ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

気迷い感の中、NYダウ7ドル安、ドル105.57円(学校で教えてくれない経済学)

2008-05-31 15:20:11 | 経済学
 シカゴ商品取引所の正面玄関に、淀屋が世界で始めて開発した米先物取引のシステムに習って作られたと書いたプレートが置かれているそうだ。いまや、そのシカゴが世界の商品相場をリードしている。是非、この目で確かめたいが、なかなかそのチャンスがない。
 何でもアメリカの時代である。特に、日本人はアメリカに弱い。アメリカが、食料のトウモロコシを原料にエタノール生産を、国を挙げて奨励した結果、トウモロコシの値段は3倍に値上がりした。連鎖反応を起こして、小麦、大豆なども2倍、3倍になった。
 今朝の読売新聞に、ベルギーのフランドル地方政府が、「食糧危機に拍車をかける」と、公営バスのバイオ燃料使用を5月22日から全路線で無期限停止した。「食糧が足りないときにトウモロコシを燃料に使うのは誤り」とダーリング英財務相は語ったと紹介している。
 バイオ燃料は、温室効果ガスの排出量が少ないという謳い文句に日本も追随している。石油や石炭の化石燃料は排気ガスで空気を汚すが、放射能を出すが、排気ガスをださないからということで、「きれいな」原子力発電を見直すべきだという声が欧米で強くなってきた。
 今朝の日本経済新聞に、日経商品指数42種が、27年ぶり高値と出ていた。指数押し上げの要因は石油である。ポリステルなどの合成繊維も合繊原料高騰を受けて値上がりしたと紹介していた。合繊メーカーは、石油の値段が2倍になっても、値上げできなかったが、このままでは、命にかかわるから、遅まきながら、値上げに踏み切ったのであろう。
 NY原油先物(WTI)市場で、5月30日、バレル73セント値上がりし、127.35ドルで取引を終了した。原油相場は、供給不安を材料に、バレル135ドルまで値上がりしたが、調整をいれている。中国、インドなどが、値段関係なしに、石油を買いあさっている限り、大幅な値下がりはどう見ても期待し難い。
 NY外国為替市場で、1ユーロ=1.5540ドル、1ドル=105.57ドルとドル堅調の地合いのまま、小動きで推移した。次回FOMCの会合で、短期の目標金利のFFレートを据え置き、インフレ懸念を表に出して、追加利上げを打ち消すとの思惑がドル堅調を支えている。
 NY債券市場で、前日の売りの買戻し優先の流れから値を戻したが、10年物国債利回りは、年4.05%をキープしている。債券に積極的な買いがはいり難いのは、ミシガン大学消調べの消費者センチメントで、インフレ率が、1年先5.2%(1982年来最高)、5年先3.4%(同1995年来最高)が影響していると今朝のWSJ紙は紹介している。
 NY株式市場で、気迷い感の中、前日比7.9ドル、0.1%、値下がり、12,638ドルで取引を終了した。ハイテク株が主なナスダック総合指数は、14ポイント、0.6%下げ、1,522ポイントで取引された。何事もそうだが気が進まないときは、敬遠したくなるからだろう。
 日本に生活しているとさして気にも留めないが、世界各地で食糧が手に入らないということで暴動が多発している。何時、戦争が起こってもおかしくないというきな臭い匂いをかぎつけている人も増えてきた。自衛隊機を中国に飛ばすことを決めたと一斉にマスコミは流した。ところが、中国でインターネットによる反撃を喰らい、白紙撤回する醜態を演じた。
 リーダー不在は、何処の世界でも致命的だ。中でも日本には国にリーダーがいない。米国の言いなりになり、中国にも右顧左眄している。シートベルトを緩めることは出来ない。(了)

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NY原油126ドル、NYダウ52ドル高、ドル105.48円(学校で教えてくれない経済学)

2008-05-30 08:49:30 | 経済学
 「泣く子と地頭には勝てぬ。」広辞苑によれば、「道理を以って争っても勝ち目のないことにいう。泣く子のききわけのないことを、鎌倉時代の地頭の横暴なことにかけていったもの」とある。「泣く子も黙る」ということわざもある。同じく広辞苑によれば、「泣いている子も泣き止んで黙ってしまうほどの恐ろしい存在であることのたとえ」とある。
 ゴールドマン・サックスのアナリスト、アージュン・マーティ氏らのグループが、「1バレル=200ドル原油もありうる」との予測を発表したのは、3月25日である。同社は、3年前、1バレル=100ドル原油を予測して、そのとおりになった。
 子供が一端泣き出すと手がつけられない。泣く子と原油には勝てないと、原油が150ドル、200ドルと、天井知らずに値上がりしたら、日本は、資源のほぼ100%を輸入しているから、生きていけない。原油が暴騰し、石炭が追随、小麦、トウモロコシが2倍、米が3倍になれば、正に「泣く子も黙る」事態である。
その原油相場が、NY原油(WTI・軽質油)が、5月29日、バレル4.41ドル、3.4%下げ、126.62ドル、北海ブレント(重質油)も下げ、バレル126.89ドルでそれぞれ取引を終了した。高値からほぼバレル10ドル値下がりしたことになる。
EIA(米エネルギー情報局)は、5月23日締めの米国の原油在庫は、日量890万バレル減少したと発表した。本来在庫が減れば相場は反発する。WTI相場は、一端、バレル133.12ドルまで急騰した後、ガソリン需要の先細りを見越した動きであるとして急落した。
ただ、50ドル上げて、10ドル下げたにすぎない。これは通常の調整だとのIAFアドバイザー社、アナリスト、Kyle Cooper氏は話したと今朝のWSJ紙は紹介している。 
原油相場急落のニュースに対して、株式、為替、債券市場がそれぞれ反応した。
NY株式市場では、NYダウは、前日比52ドル、0.4%高、12,646ドルで取引を終了した。米商務省は、今年1~3月の米GDPデータを、0.6%増を0.9%増へ上方修正したことも株価押し上げを助けたとWSJ紙は解説している。
NY外国為替市場では、原油相場急落を材料に、株高、債券安が進み、つれてドルが買われ、1ユーロ=1.5517ドル1ドル=105.48ドルで取引された。ドルは、一時、1ユーロ=1.5485ドル、1ドル=105.88円まで値上がりした。
米ダラス連銀のRichiardFishier総裁が、「米国経済は貧血状態(anemic)であるが、インフレ懸念があり、早晩、利上げが必要になる」と発言した。米FRBが、利下げ打ち止めから利上げ賛成に変われば、利下げを材料にして、ドルが売られていた地合いが好転するとの読みが、このところのドル堅調の相場を支えている。
NY債券市場では、原油安、株高、GDPデータ、連銀フィッシャー総裁の利上げ期待発言を受けて売られた(利回りは上昇した)。10年物国債の利回りは、年4.08%、5年物3.41%、2年物2.68%とそれぞれ上昇した。債券相場はインフレの匂いに敏感に反応する。
「休むも相場」という格言がある。人間のからだも同じで、寝が足らないとどうしても不機嫌になる。寝つきが悪くなるときは、病気の前兆であることが多い。原油126ドルは、相場が休みたがっているのかもしれない。適宜、休みを取ることが、健康の秘訣である。(了)

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NY原油131ドル、NY為替ドル104.68円(学校で教えてくれない経済学)

2008-05-29 09:14:10 | 経済学
 からだの健康と経済には共通点が多い。血液であれ栄養素であれ、管が詰まり、流れが止まると、とどのつまり、病気になる。
 一年一回、定期健診を受けているから、うちは大丈夫だと、豪語しておられる方もおられる。ひとそれぞれだから、とやかく言う必要もないが、からだは、一日一日、変わっているとお医者さんは話しておられる。経済も同じで、日々、変化している。
 船場吉兆が、廃業届けを出したと報道された。偽装表示問題発覚後、再スタートを切ったとき、予約客が殺到したと聞いた。「使い回し」していたことをそのとき隠していた。あの戦争で、日本は、事実関係をひた隠しにして、墓穴を掘った。
 「臭い物に蓋をする」ということわざがある。広辞苑によれば、「醜悪な事実を、他人に知られないように一時的な手立てで隠す」と出ていた。「臭い物身知らず」とは、「自分の放つ匂いは気にならないように、自分の欠点には気がつかない」と広辞苑に出ていた。
 多忙な毎日を送っておられる方が増えた。しかも、情報が氾濫しているから、全てに目を通せない。そういう方には、経済のことなら、原油・為替・金利の3点セットで、経済の健康診断の材料のひとつとして、参考にされることを、僭越ながら、お薦めしている。
 NY原油先物(WTI)市場で、5月28日、原油相場は、ナイジエリアデルタ地帯での武装勢力の製油所攻撃を材料に、前日比2ドル近く反発、バレル131.03ドルで取引された。
ただ、原油相場は、135ドルの史上最高値を更新した。相場が休みたがっていることから、バレル125ドルまで値下がりするとの見方が出てきている。
 EIA(米エネルギー情報局)は、同日、米国の原油需要は、08年1~3月期、4.3%減少したと発表した。一方、米ガソリン在庫減少を材料に、全米のレギュラーガソリンの平均小売価格が、ガロン(約3.8リッター)3.9387ドルと史上最高値を更新したと発表した。
 NY外国為替市場で、5月28日、米耐久財受注高を材料に、ドルが買われ、1ユーロ=1.5612ドル、1ドル=104.68ドルで取引された。4月の耐久財データが、2.0%減の予測が0.5%減に留まり、4月の設備投資が3月の1.0%増から4.2%増と改善したことも貢献した。
 このところドル堅調地合いが続いている。その背景の一つに、米国の利下げ打ち止め観測が底流を流れていることだ。3月のベアスターンズ救済で、サブプライムローン問題が峠を越したとの見方も出てきた。利下げの思惑が原油相場高騰の引き金になった反省もある。
 米FRBは、FOMC議事録の中でも、景気とインフレは均衡していると書き、追加利下げ期待を打ち消す姿勢を見せた。一方、EU経済が、ユーロ高による弊害が、ドイツ以外で出てきている。年4.0%の政策金利で追加利上げはないとの見方もドル相場を支援している。
 日本はどうか。10年物国債の利回りが年1.8%に迫ってきた。住宅ローン金利は長期金利に連動する。さすがの日本にも、利上げに向けて、足場固めが進む可能性が出てきた。
 世界のいずれかで、いつ戦争が起こってもおかしくない、緊迫した状態にあると指摘する人が増えてきている。原油が2倍、石炭が3倍になった。これは正に「事件」である。
 一番身近なからだの中は、日々変化している。世の中も、同じく、変化している。隠蔽体質が一番いけない。風通しを良くし、快眠快便で、明るく、元気に、難局を乗り切ろう。〈了〉

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田毎そば:JR芦屋駅ビル(スケッチ&コメント)

2008-05-28 08:05:04 | スケッチ


田舎そば:JR芦屋駅ビル

江嵜企画代表・Ken



 ヨーロッパの歴史を、芦屋で教えているところがあると、高校の後輩のTさんから聞いて、4ヶ月ほど前から、時間の都合がつけば、楽しみにして出かけている。 歴史講座は午後7時から9時半までで、塾長の富田勲氏が講師である。
 勉強のあと、近くのスナックで一杯飲みながら、生徒有志で談笑の機会があり、交友の場がまた広がった。
 講座前に軽く腹ごしらえしておこうと、JR芦屋駅ビル5階にある「田毎そば」に、たまたま入った。これは絵になると思うと、絵心が刺激される。いつものように軽くスケッチした。
 この日は、ポルトガルの歴史だった。あらかじめ用意されたA4一枚にまとめた年表と歴史図説タペストリー(帝国書院発行)を座右に、テレビ画面に、タイミングよく、DVDの映像をはさんでくれるので退屈しない。
 恥ずかしながら、ポルトガルと聞いても、種子島にポルトガル船が漂着、日本に鉄砲が伝来した国である程度のことぐらいしか、認識していなかった。
 ヴァスコ・ダ・ガマがインド航路発見(1498)、ポルトガル領だったセイロン島をオランダが占領(1655)、オランダ全盛時代がはじまる。ナポレオン軍がポルトガルに侵入、ポルトガルのジョワン6世国王一家がブラジルに逃亡(1807)、皇太子ドン・ペドロがブラジル皇帝に即位〈1821)、ブラジルが独立したと聞くと、だんだん、50数年前,高校で西欧史を学んだ時代が蘇ってきた。
 地震と聞くと、被災者の悲しさ、ピクッと反応する。ポルトガルの首都リスボンで大地震(1755)。最近では1980年にポルトガル領アゾレス諸島で大地震があった。妙にポルトガルが身近に感じられるから不思議だ。
 リスボンに世界的に有名なグルベンキアン美術館がある。1970年にオープンした。アルメニア人のグルベンキアン(1869~1955)が、トルコ石油の株を放出して5%の手数料を手にし、それが元手になったという話は面白かった。石油で得た「あぶく銭」が生かされ、後世の人間を楽しませてくれているのである。
 グルベンキアンはアルメニア人である。アルメニア人には、ハチャトリアン、カラヤンなどの音楽家、ロシアのミコヤン、ロッキード事件で日本人にもお馴染みのコーチヤンとつづく。アルメニア人には、大富豪や芸術家を輩出しているそうだ。名前のお尻に「アン」とつくので、結構分かり易いと、富田先生が教えてくれた。
 講座から離れるが、ポルトガル領アンゴラが1975年独立した。アンゴラといえば中国の原油輸入先のトップである。もし北京オリンピックがボイコットされる事態に発展するようなことがあれば、アンゴラでの人権侵害の結果であると言われている。
 オランダから独立したブラジルはいま、資源大国として、益々ハブリを効かせている。
 ポルトガル領だった東チモールが、インドネシアから2003年独立した。
 この日の歴史塾には、来週、ポルトガルを旅行されるという方がご夫婦で来ていた。飛込みだそうだが、旅行会社の添乗員のご婦人の姿も見られた。
 歴史を改めて勉強出来るいい機会を与えてくれた後輩のTさんに感謝している次第である。〈了)


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FW: 130ドル原油はバブル相場か?(学校で教えてくれない経済学)

2008-05-27 07:57:31 | 経済学
原油先物(WTI)相場はなぜ値上がりするのか?今、買っておけば、先で値上がりすると思う人が大勢いるからである。値上がりすると思うから買う。先で値下がりするとわかっている商品を、買うバカはいない。
 バレル130ドルの値段はバブルなのか?バブル(Bubble)という言葉を、英和辞典で引くと、①泡、あぶく、シャボン玉、②泡のような計画、実態のない、いんちき、③過熱投機などと続く。泡(あわ)という言葉を広辞苑で引くと、液体が空気を含んで丸くふくれたもの、あぶく、はかないものにたとえるなどと出てくる。
 あぶく銭という言葉がある。広辞苑によれば、正当な労働によらず苦労しないで得た金銭とある。日本人に刷り込まれた金銭感覚では、バブル、イコール、あぶく銭、汚い、好ましくないと捉える傾向が強い。
 5月26日のWSJ紙に、原油先物相場はバブルか?というタイトルで記事が出ていた。
WSJ紙ブログ書き込みを記事にまとめさまざまな意見を紹介している。見方は様々である。
そもそも、先物相場とは、予期せぬ価格変動に備えて、ヘッジするため生まれた。ヘッジ(hedge)を英和辞典で引くと、①庭を生垣で囲う、②障壁で囲む、③掛けつなぐ、④逃げ道を作っておくなどとある、
 WSJ紙によれば、先週開かれた、米上院公聴会で、ヘッジファンドマネジャーのMichaelMasters氏は、「機関投資家が最近の原油先物相場の動きに影響を与えている」と証言した。2016年の超先物相場でのバレル142ドルが先高を説明している。
 ヘッジファンドマネジャーのJeffrey Mstthews氏は、「世界の原油需要は、2000年以降、日量1,200万バレル増加した。一方、非OPEC産油国の生産は日量400万バレルしか増えていない。米国はトウモロコシという食料をエタノールに変えることを決めた。中国の石油需要が爆発的に増加した。これが全てである」と証言した。
 ハーバード大、Jeffrey Frankel氏は、「米FRBが大幅な利下げをした。利下げがドル売りを促し、ドル売りが商品の売りを抑え、原油などの商品相場を押し上げた。5月初め、ブッシュ大統領は、サウド王に石油増産を要請したが拒否された理由である。」と証言した。
 1980 年代、原油先物相場はバレル10ドル台から40ドル台まで急騰を受けてOPECは増産した。ところが需要が増えず、バレル10ドル台で2003年まで低迷した。OPECは「原油は世界的に余っている」と繰り返し述べているとWSJ紙は紹介している。
 開発途上国では、石油製品に限らず、政府が補助金を出して価格を人為的に調整している。
WSJ紙によれば、インドネシア政府が、財政事情から、補助金を抑え、石油製品の政府売り渡し価格を30%引き上げると発表した。
バレル130ドルまで原油が値上がりしてくると、政府が多額の補助金を出して人為的に石油相場を、いつまで抑え続けることが出来るか疑わしい。インドネシアの動きは中国、インド、マレーシアなどへも波及するだろうとWSJ紙は警告している。
130ドル原油はバブルかバブルでないか?日本にとっても他人事では済まされまい。(了)

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足元を見直そう、温室効果ガス、2050年半減、G8環境会議総括は絵空事か

2008-05-26 10:04:50 | 経済学
(学校で教えてくれない経済学)


 ひとの振り見てわが振り直せ。自分の前を歩いている人の後姿をなにげなく見ているとからだが右か左か、どちらかに傾いている人が、男女を問わず結構多い。ご婦人でも前から見ればそれなりに見られるひとも、ご自身の後姿までには気が回らないのであろう。
中国四川省での大地震が連日、マスコミで取り上げられている。13年前に神戸でも手ひどい被害を受けた。地震は断層のゆがみから起こる。人間は、からだのゆがみ、ひずみが原因で病気になる。経済も同じで、ゆがみ、ひずみが原因で、病気になる。
経済にゆがみ、ひずみをもたらしているものは何か。その最たるものが原油急騰である。原油相場が先週、バレル135ドルを記録した。多少の調整はあろうが、高値水準で定着するとの見方が一般的になってきた。1年で2倍だが、いまだピンときていない人が多い。
原油急騰で、日本の電力会社が、電気料金を上げざるをえないと悲鳴を上げている。現在、料金に上限を設けているが、上限撤廃を当局へ申し入れたとテレビのテロップに流れていた。
電力会社が使う石炭が3倍になり、新潟地震で原発の操業が低下した。昨年から輸入を増やした天然ガスの値段が2倍である。2割、3割の値上げでもこたえる。現実に起こっている現象は、2倍、3倍だ。値上げをユーザーにお願いしないと、経営が成り立たない。
神戸市内でG8環境相会議が開かれている。温室効果ガスを2050年に半減することを目玉に閉会すると今朝の新聞に出ていた。会議に出ているひとで、何人がその時まで生きておられるだろうか。気の遠くなる先の話でないと、意見がまとまらない。それが現実である。
返済のメドがないとわかっていながら貸し続けて、その咎めが出たのがサブプライムローン問題である。3月にベアスターンズ証券を米FRBが乗り出しての救済で峠を越したが、一端出来たからだのひずみは、なかなかとれない。いまだに、米住宅価格は下げ続けている。
米国は短期の政策金利〈FFレート〉を年2.0%まで引き下げた。その結果、預金金利も年0.25%まで低下した。0.1%台の預金金利は日本の専売特許と思っていたが、米国の金利は高いからお得ですよと、先日まで素人相手に勧誘していた日本の金融機関の顔が見たい。
その一方で、債券相場は値下がり、利回りは1.8台へ上昇している。サブプライムローン問題がピークの3月前後は年1.3%台だった。様変わりである。原油急騰がもたらしたひずみだが、年2.0%になるのも時間の問題だろう。長期金利急上昇は住宅ローン金利を上げる。
ひずみは為替市場でも見られる。米国がサブプライムローン問題退治にFFレートを5.25%から2.0%へ引き下げ過程で、ドルの対ユーロ相場は、1ユーロ=1.6017ドルまで急落した。ECB(欧州中央銀行)は、インフレを怖れて、政策金利年4.0%を変更しない。
ユーロ圏の消費者物価指数はここ数年、年2.0%前後で安定していた。それがここへ来て年3.5%台まで急上昇している。欧州では特にドイツで、ハイパーインフレで、お札をリヤカーで運ぶ姿が写真に残されている。お金が紙切れ同然になった苦い経験が生きている。
日本でも敗戦翌年の昭和21年(1946)2月17日、預金封鎖し、新円に切り替えた。亡父はその時の朝日新聞を残している。四川省の大地震も他人事なら、神戸の震災も早や忘却の彼方である。日本は100%近くの原油をアメリカから輸入していた。そのアメリカ相手に戦争を始めた。理屈だけこねる人が多くなった。まず足元を見直すことが求められる。(了)

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筋肉のエネルギー消費を調節=たんぱく質のスイッチ機能解明-東大

2008-05-26 10:00:00 | Webニュースより
筋肉のエネルギー消費を調節=たんぱく質のスイッチ機能解明-東大(時事通信) - goo ニュース


素晴らしい研究だと思いますが、「肥満やメタボリックシンドロームの新たな治療薬開発につながる」というのは頂けない。
メタボの予防に使える「食品」でしたら、まあまあ「欲しい人もいるだろう」と思うぐらいで、多分そんなのができたとしても使わない。

私もメタボに入っていると思いますが、メタボの原因は十分すぎるほどわかっているので、薬品でメタボをコントロールしようとは思わないからだ。

タンパク質のスイッチ機能を薬でコントロールするのかと考えたら(ではないかもしれないが)ちょっと怖い。

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NY原油132ドル、ユーロ1.577ドル、ドル103円(学校で教えてくれない経済学)

2008-05-24 20:09:21 | 経済学
 「ユーロへの挑戦」(京都大学学術出版会発行)(H.ティートマイヤー、ドイツ連邦銀行元総裁著〉は、1999年1月、ユーロ誕生までの内幕をつぶさに語る優れ物の著書である。
 2008年5月23日、NY外国為替市場で、ユーロは、1ユーロ=1.5772ドル、1ドル=103円で取引された。ユーロ誕生後、紆余曲折はあったが、2000年3月、ユーロは、一時、1ユーロ=0.82ドル(88円)で取引された。現在の相場は、対ユーロで見れば、ドルは、ほぼ半値水準まで値下がりしたことになる。半値8掛け2割引きだけは勘弁して欲しい。
今にはじまったことではないが、米国ではインフレ懸念がここへ来て盛んに取り沙汰されている。インフレとはドル建て価格の上昇である。値上げは、ドル目減りを防ぐ自然現象だ。米FRBが追加利下げに消極的なのもこれ以上のドル値下がりを止めるためであろう。
原油相場は、インフレの反面教師である。NY原油(WTI)先物相場は、5月23日、バレル132ドル台で取引された。一時、バレル135ドルの史上最高値を突破したあと、若干の調整を入れているが、先高感は,依然、衰えていない。
原油相場は、中国が2003年から原油輸入を積極化するまでは、ほぼ30年間、バレル15ドル前後を低迷していた。原油相場は、ここへ来て、再び騰勢を強めている。これには、5月12日、中国四川省を襲ったマグニチュード7.9の大地震が大いに影響している。
 2008年8月、中国悲願の北京オリンピックが始まる。中国政府は、昨年11月、燃料及び電力用ディーゼル原油の輸入関税を6%から2%へ、さらに今年1月、1%へ引き下げた。中国の今年5月のディーゼル油輸入は前年同月比8倍を記録した。
中国の国内石油企業は、17%の付加価値税を6月まで免除される。大量の駆け込み輸入があって自然である。未確認情報ながら、原子力発電所での放射能漏れを怖れて、原油、天然ガスによる発電へ一部シフト、そのため、輸入需要が急拡大していると伝えられる。
国際エネルギー機関(IEA)は、現在日量8,700万バレルの原油生産が2030年に、日量1億1,600万バレルと予測しているが、生産を日量1,250万バレ増やすことが出来なければ需給ギャップが発生すると指摘している。IEAは2004年からの中国の原油輸入急増と2008年の年初からの40%近い値上がりを予測出来なかった。いずれも中国がらみだ。
米国は、日量2,000万バレルを消費する世界最大の消費国である。その一方、日量730万バレル、世界原油の8%を生産する世界第三位の産油国である。IEAは2015年までに日量840万バレル増えると予測しているが、アラスカ油田次第である。しかも、消費の6割強を輸入する輸入大国である構造に変化の兆しは見られない。
American Airlinesが、5月21日、手荷物料金を1個につき15ドル徴収すると発表した。ガソリンのガロン4ドル突破は時間の問題である。米自動車業界に買い控えが起るとして、5月23日のNY株式市場では、航空会社株、自動車株が、軒並み大幅値下がりした。
非OPEC産油国であるロシア〈世界シエア12%〉、メキシコ〈同4%〉の油田老朽化が深刻、OPEC(同40%)は、利益優先で新たな油田開発に消極的だと,IEAは指摘した。
ドルの目減りは、中長期トレンドで見て、続くだろう。原油供給に不安が残る。「150ドル原油は、投機家の仕業だ」でめしが食える評論家はいい。生身の人間には許されない。(了)

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木具師三代・橋村萬象展(スケッチ&コメント)

2008-05-23 08:29:06 | スケッチ


木具師三代・橋村萬象展

江嵜企画代表・Ken



 木具師三代・橋村萬象展が高島屋京都店で5月27日まで開かれている。橋村家は、平安遷都のとき、奈良より皇室のお供をして京都に移住した。2008年2月、三代萬象を襲名された。今回の展覧会は襲名記念展である。
 三代目の又左衛門が、大徳寺管長より「一刀萬象」(一の刀より、よろず(萬)のかた(象)を作る)を拝名し「萬象」を名乗る。
 三代萬象さんは、先代萬象の長男として1959年に京都で生まれた。祖父である初代萬象に師事、日本画家山本紅雲に師事した。先日、日本画家、猪熊佳子さんとの競作展も開かれた。 
 東京遷都のとき、天皇に仕える有識器具師は、四家あった。再び京都に戻って来られると信じて橋村家のみ残ったという話を萬象さんから聞いた。冷泉家も京都に残った。冷泉家からの注文書が会場に展示されていた。
 特別展ということもあり、香合、水指し、茶器の展示に加えて、会場入り口を入って
右手に、物指、かんな、のこぎり、寸法帳、御所からの注文書、羽子板の原型、天皇が使う枕の挿絵なども並べられており、見ごたえがあった。
 のこぎりは、手づくりで、手元が太く、先へ行くほど薄くなっている。そのため微妙なタッチで作業が出来る優れものだと聞いた。
 羽子板の原型も面白かったが、羽子板絵の下絵として、裏と表別に、和紙に描かれたものが展示されており、印象に残った。
 萬象さんは、この道30年の実力の持ち主である。ところが、実に腰が低い。素人の分際にも、こちらが恐縮するほど、懇切丁寧に話して下さった。直々、解説いただく機会に恵まれ、誠に光栄であった。
 茶器の展示ということもあり、会場には、お歳を召したご婦人の姿が目立った。「有識茶器御器具師」と書いた立て札、後鳥羽院下賜と書いた注文書、羽子板の原型を表装した掛け軸などを入れて、会場の様子をスケッチした。(了)


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四川大地震の死者5万人超える、負傷者は28万人

2008-05-23 08:13:01 | Webニュースより
四川大地震の死者5万人超える、負傷者は28万人(読売新聞) - goo ニュース


先日、某教育大学の博士課程に進んだ留学生が、
「来月中国に帰ることに決めました。中国に帰って3ヶ月ほど英語を勉強してから、オーストラリアかカナダに移住します」と言うので、突然何を言い出すのだ、と思いながら話を続けていました。

苦労して博士課程にまで進み、「できれば日本で就職したい」と言っていた彼女の心境を考えてみた。
阪神大震災の時に、私も「地震のない国に移住したい」と考えたことがあった。
多分、同じようなことを考えた方も多かったのではないかと思いますが、あの時、被災への恐怖が日ごとに鼓動を高めていたことを今でも覚えている。

多分、家族からの連絡で、「早々にどこかへ移住しよう」と決まったのだろう。

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