併走という隊列。前半の800mは46秒5のミドルペース。
 道中でワイドファラオが単独の2番手に上がり,コーナーでは外からエアアルマスの前に出て,3番手以下との差が一旦は広がる形。3番手にはカフェファラオが内から上がってきました。直線に入るとカフェファラオはワイドファラオの外に。さらに外からアルクトスが追ってきて,道中で内に潜り込んだワンダーリーデルも捌きながら追い上げてきました。残り200mを過ぎたあたりでカフェファラオが先頭に。先に追い上げた2頭は引き離され,すぐ外から伸びてきたエアスピネルが2番手に。しかしカフェファラオを差し切るには至らず,優勝はカフェファラオ。エアスピネルが4分の3馬身差で2着。ワンダーリーデルが1馬身4分の3差で3着。
 優勝したカフェファラオはシリウスステークス以来の勝利。重賞3勝目で大レース初制覇。この馬は3連勝でユニコーンステークスを勝った時点で,将来的にはトップクラスで戦えるということを証明していました。ここはそうも強力な相手がいない上に,良績を残しているコースでしたから優勝候補の筆頭と考えていて,順当な優勝。ダートのレースでは順調にレースを使えるということが最も大事で,そういうふうに出走していかれるようになれば,トップに立つことも可能でしょう。距離の延長は現時点ではプラスに作用しないでしょうが,これは慣れていくことで対応が可能になると思います。
                                        
 騎乗したクリストフ・ルメール騎手はジャパンカップ以来の大レース勝利。第37回からの連覇でフェブラリーステークス2勝目。管理している堀宣行調教師は一昨年の朝日杯フューチュリティステークス以来の大レース19勝目。フェブラリーステークスは初勝利。

 松田の論文についての考察の目的は果たせましたし,補足もできました。なので今日からは次の考察を開始することにします。
 『スピノザ―ナ10号』の松田の論文の次に掲載されているのは,柏葉武秀による「存在しないものの存在論」という論文です。「スピノザにおける精神の永遠性をめぐるひとつの論点」という副題が付せられています。まずこの論文の概要及びこの論文のここでの考察の対象を説明しておきましょう。
 副題から分かるように,論点の中心は精神mensの永遠性aeternitasについてです。つまり論考の直接の対象は第五部定理二三になります。ただし僕の考察では,この部分については扱いません。柏葉はこの定理Propositioを正しく理解するためには,第二部定理八と,その備考Scholiumを正確に把握することが不可欠であるとしています。僕の考察の対象はこちらの部分になります。というのも,この定理および備考に関する柏葉の主張には,僕が今まで気付いていなかったことが含まれていたからです。
 柏葉がこのような論考をするときに,「存在しないものの存在論」という表題にしていることは不思議に思われるかもしれません。あるいはそうしたことを抜きにしても,この論文のタイトルの意味は伝わりにくいのではないかと思います。そもそも存在論というのは存在するものについての論考であって,存在しないものの存在論というのはそれ自体でみれば不条理である筈だからです。ですが柏葉の考えによれば,スピノザの哲学においては,存在するものの存在論だけがあるわけではなく,存在しないものの存在論もあることになります。というのも柏葉は,ここでは存在するものと存在しないものについて,ある特殊な区分を与えているからです。
 柏葉がいう存在するものというのは,僕がこのブログで使用している語でいえば,現実的に存在するものという意味です。これに対して存在しないものというのは,現実的には存在しないもの,いい換えれば,第二部定理八系のいい方に倣うなら,個物res singularesがただ神Deusの属性attributumの中に包容されている限りにおいてのみ存在するといわれる場合のことを意味します。したがってそれは,文字通りに存在しないという意味ではありません。
コメント
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