スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東京スプリント&論証

2016-04-06 20:39:53 | 地方競馬
 地方所属馬のかしわ記念およびさきたま杯トライアルの第27回東京スプリント
 ダノンレジェンドが出負け。ハナを奪ったのはコーリンベリー。ルックスザットキル,グレープブランデー,ブルドッグボスの3頭が追走。サトノデートナ,ゴーディーと続き,ファイヤープリンス,セイントメモリー,スクワドロンの3頭の集団。ダノンレジェンドとレーザーバレットはこの後ろに。前半の600mは35秒7でスローといっていいくらいのミドルペース。
 3コーナー回るとコーリンベリーとルックスザットキルの2頭で後ろを離していき,グレープブランデーとブルドッグボスが並んで追う形に。直線に入ると喰らいついていたルックスザットキルは一杯に。コーリンベリーが後ろを置き去りして悠々と逃げ切り2馬身半差で快勝。グレープブランデーがブルドッグボスを振り切って2着。大外から末脚を伸ばしたダノンレジェンドが2馬身差の3着に届きました。
 優勝したコーリンベリーは昨年のJBCスプリント以来の勝利で重賞3勝目。その後の2戦は距離が長く大敗していましたが,ここは適距離に戻っていたのでチャンスはあると思われました。JBCスプリントのときはダノンレジェンドより内枠に入って逃げ切ったもので,今日は枠順の関係が逆になっていたのでハナを奪われた場合にどうなるかを懸念していましたが,相手の自滅もあり,先手を奪えました。この形なら力を発揮できます。激しい競り合いになることが予想できるなら,評価を少し落とす必要があるかもしれません。父はサウスヴィグラス。三代母の半弟に1994年の福島記念を勝ったシルクグレイッシュ
 騎乗した松山弘平騎手と管理している小野次郎調教師は東京スプリント初勝利。

 「精神の眼は論証そのもの」は長いので,現在の考察に関連する部分の主張だけ対象にします。
                                    
 上野によれば,第五部定理二二および第五部定理二三は,人間にとって表象することができないものについての言及です。つまりスピノザはここで,僕たちには表象不可能な事柄について考えさせようとしているのです。これは,これらの論述が,人間に対してある身体あるいは自分の身体の本性の現前へと向かわせる論証ではあり得ないということから明らかです。確かに第五部定理二二の人間身体の本性を永遠の相の下に表現する観念は,第五部定理二三証明では人間の精神の本性に帰属しています。しかしそれが人間の精神の本性に帰属するということと,それがその人間の思惟作用に帰属させられるというのは別のことです。第五部定理二二でいわれている観念は,神の知性のうちで十全です。ですが第二部定理一九および第二部定理二七から明白なように,それはその人間の精神の本性に属していたとしても,その人間の精神のうちでは混乱しているからです。
 このために第五部定理二三では「あるもの」という,何であるかは分からないけれども確かに存在するものという主旨の記述がされなければならないのです。それは現実的に存在する人間にとっては具体的に思考することが不可能なものという意味なのです。
 ではこうした認識が第三種の認識であるといっていいのでしょうか。上野はまず,おそらくそうであるという,やや不確定な結論を呈示しています。そして少なくとも,第五部定理二三備考というのは,これが第三種の認識であるということを示唆しているとしています。したがって「あるもの」の認識が直観知であるという点では,上野の結論も「個を証するもの」の結論と一致していることになります。
 第五部定理二三備考でスピノザが論証そのものというときの論証は,精神が永遠であるということを僕たちは感じたり経験したりするということとだけ関連付けていえば,第五部定理二二と第五部定理二三の論証以外ではあり得ないと上野はいいます。つまり第三種の認識とは,これらの論証による僕たちの理解だということになります。
コメント
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