
西宮文化協会の8月行事として枝松亜子氏(西宮市大谷記念美術館学芸課長)の―明治・大正・昭和の日本画ギャラリートークが令和7年8月10日(日)13時半から西宮神社会館であり楽しみに出かけ会場風景をスケッチした。
西宮神社の宮司家と西宮で病院を営んだ堀内家で収集されたコレクションの中から選ばれた約30点が展示されていた。
特別展示として会場入り口の西宮大神本紀復元図から始まる。「蛭児命の海上出現」、「神殿と表門」、「陸路還幸」など4点の絵が詞書と共に並べられていた。「昭和20年の空襲で国宝の本殿ともに消失したが令和2年に戦前の絵葉書や書物、調査書等に残された詞書の全文が復元された。」興味深く拝見した。
展示コーナーは①「関西で活躍した画家たち」と②「西宮ゆかりの画家たち」の順に配置されていた。「関西で活躍した」のコーナーは、京都画壇を代表する竹内栖鳳(1864~1942)の「双柿」の絵から始まる。2番目には野口小頻(1847~1917)の「淡彩蒼鷹逐雀図」をスケッチに描きこんだ。
上島鳳山(1875~1920)の「文政美人」、「萩美人」と続く。金島桂華(1892~1974)の「椿の花に小鳥」。丹念に写生された明るい椿の花が印象的だった。「竹内栖鳳に師事した。」
小野竹喬(1889~1979)の「嵐山」。「竹内栖鳳に師事した。日展を舞台に活躍した。」「風景から得た印象を竹喬の柔和な感性により温もりのある作品が生まれた。」山口華揚(1899~1984)の「桔梗」と続く。「円山四条派の写実の伝統を受け継いだ。昭和56年に文化勲章を受章している。」
第2コーナーの「西宮ゆかりの画家たち」は深田直城(1861~1947)「岩上鶴鳥図」から始まる。「滋賀県膳所生まれ。1914年に西宮に転居している。」福田眉仙(1875~1963)「月ヶ瀬」、「神松」、「表門」3作が並ぶ。「兵庫県相生市生まれ。1917年に苦楽園に移り、1920年から芦屋に住んだ。」次に大野麦風(1888~1976)の作品「游鯉」「群魚の図」「金魚」など数点が並ぶ。「潜水艇に乗り魚の生態を観察、細部にこだわって作品に仕上げた。」
貴重な機会を用意いただいた西宮文化協会事務局にひたすら感謝である。(了)