スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

書簡六十三&リハビリ

2018-07-03 18:55:47 | 哲学
 スピノザとチルンハウスとの文通のうち,書簡六十三はシュラーGeorg Hermann Schullerを解してチルンハウスEhrenfried Walther von Tschirnhausがスピノザに哲学的質問をしたものです。書簡の冒頭に,チルンハウスがイギリスにいることが書かれています。チルンハウスの渡英の目的はイギリスの王立協会の会員と友誼を結ぶためでした。ここでチルンハウスはロバート・ボイルRobert BoyleやオルデンブルクHeinrich Ordenburgと会い,スピノザとオルデンブルクの文通を再開させることに成功しました。このことは書簡の最後の部分から分かります。
                                     
 チルンハウスはこの書簡で4つのことを質問しています。チルンハウスはイギリスを訪問した後でフランスに渡っているので,この質問の背後にライプニッツGottfried Wilhelm Leibnizがいるということはありません。
 質問の概要は,第一に,現状の『エチカ』では第二部公理五でいわれている事柄を,背理法でない方法によって示すことができるかという主旨です。ただし公理Axiomaは思惟の様態cogitandi modiと延長の様態について述べていますが,質問は思惟の属性Cogitationis attributumと延長の属性Extensionis attributumとなっています。僕の解釈では,これは同種の質問です。
 第二に,神Deusの知性intellectusが人間の知性の原因causaであり得るのはなぜかというものです。チルンハウスは神の知性と人間の知性は共通点をもたないので,第一部定理三によって神の知性は人間の知性の原因ではあり得ないといっています。
 第三は,第一部定理九からは,多くの属性を有する実有が存在するということが帰結するのに,スピノザの主張からは,各々の実有はただふたつの属性,これはXの属性と思惟の属性を意味しますが,そのふたつから成っているということが帰結するのではないかということです。
 第四は,思惟の属性および延長の属性の直接無限様態は具体的に何で,間接無限様態は具体的に何であるかというものです。
 これはライプニッツが背後にいない質問です。いい換えればチルンハウスはこのような観点に関心を抱いていたといえるでしょう。

 HCUにもナースステーションがあって,そこの窓口で訪問した目的を伝え,がいる病室に案内してもらいました。開腹手術でしたからもちろん全身麻酔を用いましたが,僕が到着したときにはすでに母の意識は戻っていました。直前に執刀医に教えられたことを母に伝え,少しだけ話していましたが,母から眠いという訴えがありましたので,すぐに切り上げて僕は帰りました。僕が家に着いたのは午後6時15分ごろです。この日も妹の帰宅に間に合わないことは事前に判明していましたので,Kさんに家で待機していてもらいました。母が入院した日と同じように,Kさんは自身と妹の弁当を買ってきて,僕は病院からの帰途に自分で弁当を買って帰りました。Kさんがふたり分だけ買って僕の分は僕が自分で買うのは,僕は食餌療法が必要な身なので,弁当には適切な量というものがあり,Kさんにはそれが分からないからです。
 10月3日,火曜日。みなと赤十字病院の一般病棟の面会時間は午後3時からです。その時間に見舞いに行けば妹の終業時間は午後3時半ですから,妹の帰宅には間に合わなくなってしまいます。ただ,妹の通所施設は僕の家とみなと赤十字病院の間にありますので,まず3時半ごろに妹の通所施設に行き,妹をピックアップしてそのままふたりで母の見舞いに行きました。手術直後の前日は母はHCUで過ごした筈ですが,予定ではこの日のこの時間にはすでに消化器内科の入院病棟に移動していることになっていて,その通りでした。手術後にはリハビリ,というのは歩行訓練のことですが,それが午前と午後にあり,僕たちが到着したときはちょうど午後のリハビリの最中でした。手術が大腸でしたから,この時点では母はまだ絶食中でしたが,そのわりには元気そうにみえました。ただ,立ち上がれば少しはひとりで歩くことができましたが,自分ひとりの力で立ち上がることはできませんでした。というか,ベッドで起き上がるということもひとりではままならない状態でした。その点は気掛かりでしたが,まだ手術の翌日ということもあって,もう少し様子を見て今後のことを決めることにしました。帰宅したのは午後5時10分でした。
コメント
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