スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

伊東記念&ねたみと嫉妬

2007-12-18 19:03:09 | 競輪
 東日本では今年最後の記念競輪となる伊東記念は,今日,決勝(動画)が争われました。
 斎藤選手が飛び出して岡部選手の前受け。中団となる3番手は稲垣選手が取り,新田選手が6番手からの周回。残り3周のバックから新田選手が上昇し,稲垣選手を牽制。残り2周のホームで岡部選手が誘導との車間を切ったのを見て,新田選手が叩いて前に出ました。ところが内を開けていたために稲垣選手と志智選手に掬われ,打鐘ではこの2車で先行態勢に。離れてしまった岩見選手もホームにかけて追い上げ,3番手に入り直しました。このあたり,新田選手と絡んだこともあり,稲垣選手が本格的に先行し始めたのは残り1周のホームから。33バンクですからこれは前の流れで,新田選手も岡部選手も動けず。番手の志智選手が迫りましたが逃げ切って稲垣選手の優勝。志智選手が2着で,直線で最内にいった中井選手が3着に入っています。
 道中はともかく最終的には予期した通りの展開で,志智選手が狙い目といったのはあながち間違っていなかったと思いますが,今日は稲垣選手が強かったですし,楽な先行になりすぎました。優勝した京都の稲垣裕之選手は先月,初のビッグとなるふるさとダービー松阪を勝っていて,そこでもいった通り,個人的に前々から期待していた選手のひとりですので,こうして記念競輪も勝ってくれたのは嬉しく思います。記念は一昨年の高知記念以来の優勝です。

 明日は川崎で全日本2歳優駿が行われます。ここは北海道のディラクエ◎,川崎のヴァイタルシーズ○,JRAのレ一ボーペガサス▲,ディアヤマト△の争いとみます。あとタカラストーン△。

 岩波文庫版の『エチカ』を読む場合,第三部諸感情の定義二三で定義されているねたみという感情に関しては,次の点に注意しておかなければならないと思います。
 ここでねたみといわれているのは,スピノザがラテン語でinvidiaと示していることばです。そしてこれとは別のzelotypiaということばがあって,これは岩波文庫版では嫉妬と訳されています。元のことばが違うわけですから,当然ながら異なった意味をもちます。すなわち岩波文庫版におけるねたみと嫉妬は違う意味をもっていることになるのです。
 嫉妬は第三部定理三五の備考で,同時的な愛と憎しみから生じるねたまれる第三者の観念を伴った心情の動揺であると説明されています。したがって,ねたみが感情であるのに対して,嫉妬は感情ではなく,ある心情の動揺の一状態であるとされているわけです。これだけで,ねたみと嫉妬がいかに異なるかということが理解できるでしょう。
 愛する人が自分以外の人と親しくしているのを表象するとき,僕たちは往々にして親しくしているその相手のことをねたみます。そして同時に,愛する人に対して,愛の反対感情である憎しみを感じます。この愛する人に対する愛と憎しみの心情の動揺がzelotypia,すなわち嫉妬といわれているわけです。ですので,僕はこれに関しては,嫉妬というより,やきもちということばで表されるような状態であると思いますので,この心情の動揺に関してはやきもちといいます。したがってもしも僕がやきもちといった場合には,岩波文庫版の『エチカ』における嫉妬にあたりますのでご注意ください。こうしたことが人間のうちによく生じるということは,それこそ僕たちが経験的によく知っていることなのではないかと思います。やきもちもまた,希望と不安(恐怖)と同様に,僕たちがしばしば経験する心情の動揺といえるでしょう。
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