2006年9月度の中国海関統計によると、ディーゼル油の輸入が、季節要因として農漁業業者向けに4.7万トン、前年同月比99%増加した。軽油の輸入は、10月に始まる国慶節需要と中国富裕層の海外旅行が増加したことから前年同月比80%増の58万トンに達した。
北朝鮮経済制裁の動きが進む中で、中国の貿易統計は注目の度を高めている。北朝鮮空軍向け燃料用としてガソリン、ジェツト燃料が3倍以上になったとWSJ紙は紹介している。
9月の中国の燃料用油の輸入が約20%増加、日量換算57万バレルを記録したが、これは中国国内の品不足の中で輸入単価がトン760ドルへ値下がりしたことと原油の輸入関税が、10月から3~6%から0~3%へ引き下げられることから駆け込み輸入による増加であるとWSJ紙は説明している。
中国の9月の原油輸入は、前年同月比20%増加、1,300万トン、日量換算329万バレルに達した。これは中国屋内需要の増加と国家戦略備蓄を原油値下がりを好機と見て積極的に輸入を増やしたためとWSJ紙は解説している。
中国の2006年7~9月のGDP伸び率は2006年4~6月の11.3%増から10.4%へ小幅低下したが二桁増加が続いている。原油および同製品の中国の積極的な輸入状況から見れば、中国の経済活動は衰えを見せていないことを裏付けているようだ。
10月30日のNY原油先物相場は米国内の原油在庫が増加したことを材料に売られ4%以上値下がりした。石油専門家の間では、暖冬が続き、米国の原油在庫が増加すれば、原油先物相場はバレル55ドル近辺まで値下がりすると弱気を流している。
ただ、世界のお金は現在どちらかといえば商品から株・債券への流れが優勢になっているようだ。気まぐれなお金が世界の原油需給の実像にマスクをかけているかもしれない。
相場の世界では下げ相場に逆らうと命取りになるとよく言われる。原油の現在の状態はまさにその渦中にある。タナボタで手に入れた原油高騰であるが、ひとたび下げ足を早めると世界の原油供給の25%を占めるOPECの緊急減産をもってしても難産している。
余りに急激な値下がりは需要が続く限り反動高を招くことはよくある話である。中国の原油および石油製品に対する止まるところを知らない旺盛な需要を改めて見せつけられると、このまま原油相場がずるずる値下がりを続けると高をくくることは危険かもしれない。
たかが相場されど相場。原油相場の動きにも細心の注意を払うことが求められる。(了)
江嵜企画代表・Ken
北朝鮮経済制裁の動きが進む中で、中国の貿易統計は注目の度を高めている。北朝鮮空軍向け燃料用としてガソリン、ジェツト燃料が3倍以上になったとWSJ紙は紹介している。
9月の中国の燃料用油の輸入が約20%増加、日量換算57万バレルを記録したが、これは中国国内の品不足の中で輸入単価がトン760ドルへ値下がりしたことと原油の輸入関税が、10月から3~6%から0~3%へ引き下げられることから駆け込み輸入による増加であるとWSJ紙は説明している。
中国の9月の原油輸入は、前年同月比20%増加、1,300万トン、日量換算329万バレルに達した。これは中国屋内需要の増加と国家戦略備蓄を原油値下がりを好機と見て積極的に輸入を増やしたためとWSJ紙は解説している。
中国の2006年7~9月のGDP伸び率は2006年4~6月の11.3%増から10.4%へ小幅低下したが二桁増加が続いている。原油および同製品の中国の積極的な輸入状況から見れば、中国の経済活動は衰えを見せていないことを裏付けているようだ。
10月30日のNY原油先物相場は米国内の原油在庫が増加したことを材料に売られ4%以上値下がりした。石油専門家の間では、暖冬が続き、米国の原油在庫が増加すれば、原油先物相場はバレル55ドル近辺まで値下がりすると弱気を流している。
ただ、世界のお金は現在どちらかといえば商品から株・債券への流れが優勢になっているようだ。気まぐれなお金が世界の原油需給の実像にマスクをかけているかもしれない。
相場の世界では下げ相場に逆らうと命取りになるとよく言われる。原油の現在の状態はまさにその渦中にある。タナボタで手に入れた原油高騰であるが、ひとたび下げ足を早めると世界の原油供給の25%を占めるOPECの緊急減産をもってしても難産している。
余りに急激な値下がりは需要が続く限り反動高を招くことはよくある話である。中国の原油および石油製品に対する止まるところを知らない旺盛な需要を改めて見せつけられると、このまま原油相場がずるずる値下がりを続けると高をくくることは危険かもしれない。
たかが相場されど相場。原油相場の動きにも細心の注意を払うことが求められる。(了)
江嵜企画代表・Ken