写真①
写真②
写真③
「先日来られた方ですが、ちょっとした段差で転んでしまって、手の平を着いたのですが、腕が挙がらなくなった」と言う方が来られました。
診ると、腕は水平にしか挙がりません。写真①
「ははーん」と思って、スタッフにも見ておくように言いながら治療をした。
背中から見ると、左右の肩甲骨の高さが違います。
治療は最初に手技療法でやりましたら、だいぶ挙がるようになりました。写真②
すると、袖をまくって内出血を見せてくれました。
「ここはぶつけてないのですが、こんなになっています」と言います。
若くはない方でしたので、多分血管が切れたのです。(高齢者に多い)
その後、痛みのあるところを聞きながら鍼をしました。
引き攣りのある腱や筋肉を弛緩させるためです。
そしたら、写真は撮ってないのですが、グンと腕が挙がりました。
で、喜んでくれたようで、予約の仕方などをスタッフに聞いて帰られました。
一般的な病院での対処法を書いておきます。
原因
1. 皮膚・血管の脆弱化
高齢者は加齢により皮膚が薄くなり、血管(特に毛細血管)がもろくなります。そのため、軽微な衝撃や体位の変化だけでも内出血が起こることがあります。
2. 筋膜や皮下組織を伝って内出血が移動する
転倒時にどこかを打って出血した場合でも、重力によって血液が下のほう(たとえば足やお尻側)に移動し、ぶつけていない場所に内出血が現れることがあります。特に皮下脂肪が多いと血液が移動しやすいです。
3. 服薬の影響(抗凝固薬・抗血小板薬など)
血液をサラサラにする薬(ワーファリン、アスピリン、プラビックスなど)を服用していると、少しの刺激でも出血しやすく、止血しにくくなります。結果として内出血が目立ちます。
4. 血液や肝機能の異常
血小板の減少、凝固因子の不足、肝機能障害などがあると、出血が止まりにくくなり、内出血が起こりやすくなります。
【対処法】
● 基本的な対処
安静にする:再び転倒しないように注意します。
患部の観察:内出血の広がり具合や、痛み・腫れ・熱感などを観察します。
冷却(初期)→温罨法(数日後):最初の1~2日は冷やして炎症を抑え、それ以降は温めて血液の吸収を促します。
圧迫・挙上:患部を心臓より高く保つことで腫れを軽減できます。
● 医療機関に相談すべき場合
次のような症状があれば、早めに医師に相談してください:
内出血が日に日に拡がる
強い腫れや痛みがある
熱感・発熱がある(感染の可能性)
頭を打っている可能性がある(脳出血の懸念)
手足のしびれ・麻痺がある
● 予防のポイント
その他、【考えられる原因】
① 転倒によるどこかの打撲+血液の移動
② 高齢者特有の血管脆弱化
③ 抗凝固薬やサプリの影響があるかも
✅【現在の状態でできる対処法】
冷やさず温める(受傷後3日以上経過している場合)
→ ぬるめのタオルで温罨法をすると、内出血の吸収が早まります。
腕を動かしすぎない・重い物を持たないよう注意
→ 血流が増えるとさらに広がることがあるため、無理にマッサージしたり揉まないようにしましょう。
症状の観察を継続
- 腫れが引かない
- 痛みが強くなる
- 感染兆候(熱感・赤み・発熱)が出てくる
→ このような変化があれば、すぐに医療機関を受診してください。
🏥【医療機関の受診が望ましいケース】
🔁まとめ
この内出血は、打撲による皮下出血が重力で肘側に移動した典型例のように見えます。時間が経てば自然に吸収されていきますが、念のため数日ごとに変化を記録・観察するのがおすすめです。