スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

再戦&第三部諸感情の定義二三

2007-12-17 19:01:54 | NOAH
 小橋建太選手の復帰戦がメインイベントとして行われたNOAHの2日の日本武道館大会。セミファイナルは森嶋選手と丸藤選手のシングルマッチでした。これは9月の日本武道館大会で,三沢選手への挑戦者決定戦として行われたカードですが,その日は森嶋選手にとってあまりに不利な状況。ということでこの日に再戦という形で改めて組まれました。
 公式プロフィールによればふたりは身長で14センチ,体重では実に55キロもの違いがあります。試合の序盤,丸藤選手が徹底的に森嶋選手の左腕を殺しにいき,これはある程度の成果を収めていると思うのですが,手数は少ないとしても森嶋選手は一発で試合の流れを変えてしまいます。
 これほどに体格に差がある選手が戦えるのはプロレスの大きな特徴のひとつ。プロレスにはいわゆる縦の動きという立体的な面があります。この立体感覚に優れていれば小さな選手でも大型選手を相手に十分に戦えるもので,丸藤選手はその面に秀でた才能をもつ選手のひとり。この立体感覚というのは,単に相手を攻撃するためにだけ役立つものではなく,防御の面でも力を発揮します。この日も丸藤選手はこの才を存分に発揮しましたが,最後,力技のポールシフトを試みたところで潰されてしまい,ラリアット,バックドロップ,ラリアット,バックドロップという怒涛の集中攻撃を受け,試合には敗れてしまいました。
 このふたりはほぼ同期。これからも戦い続けていくことになるでしょう。プロレスはトータルでの戦いに勝ったものが真の勝者といえると僕は思っています。ただ,森嶋選手にとってこの試合を制したことの意味は大きく,再び三沢選手に挑戦するチャンスを得られそうです。

 伊東記念は明日が決勝になります。並びは岡部ー斎藤の北日本,新田ー中井ー望月ー冨田の南関東,稲垣ー志智ー岩見の近畿中部。ここは志智選手が狙い目かもしれません。

 第三部定理五六そのものの話もこれで終わりとします。そこで今度は話を第三部諸感情の定義二四まで戻すことにします。
 実はここで,スピノザが第三部諸感情の定義一八で定義している憐憫commiseratioという感情affectusの習性としてではない同情misericordiaという感情を定義しているのには,はっきりとした理由があります。それはそのひとつ前の第三部諸感情の定義二三の直後の説明に示されています。それによれば,同情ということばは一般的にねたみinvidiaということばに対立させられるのであるから,ねたみという感情の反対感情として同情という感情を定義することもできるというものです。つまりこの同情という感情は,ねたみという感情の本性naturaの上での反対感情としてここで定義されていたのです。そこで,ねたみという感情についてもここで扱っておくことにします。これは第三部諸感情の定義二三になります。
 「ねたみとは他人の幸福を悲しみまた反対に他人の不幸を喜ぶように人間を動かす限りにおける憎しみである」。
 ねたみは同情の反対感情であるわけです。よってこの定義Definitioの意味は第三部諸感情の定義二四の意味の裏返しにあたります。すなわち,僕たちがAを憎んでいて,この憎しみodiumによってAの不幸を喜び,逆にAの幸福を悲しむような場合,僕たちは単にAを憎んでいるだけでなく,Aをねたんでいるともいわれるわけです。個人的には最近の朝青龍関の騒動などには,こうした人間のねたみという感情が大いに関係しているものと理解しています。
コメント
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