スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

マイナビ女子オープン&第二の逆説

2008-04-14 19:52:05 | 将棋
 マイナビ女子オープン決勝五番勝負第二局。予想通り後手の甲斐智美女流二段のごきげん中飛車。先手の矢内理絵子女流名人は③Bへ。これはすぐの戦いにはなりにくい形で,矢内流に合致しているとはいえるでしょう。
 後手が早めに銀冠にし,△2一飛と回ったところで昼食休憩。ここで▲1六角と打ちました。間違いなく一歩取ることができますが,角を手放すわけですから一種の勝負手といえると思います。この後,後手もを打ち返して,第1図に進展。
           
 結果的にこうなっては打った角が取られてしまい駒損。しかもこの間にも一枚玉から離れてしまいましたので,先手が著しく形勢を損ねました。どうもこの段階での▲1六角はまずく,打つならもっと早く打つか,そうでなければ銀冠を作り上げてからにした方がよかったのではないかと思われます。
 この後,最終盤の後手の指し方はややまずい部分があったものの,どうにか逃げ切って後手の勝ち。結果的に中盤の折衝ですべてが決まってしまいました。矢内名人はどうもごきげん中飛車に対してうまく対応することができないという印象があり,このあたりは課題のひとつといえるのではないかと思います。
 ともあれ,1勝1敗となり,この先が楽しみになりました。第三局は30日に指されます。

 明日は高知記念が決勝を迎えます。並びですが岡部は単騎。武田には地元の吉松で,金子-山内-山口の中部と,田中-小野-野田の九州。中部を狙いたいです。

 それではゼノンによる第二の逆説の論理構成を詳しくみていくこととします。
 まずアキレスが亀を追いかけるわけですが,ここでは分かりやすくするために,アキレスと亀は同一の直線上を同じ方向に,それぞれが一定の速度で進むものとします。もちろんこのとき,その速度はアキレスの方が亀よりも速いというのは絶対です。
 次に,アキレスは亀を追いかけるわけですから,この運動が開始される地点は亀とアキレスでは異なります。そこで亀が進み始める地点をA,アキレスが走り始める地点をXとします。もちろんXは,Aからみた場合に,両者の進行方向とは逆の方向にあるということも絶対です。
 さて,アキレスは亀に追いつく前に,Aに到達する必要があるでしょう。この間の時間は関係ありません。重要なのは,このときには亀はAよりは進んでいるということです。そこでそれをBとします。するとアキレスは今度は亀に追いつく前に,Bに到達する必要があります。そのときもまた亀はBより進んでいるでしょう。それをCとします。すると今度はアキレスはCに到達する必要があり,亀はそのときにはDまで進んでいる,といった具合に,この同じ関係が無限に続くことになります。実際,もしも数列の稠密性を認めるならば,亀がアキレスより前にいる地点というのは,無限に生じてくるということになるからです。
 よってアキレスは無限に,あるいは永遠に亀に追いつくことができないということが帰結するというのが,ゼノンによるこの第二の逆説の論証です。
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