初心者のための証券のある生活

豊かな生活を目指し、廣本修正のよくわかる “株・いろいろ”

明治人は夏の暑さを誇る

2015-08-05 11:35:00 | 生活の中で

 永井荷風の「夏の町」から:

 「何処へ行こうかと、避暑の行先を思案している中、土用半ばに早くも秋風が立ち始める。

 蚊遣りの烟に、なおさら薄暗く思はれる有明の灯影に、打水の乾かぬ小庭を眺め、

 隣の二階の三味線を簾越しに聴く心持・・・・東京と云ふ町の生活を最も美しくさせるものは夏であろう。

 一帯に熱帯風な日本の生活が、最も活々として心持よく、決して他人種の生活には見られぬ特徴を示すのは、

 夏の夕だと自分は信じている。

 蟲籠、絵団扇、蚊帳、青簾、風鈴、葭簀、燈籠、盆景のような洒々たある器物や装飾品が、

 どこの国に見られよう・・・・」

 明治43年の夏に書かれた小品です。倉嶋厚「日和見の事典」より

 読んだ感想はいかがですか。

 敢えてルビをふりませんでしたが、分からない言葉ありました?

 いいですね。明治の人は。