スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

スポーツニッポン賞鎌倉記念&連想

2015-10-22 19:32:44 | 地方競馬
 北海道から1頭,笠松から2頭が遠征してきた昨晩の第14回鎌倉記念
                          
 先手を奪ったのはキャッシュフローで2番手にケイエスソード。事前に逃げると広言していたアンサンブルライフは発馬が一息。一旦はインに潜り込んでから正面で3番手まで上がりました。その後ろがポッドガイでさらにワイヤトゥワイヤーが続く隊列。ミドルペースであったと思われます。
 アンサンブルライフはスピードに勝ったタイプなのでしょう,向正面では抑えられないような勢いで逃げたキャッシュフローに並び掛けていき,3コーナーでは一時的に2頭が後ろを離す形。ケイエスソードはこの辺りで一杯となり,最終コーナーではポッドガイが単独の3番手になり,ワイヤトゥワイヤーが追ってきました。直線ではアンサンブルライフが先頭に立ちましたが,これを目標にした感のあるポッドガイの末脚の方が優り,最後は1馬身半の差をつけて優勝。アンサンブルライフが2着。ワイヤトゥワイヤーはじわじわと脚を伸ばすにとどまり3馬身差で3着。
 優勝したポッドガイは川崎デビューでここまで4連勝。5連勝目で南関東重賞制覇。南関東生え抜きの2歳馬ではおそらくトップ。ここは遠征勢に強力な馬がいませんでしたので,順当な勝利といえるでしょう。2着馬が荒削りなレースぶりだったのに対し,こちらは大人びたレース。この完成度の差が結果になったといえそう。ただ2歳のこの時期にしては完成度が高すぎる感もあり,将来的な成長を考慮すれば,やや不安な要素でもあります。しっかりと折り合えますから,距離が伸びることに問題はないでしょう。
 騎乗した大井の矢野貴之騎手は先月の戸塚記念に続いて川崎での南関東重賞を連勝。鎌倉記念は初勝利。管理している川崎の八木正喜調教師は第1回以来14年ぶりの鎌倉記念2勝目。

 自分の精神のうちにある混乱した観念を真理と思い込むこと,いい換えるなら虚偽を確実なものと信じてしまうことがなぜ人間の精神のうちに生じるのかは,各々の事例によって説明されなければ,正しく把握することができません。ただしスピノザは一般論として次のようなことは示しています。それはこういった事例は表象の動揺の有無と一定の関係を有するということです。もしも表象の動揺が発生するのであれば,必然的に疑惑が生じることになるので,その虚偽である表象像を真理と思い込むことは生じません。あるいは真理と思い込んでいた表象像に疑惑が発生し,真理であるとはみなさなくなります。したがって,虚偽を真理と思い込む絶対的な条件として,表象の動揺が生じていないということがあげられることになります。
 人間の精神は,同じと認識するような表象をたびたび経験するほど,ある事物から別の事物を連想するという表象の連結が固定化してきます。そして固定化されればされるほど,表象への疑惑は生じにくくなります。つまりこの場合に虚偽を真理と思い込みやすくなるのです。ですがあるときにそれまでとは異なった表象を経験すると,連想を秩序づけていた連結に変化が生じます。したがってある事物から異なった事物が別々に連想されるようになります。これが表象の動揺です。たとえばAからBへの連想が固定化していたと仮定しましょう。あるときAからCを表象すると,その固定化が崩壊します。そしてAからBも連想するしCも連想しますが,BとCとは同時には表象しないというようになるのです。なので,Bへの連想が固定化していた段階では,AからBへという虚偽が真理とみなされ得るのですが,Cを表象すると直ちにその連結への疑惑が生じるので,それが真理とはみなされなくなる,他面からいえば虚偽であると気付くことになるのです。
 ステノがカトリックの信者の神聖な生活を表象するのは,ステノの精神のうちでは虚偽です。そしてステノはこの虚偽を真理と確信していたのですから,ステノにはこの表象像に対する動揺が発生していなかったといえます。これを利用してステノの場合の説明は可能です。
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