ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

バ―ナンキ米FRB議長は米雇用改善に4~5年要すると語った、米失業率改善を鵜飲みに出来ない

2011-01-10 10:13:26 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)



「失業率の裏に隠された米労働市場の問題点」と題して「今回の不況が数百万の雇用を奪い、多くの労働者を永遠に追放した。その結果、米国経済は不況前と比べはるかに非生産的となり、成長の芽を摘む。同時に、社会に多大のコストを負担させる。」と8日付けのWSJ紙がJustinLahart記者のレポートを掲載していた。

失業率9.4%は不況前の2倍である。ところがその数字は求職中の人のみである。退職者、学校に戻った人、障害者、不況の為就職を諦めた人は含まれていない。一方、雇用比率とは、兵役に従事している者、囚人や施設に入っている者を除く、16歳以上の人数を全人口で割った比率である。

全体の雇用数を人口で割った比率は、過去3年間で62.7%から58.3%へ減少した。この数字は、女性が労働市場に現在ほど多くなかった1980年代を含めて最低の数字である。景気が回復しない限り雇用比率は増えない。

中でも20~24歳の年代の雇用数を人口で割った比率は過去3年間で67.1% から60.1%へ低下した。多くの若者が不況のあと就職せず学校に戻った。しかし、求職活動もしない、学校にも戻らない若者の数が増加しているとLahart記者は指摘していた。

多くは技術を身につけていないために同年齢の仲間と同じ扱いを受けられない。不況の後犯罪比率は減っているが、この年代の若者には犯罪に走る人間が多い。障害者保険の給付を受けている者の数は、2007年の219万から294万へ増えた。

彼らの半分以上は障害保険給付を受けているため、働こうとする意欲が少ないという。ただプラス面もある。なぜなら就職できないため学校に戻って技術教養を身につけてから再就職するからより高い能力を生かし社会に貢献できると付記していた。

カリフォルニア州、Placentiaに住むTerryHipolitoさん(71)は、「しばらく仕事を探した。しかし、やってみたいなと思える職場がなかった。求職活動を諦めて、リタイヤの道を選んだ。」と話していたと紹介している。失業率は9.8% から9.4%へ改善した。しかし、内情を見れば決して満足いく状態でないことをLahart記者は伝えたかったのであろう。

翻って 日本の失業率はどうか。表面的には5%そこそこである。しかし、数字に表れない失業者はアメリカほど多くないにしても、20年にわたる不景気の長期化で生活のために意図せざる職場で働くことを余儀なくされている人は多いだろう。

子は親の背中を見て育つと言う。しかし、「失われた20年」と言われるバブル崩壊以降に生まれた子供の多くが笑顔の少ない親を見て育ったと思われる。その影響は計り知れないだろう。

1990年に生まれた日本の若者は1月10日の今日成人の日を迎える。日本に内向きの若者が増えた背景も「失われた20年」と大いに関わっているに違いない。アメリカ人は「日本の二の舞だけは避けよ」としばしば指摘している。その代表の一人がバ―ナンキFRB議長であろう。

彼は8日の米議会証言で、「アメリカの雇用改善にはなお4~5年要する」と語った。一度落ちたレベルを元に戻すことは容易でないことをバ―ナンキ氏は改めて痛感しているに違いない。(了)

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする