スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

阪神ジュベナイルフィリーズ&愛の性質

2007-12-02 19:09:47 | 中央競馬
 芝の2歳牝馬ナンバーワン決定戦の阪神ジュベナイルフィリーズ
 ラルケットが出遅れ。レーヴダムールとトラストパープルはあまり出足がつきませんでした。まだ脚質の定まっていない2歳馬ですが,前走のファンタジーステークスで派手な逃げをうち,2着に粘っていたエイムアットビップが逃げるかどうかはひとつの注目点。今日は中団に控えました。先行争いはなかなか決着がつきませんでしたが,最終的にはエイシンパンサーが先導する形。前半の800メートルは46秒2.最近の競馬の傾向からすればハイペースに近いミドルペース,舞台となった阪神の1600メートルはスローペースのレースの方が多いくらいなので,それを考えればハイペースといっていいかもしれません。
 1番人気に推されたオディールは,好位から直線の入口で前を射程圏に入れました。これにカレイジャスミンが並びかけていったので追い出し,この馬は振り切ったのですが,外から3頭。控えたエイムアットビップが一旦は先頭に立ったものの,さらに後ろからトールポピーとレーヴダムール。クビ差凌いだトールポピーが優勝。レーヴダムールが2着,エイムアットビップが3着でした。
 優勝したトールポピーはこれで4戦2勝2着2回。当然ながら大レースは初制覇。オーストラリア英語でVIPを意味する馬名とのこと。池添謙一騎手は一昨年のエリザベス女王杯以来の大レース優勝で,栗東の角居勝彦調教師はダービー以来の大レース制覇。少しだけ展開に助けられた面はありますが,まずまずの勝ちタイムで,順調なら来年のクラシックでも有力候補でしょう。今日のレース振りからすると,距離はもう少しあってもいいように感じました。

 第三部諸感情の定義六により,『エチカ』あるいはスピノザの哲学における愛という感情の定義が分かりましたので,ここでスピノザの哲学における愛の性質というのを少し考えておくことにします。
 僕がこの定義の最大の特徴だと思うのは,人間が愛という感情を抱く対象が,自分自身以外であればどんなものであっても成立し得るという点です。つまり,十全であるか混乱しているかを問わず,ある観念が人間の精神のうちに生じるとき,その観念の発生によってその人間が喜びを感じる場合,その対象がどんなものであっても,その人間はそれを愛しているということになります。かくして,たとえば僕がスピノザの観念を有することによって喜びを感じるならば,僕はスピノザを愛しているということになるでしょう。もちろんこうした対象は人間に限定せずともよいわけで,たとえばムツゴロウさんがある動物の観念を有することによって喜びを感じるなら,彼はその動物を愛してるということになり,またギャル曽根さんが何らかの食べ物の観念を持つことによって喜びを感じるなら,彼女はその食べ物を愛しているということになります。あるいは,羽生二冠が将棋そのものの観念を有する場合に喜びを感じるということがあるなら,そのとき羽生二冠は将棋を愛しているということになるのです。
 このように,愛する対象が愛という感情にとってどんなものでもよいということであれば,各々の愛という感情の間には,何らの質的な差異がないということになると思います。いい換えれば,ある観念を有する場合に喜びを感じるか否かということのみが重要であって,喜びを感じるのであれば,それら個々の感情を,愛という感情の質という点から比較することはできないということになると思います。
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