スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ヒューリック杯棋聖戦&医師の勧め

2018-07-19 19:11:03 | 将棋
 17日に千代田区で指された第89期棋聖戦五番勝負第五局。
 振駒で羽生善治棋聖の先手になり角換り相腰掛銀。後手の豊島将之八段は4筋から仕掛けさせる順を選択しました。
                                    
 先手が4筋の歩を取り込み後手がそれを飛車で取った局面。ここで先手が☗4七角と打ったのが新手で,この局面を打開しようという意図の一手。
 後手は☖4一飛と引き上げ☗7五歩にも怯まず☖6三金と上がり☗7四歩☖同金と進めました。
 先手は☗4五桂と跳ねていますが,新手は事前の研究があった筈で,これは予定通りの進行だったのではないかと推測します。後手は☖4四銀と逃げました。
 先手は☗2四歩☖同歩の突き捨てを入れてから☗5五銀。金取りなので☖6五歩の受けは当然。先手はどちらの銀も取れますが☗4四銀とこちらを取ったので後手は☖同飛の一手。先手はそこで☗4六歩と受けました。
                                    
 たぶんここで受けるようでは先手の構想はうまくいってなかったのだと思います。後手は☖8六歩と反撃し,これで後手が有利に戦いを進めているということだったのではないでしょうか。終盤で千日手に持ち込めそうな局面を先手から打開するという不思議な順があったのですが,先手が千日手を狙っても後手は打開できたようなので,仕方なかったということだと思います。4四の飛車も展開的に好位置になったので,先手は4四ではなく5四の銀を取っておいた方がよかったのかもしれませんが,目立った悪手というのがあったわけではなく,うまく表現できませんがとてもきれいでさわやかな将棋という印象が残りました。
 3勝2敗で豊島八段が棋聖を奪取。ようやく待望の初タイトルを獲得しました。

 母はこの日もタクシーで僕と病院に来ました。消化器内科の主治医が言うには,そのくらいの体力があるのであれば,治療を行って延命を図るのが得策とのことでした。SOX+Bvによる治療は副作用が強すぎるので中止するとしても,従来より量を減らしても治療は可能であるし,ほかにも方法はあるので,化学療法に関しては継続するように強く勧められました。しかし母はもう化学療法を断念するという決意を固めていましたから,それらの提案についてはことごとく拒否しました。主治医は僕にも意見を求めてきましたが,僕は母の治療法に関しては母が決定するのが最善という考え方でしたから,母が決定したことに同意するということだけを伝えました。主治医はまだ諦めきれない様子ではありましたが,患者が拒否している治療を医師が独断で遂行することはできないということで,正式にこれ以上の延命治療は行わないということがここで決定しました。この後も何度か通院はあり,その際にもこの主治医は化学療法を行う気はないかということを確認してきました。それはやはり主治医として担当の患者である母は化学療法を行った方がよいという考えを,その後もずっと持ち続けていたからだと思います。当然ながら母は再開するつもりはありませんでしたから,この後もそれを拒否し続けましたし,僕もその母の判断を尊重し続けました。
 次回の予約を入れてこの日の診察は終了しました。会計の窓口へ行ってから食堂で昼食。昼食が終れば計算も終了していますから,支払いを済ませて帰宅しました。午後1時25分ごろのことでした。この日は母は僕につかまることなく歩くことができました。副作用からの回復はそこまで進んでいたのです。
 11月10日,金曜日。僕の家の近辺は,月曜,水曜,金曜の週3回,八百屋が自動車で移動販売にやってきます。母は以前はそれをよく利用していましたが,大腸癌を切除する手術を終えてからは途絶えていました。そしてこの日,実に久しぶりにその八百屋へ買い物に出ました。そもそも母は手術後は,通院以外の外出は一切していませんでしたから,それ以外の目的で久々に外出できたことになります。
コメント
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