スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典桜花賞&フロイトの場合

2019-03-27 19:13:53 | 地方競馬
 笠松から1頭が遠征してきた第65回桜花賞
 ホウショウレイルが逃げました。2番手にポッドギル。3番手はトーセンガーネットとゼットパッション。5番手にダバイダバイとケンガイアでこの6頭は一団。2馬身差の7番手にアークヴィグラス。また2馬身差の8番手がナラで9番手にマルパソとラブミーピンクで3頭が一団。2馬身差の最後尾にマーチャンスルーという隊列で1周目の正面を通過。この後,ケンガイアが外を進出したので3番手にトーセンガーネットとケンガイアになり,離れた5番手にゼットパッション。また離れた6番手にアークヴィグラスという隊列に向正面で変化しました。最初の800mは48秒6のハイペース。
 3コーナーを回るとポッドギルがホウショウレイルに並び掛けていき,直後を追っていたトーセンガーネットはその外へ。2番手のポッドギルが脱落するとトーセンガーネットがホウショウレイルの前に出て直線。ここからトーセンガーネットが後ろを離していく一方となって快勝。逃げたホウショウレイルも一杯になり,外から差し込んだゼットパッションが7馬身差の2着。さらに外から追ってきたアークヴィグラスが2馬身差で3着。
 優勝したトーセンガーネットニューイヤーカップ以来の南関東重賞2勝目。このレースは能力ではアークヴィグラスがトップと考えていましたが,絶対的に不利な外枠を引いてしまったため,それに次ぐ能力と思われたこちらの方が勝つ可能性は高いとみていました。どうしてもこの舞台は枠順の有利不利が大きすぎるので,7馬身差を額面通りに受け取るのは危険かもしれません。ただ,距離延長はアークヴィグラスよりこちらに利があると思いますので,東京プリンセス賞に向うのであれば有力候補でしょう。父はアグネスデジタル。母の父はクロフネ。祖母のひとつ下の全弟に2004年にデイリー杯2歳ステークス,2005年にシンザン記念を勝ったペールギュント
 騎乗した船橋の左海誠二騎手は昨年のクラウンカップ以来の南関東重賞制覇。その後,テレ玉杯オーバルスプリントで重賞を勝っています。桜花賞は第50回以来15年ぶりの2勝目。管理している浦和の小久保智調教師第63回以来2年ぶりの桜花賞2勝目。南関東重賞は34勝目。

 ゲーテJohann Wolfgang von Goetheは初めからスピノザの哲学の形而上学と方法論を意識した上で自然科学の研究を開始しました。ロバート・ボイルRobert Boyleは,スピノザと論争をしていく中で,実証主義には方法論が潜んでいて,スピノザの方法論はそれを肯定しないということくらいは気付いたかもしれませんが,どのような方法論を有する哲学が自身の自然科学研究を肯定するのかということは少しも意識していなかったとしておくのが妥当だと思います。最後にこれらの中間の例,すなわち形而上学や方法論を意識した上で自然科学を研究したわけではないし,そのような後ろ盾は不要であると考えていたのだけれども,一方で自身の自然科学研究は形而上学と方法論を有しているということには気付いていて,そればかりではなくどのような哲学が自身の研究の後ろ盾になるのかということについての意識があったという例を,同じようにスピノザの哲学との関係で挙げておきましょう。
                                        
 『異端の系譜Spinoza and Other Heretics : The Marrano of reason』によれば,スピノザ生誕300年の記念論集に,フロイトSigmund Freudは寄稿を求められました。フロイトはそれを断ったのですが,同時におそらくその依頼をしたのであろうヘッシングという人物に手紙を送り,その中で,偉大な哲学者であるスピノザに対する高い敬意を抱き続けてきたという主旨のことを書いています。またその直前の,精神分析学にも造詣のあったスピノザ研究者であるビッケルの質問に答える手紙にも,自分がスピノザの学説に負っていることを認めるという内容のことを書いています。フロイトはしかし,精神分析学の研究においてはほとんどスピノザの名前に言及していませんでした。こちらの手紙にはその理由も書かれていて,それは精神分析学の理論に対して哲学による正当化を求めていなかったからだという意味のことをいっています。
 たぶんフロイトは,精神分析学という自然科学研究に対して哲学によって正当化を求めると,自身がパイオニアといえるであろう精神分析学が自然科学であるということが理解されにくくなってしまうのではないかという懸念を有していたのだと僕は推測します。だからフロイトにとってそれは不要であったというより,邪魔だったのかもしれません。
コメント
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