スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

サッポロビール盃マリーンカップ&第一部定理二五の解釈

2016-04-14 19:24:26 | 地方競馬
 昨晩の第20回マリーンカップ。発走の準備がほぼ整ったところでブチコが突進。このときに右目の上部に怪我を負ったため競走除外となって10頭。
 内の各馬が好発で一旦はダブルファンタジーが先頭に立ちましたが,外からハナを奪ったブルーチッパーの逃げに。向正面に入るあたりでヴィータアレグリアが単独の2番手に上がり,ダブルファンタジー,ボーラトウショウ,クラカルメンの3頭が一団で3番手を追走。さらにチェルカトローバ,ディアマイダーリン,フォーエバーモアの3頭。この後ろにブラックバカラで離れた殿にタッチデュール。前半の800mが50秒3のスローペースに。
 3コーナーを回ってブルーチッパーのリードは2馬身ほど。ヴィータアレグリアが続いて向正面で外を追い上げたフォーエバーモアがさらに2馬身差の3番手まで上がりましたが,この馬は騎手の手が激しく動いていてすでに一杯。直線に入るとヴィータアレグリアが満を持してブルーチッパーに並び掛けていってあとはこの2頭のマッチレース。前半が楽だったブルーチッパーもよく粘りはしましたが,最後はヴィータアレグリアが交わして優勝。半馬身差の2着にブルーチッパー。コーナーではフォーエバーモアに前に出られたもののずっと内を回っていたダブルファンタジーが直線では抜き返し,無欲の追い込みでよく伸びたタッチデュールをハナ差だけ凌ぎ2秒2差の3着。
 優勝したヴィータアレグリアは重賞初勝利。初めて重賞に出た前走で,着差以上の力差は感じさせられたもののアムールブリエの2着に食い込んでいましたので,ここは相手関係から優勝候補と考えていた1頭。距離も長いよりはこれくらいの方がよさそうです。ただ,いくら楽なペースであったとはいえ,ブルーチッパーに半馬身差ですと,トップクラスとの力量差はまだ埋まっていないと判断しておくのが妥当ではないかと思います。父はネオユニヴァース。Vita Allegriaはイタリア語で生の喜び。
 騎乗した戸崎圭太騎手はマリーンカップ初勝利。管理している高柳瑞樹調教師は開業から5年3ヶ月ほどで重賞初勝利。

 僕が事物の本性と事物の観念は等置できない,他面からいえば事物の客観的有すなわち観念を離れて形相的な意味において事物の本性があると解するのにはふたつの理由があります。そのうちのひとつは第一部定理二五をどのように解釈するべきであるかということです。
                                     
 第一部定義六から明らかなように,神の本性は無限に多くの属性によって構成されます。これを第一部定理二五に当て嵌めると,それら無限に多くの属性の各々が起成原因となってその属性に属する事物の本性が発生すると解するべきだと僕は考えます。このとき,たとえばXという属性の様態の本性の起成原因がXの属性でなければならないということは,第一部定理二五のほかに,第一部定理三とか第二部定理六から明白だといわなければなりません。
 これを延長の属性の場合でいうと,延長の属性の様態,たとえばある物体Aの本性の原因は延長の属性であるということになります。第一部定理二五が無限に多くの属性のすべてに該当しなければならないなら,これによって物体Aには固有の本性がある,それも認識されるものとしてでなくあるといわなければなりません。つまり第一部定理二五をこのように解するので,僕は事物の本性というのは単に観念としてあるだけでなく,形相的な意味においても存在すると解するのです。
 ただし,この定理については次のことを顧慮しておかなくてはいけません。スピノザはこの定理の論証のために第一部定理一五を援用しています。そこではあらゆるものは神なしには存在せず,また概念するconcipereことができないという主旨のことがいわれていました(Quicquid est, in Deo est, et nihil sine Deo esse, neque concipi potest)。このために事物の本性もまた,神なしには存在することはできないし,概念することもできないのです。ところが第一部定理二五の論証では,事物の本性が神なしには概念することができないということについては言及されていますが,事物の本性が神なしに存在し得ないということについては何も言及されていないのです。したがって実はこの論証をみる限りでは,むしろスピノザは,事物の本性は概念されるものとしてのみあると考えていたように読解できることになるのです。
コメント
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