ハリックの診断即治療&虹彩と、Kenさんの経済学&スケッチ

虹彩には、体質や、現在、過去、未来、のデータが秘められています。虹彩学による虹彩分析を針灸、巨針、食事療法の指針に!

原油・ドル・金利の三すくみー・・・ 学校で教えてくれない経済学

2005-03-30 15:23:00 | 経済学
 三すくみとは、新明解国語辞典(三省堂)によれば、
ヘビはナメクジを、ナメクジはカエルを、カエルはヘビを
互いに怖れるところから、三つのものが互いに牽制
しあって、積極的に行動できないこととある。

 最近の米国経済を眺めていると、
原油の話題が後退し、金利が表に出て、
ドルに少し元気が出てきているような
雰囲気が出てきた。

 米国では原油とドル相場は80年代から90年代を
通して多少のずれはあっても似たようなトレンドを
たどってきた。

 ところがここ3年の動きを見ていると、
原油が上がればドルが下がり、ドルが下がれば
原油が上がる。

 ところがドルがほぼ一貫して下げてきた性も
あるのだろうが、原油相場は一貫して上げて
来ている。

 金利はカーター時代の年20%近い異常
高金利時代を別にして、手前数年はFFレートで
1%まで下げるなど異常な低金利が続いていた。

 その異常金利の手直しが昨年夏以降始まり、
米国の現在のFFレートの目標金利は年2.75%まで
戻してきた。双子の赤字は一朝一夕では収まらない。

 そうなればドル防衛、ドル安阻止の切り札として、
利上げが幅を拡大し、ピッチも上げるとの見方が
強まってもおかしくない。

 このところのNY株低迷も、日経ダウの連日の安値も
米国の金利政策に微妙に影響されている可能性が
あるだろう。

 原油相場は、軽質油WTI相場で見ると、
85年以降は湾岸戦争時期の一時的な高騰を
除けばバレル15ドル上近辺でむしろ低迷期が
長かった。

 それが2000年頃から上げ始め、
例の9.11テロ事件以降からは上げ歩調に
転換した。
 
 上げに転じたタイミングがドル安への潮目と
ほぼ一致している点が興味深い。

 ドル安基調が鮮明になるたびに反比例的に
ドルは下がり、原油は上げて、ついに
昨年秋にはバレル57ドルまで上昇した。

 「落ち着く」という言葉がある。
落ちつくとは、本来、落ちるところまで落ちて
これ以上落ちのない地点に到着して動けないという
意味だそうだ。

 現在原油相場はバレル54ドル前後で
素人目には落ちついて来ているように見受けられるが、
原油専門家は、むしろこれから下げ相場に転じ、
バレル40ドル程度でそこではじめて
落ちつくと見ている。

 落ち着くという言葉通りでいえば、原油相場は
まだ落ちるところまで落ちていない。座りの悪い
状態にあると原油専門家は見ているのであろう。
 
 原油相場に限らず商品相場全般にも上げ一服感が
強い。中国買いの熱気が高原状態は続くものの、
2003年,2004年と火の玉のように燃え盛って行った
勢いはないと見られている。

 ドル相場の方はどうか。
対ユーロで1ドル=1.30ドル近辺で、
対円で1ドル=106円前後で落ちつくか
いまひとつはっきりしない。
 
 金利の方はどうか。
米FRB(連邦準備制度理事会)が先のFOMC
(連邦公開市場委員会)レポートのなかでインフレ懸念を
指摘してから、米国では金利に先高観が強まってきたようだ。

 エコノミストの見方では、米国のFFレートは、
年末には4%、公定歩合5%で落ちつくだろうという。
一時3.5%で打ち止めとの見方が大勢だった。

 利上げへのアクセルで、景気面でのリスクはあるが、
ドル投資に金利差による利回り魅力が生まれ、
ドル堅調を支援するだろう。昨今のような
世界的な金余り時代では、実需で動くより
どうしても投機的に動き易い。

 世界の流れは利上げである。ところが日本では
あい変わらずゼロ金利である。

 日本では、新聞、テレビが取り上げれば良し悪し
関係なしに事態は展開する。

 日本がゼロ金利から一向に腰を上げないのも、
マスコミが取り上げないから、世間も騒がない。
世間が騒がないから、国会でもゼロ金利について、
詰めた議論何ひとつやろうとしない。

 自分のふところ先の預金金利は
ゼロに不満でも、会社に帰れば労働組合は
ゼロ金利賛成である。
 
 帰るのは家であって会社でない。それが会社に
帰るという。自分の健康を犠牲にしてまで、
滅私奉公を営々と続けている人が多い。 

 話を戻す。

 物の値段は基本的には需給関係で決まる。
原油相場がOPECの減産・増産で左右され難くなったのは
OPECの生産余力が少なくなったからであろう。

 原油高騰は、中国需要堅調に支えられた面が強いが、
供給面で、OPECの裁量権に陰りが出てきたことが
大きく影響している。

 需給で動くよりも、これからの原油相場は、ドル相場に
より連動して動く可能性があることを見ておく必要がありそうだ。

 ドル相場も、地政学的要因にも、大きく影響されるが、
基本的には需給で動く。

 ドルを売りたい数が買いたい数を上回っていたから
米国の双子の赤字を売り材料に下げてきた。ところが、
最近の流れはユーロを売り、ドルを買う数が増えてきた。

 ユーロ安には、EUが、3月20日、財政赤字を国内総生産
(GDP)比3%以内に維持するが、ルールに風穴を開けることを
決めたことが響いている。

 景気浮揚に赤ランプが点灯した東ドイツを助けるためだ。
東西ドイツの格差是正を大義銘文にして、
財政赤字幅GDP比[3%以上」枠外OKを出した。

 これこそ蟻の一穴であろう。ポーランド、ハンガリーなど
これから東欧の仲間が次々ユーロに参加する。
厳しい市場の目がユーロの行き先を見逃すはずはない。
それでユーロ売りが加速した。

 財政協定「3%以下」という厳格なルールがあるから
ユーロも輝いて見えた。それが歯止めを外した。
ドル建て資源国はドル目減りに耐えられない。そこで
「避難先」としてのユーロが美人に見えたのだろう。

 外貨準備高をドルからユーロへ一部であろうが、
中国、インド、ロシアなどが鞍替えしたという情報が
流された。ユーロ買いを刺激して意図的に流した
かもしれない。

 ユーロのあばたもえくぼに見えた。最近のドル堅調の
裏には買われすぎたユーロ高騰の反動が出ている。
恋が冷めればえくぼもあばた。

 相場の世界の常であるが、流れが変われば、あれこれ
理屈を並べてはドルを買わそうとするであろう。
潮目の変わり時には特段の警戒が求められる。

 米国経済は、原油・ドル・金利の三すくみ。

 郵政民営化も結構だ。ライブドアも大事だろう。
しかしながら、いま日本という国は、政治、経済、
教育あらゆる局面で重要な曲がり角に
立たされているように思えてならない。

 マスコミも国会も日本という国の行く末を
深く見据え、腰を入れた議論をして欲しい。(了)

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からだの仕組み、お金の仕組み:為替問題

2005-03-29 06:38:07 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表


 ここ1週間、米国へのお金の流れが少しずつだが、
他の通貨から米ドルへシフトしてきたようだ。
その結果、1ユーロ=1.29ドル、1ドル=107円
近くまでドルが上げてきたのはそのひとつの証である。

 お金はからだで言えば血液のようなものだ。
血が薄くなる(自国通貨安)になれば元気を失う。
その一方で、血が固まり、血の流れが悪くなると、
血管が詰まり、からだ全体に血液がよどみなく
流れ難くなるから経済(からだ)は低迷する。

 米国経済は食べ過ぎと砂糖の取り過ぎから、
財政と経常合わせて双子の赤字都合
1兆ドル(1ドル=105円として105兆円)
を抱えている。

 その赤字の大部分をファイナンスするために
絶えず海外からの新しい血液を入れて来なければ
ならないからだに成り果ててしまっている。

 そのため、ドル暴落の話しで、2005年はじめで、
ドルはどこまで下がるのかということで持ちきりだった。
それが今、ドル相場はどこまで上がるのかと
為替アナリストははやしたてるのだからなにをか
言わんやである。

 FRB(連邦制度理事会)グリーンスパン議長は、
金庫の番人だが、同時に、米国お抱えの医者の
ような存在でもある。

 米国(患者)は今のところかもしれないが、お医者さん
(グリーンスパン)の言うことには素直に耳を傾けて
いるようだ。

 日本では医者の言うことを信じない患者が
70%もいるそうだだが、安心して病院にも
入れない状態が日々現実味を帯びてきている
事態ははなはだゆゆしき状態だろう。

 グリーンスパン議長への市場(患者の家族)の
信頼は絶大だ。市場と対話も実に見事で、株式市場、
為替市場を操縦していると言って過言でない。

 金融面担当医者として、調子が悪ければ
金利を下げ、体調が良くなれば利上げする
タイミングをねらっていた様だ。

 ただ、利上げはドル相場を支援する面では
良薬だが、行きすぎれば景気を押し下げる点で
毒に早変わりする。

 先週NYダウが大きく下げた。これはこの先
矢継ぎ早に利上げされるとローン漬けの米経済が
破綻するとの読みからだった。

 しかし、その一方で、ドル先安を嫌って原油相場がなど
昨年10月、バレル55ドルの史上最高値をつけ、小休止の
あと、3月に57ドルまで暴騰した。

 ドル安→原油高、原油高→ドル離れ、ドル離れ→ドル安が
進むと輸入インフレから悪性インフレへの予兆が出てきた。
ドル離れがこれ以上進めば患者の命に関わる。

 ドル離れ阻止は至上命令である。米国からのドル流失を
食いとめるには毒ともなるリスクを承知しながらも利上げという
処方しか残されていない。

 3月22日、FOMC(連邦公開市場委員会)は、
連続7回目となる目標金利を0.25%上げ、
年2.75%とし即日実施した。

 米経済誌Business Week最新版は、
米FRBの慎重なペース(Measured Pace)
にGood by(決別)とのタイトルで、次回以降の
FOMCで0.5%切り上げ有るべしと警告した。

 今年に入り、ドル相場は、対ユーロで、
1ユーロ=1.3239ドルから1.2733ドル、
対円で、1ドル=101.70円から
106.85円の範囲で動いた。

 先週1週間でドルは対ユーロで2.7%上昇した。
過去2週間では3.8%上昇した。ドルは対円では
ここ1週間では1.6%上げた。ここ2週間では
2.4%値上がりした。

 外貨準備高に占めるドルのウエートを下げる動きが
中国、インド、ロシアに見られる。米国を大いに刺激
しているのではなかろうか。

 ドル離れ阻止に向けてドル防衛のために、
米国の怒りが利上げ加速の起爆剤にもなりかねない。
 
 米国人は足元を蚊が刺した程度では鷹揚なものだ。
ところが米国と言う国は、血のニオイを嗅いだり、
咽元を食いちぎられるとの危機感をもてば
何をしでかすか知れたものではない。

 たかが為替と見過ごしできぬ危うさを感じる次第である。(了)

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大相撲三月場所:13目に栃東一矢報いる

2005-03-26 08:46:11 | スケッチ
 大阪難波にある府立体育館で
3月13日から大相撲三月場所が開かれている。

 大阪の地下鉄の中でお相撲さんに出くわすと
ああ、大阪場所が開かれているのだとはじめて
実感する程だから、情けない話しというか、
変われば変わるものである。

 大阪場所、13日目、結びの一番、大関栃東が
取り直しで横綱、朝青龍をあびせ倒して一矢を
報いたからいいようなものの、この日優勝が
決まっていたら相撲協会の面子丸つぶれだったろう。

 テレビ桟敷で相撲観戦していて気付くことは
相撲が上位、下位問わず実に淡白になった。
あっさり土俵を割る力士が多い。

 元貴闘力、大嶽親方は、最近の力士は
出稽古をほとんどやらなくなった。
それで淡白な相撲が増えたと以前話しておられた。

 かつての力士は、出稽古を通じて、同門同士の
稽古で得られない貴重な情報を体感したと言われる。

 余談ながら、ほとんどの力士が携帯電話を
持っているそうだ。土俵の上で稽古せずに
彼女とばかり稽古するから強くなるはずがないと
先の大嶽親方がはき捨てるように話していた。

 力士に限らず、政治家も教育者も
一体にサラリーマン化してきていることが
今の日本という国をおかしくしているの
かもしれない。

 体育館の前でスケッチしていたら
相撲協会の切符売り場から前売り券も当日券も
余っていると繰りかえしくりかえしアナウンスしていた。

 満員御礼の垂れ幕をテレビ画面でとんと見かけ
なくなったのもうなづける。

 それはそうと、あれほどまで土俵に上がりたがって
おられたどこかの知事さんも今場所はひとこともない。
 
 むしろ淋しい限りである。(了)



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)

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山科 毘沙門堂

2005-03-25 08:56:56 | スケッチ
 JR京都線、山科駅下車、北に向かって上り坂を
徒歩15分のところに山科 毘沙門堂がある。
 
 創建は奈良時代、行基菩薩によって開かれたという。
当初京都御所の北に位置し、護法山出雲寺と呼ばれていた。
 
 天正年間(1571~91)、織田信長の兵乱で全焼し、
慶長16(1611)年、現在の地に再建され、毘沙門堂と
名を改めたと記録にある。

 境内には見事な枝垂れ桜がある。
参道の回りも桜並木が続く。
 4月10日に予定されている桜祭りには
今年も花見見物に訪れる人で賑わうだろう。

 この絵は、昨年夏に描いたスケッチを下絵にして、
昨年秋から日本画家、猪熊佳子先生の指導を受けながら、
少しずつ色を重ね、先日仕上げた。

 JR山科駅と、京都地下鉄東西線、山科駅は
背中併せに位置しており、地下鉄でも行ける。
三条京阪を通過して、山科駅から20分ほどで
二条城まで通じているので京都中心街への
交通の便もいい。

 京都にはお寺がなんと1,600もあると聞いた。
その中の一寺、毘沙門堂にも是非一度足を
延ばされたらいかがでしょうか。(了)


Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)

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漁師、潮を見る、猟師、風を読む:為替相場ー

2005-03-24 08:23:34 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表


 日本という国は四面環海の言葉どおり海に囲まれ
豊富な海洋資源に恵まれ、海からいろいろなことを
学んできた。その一方で、日本の国土面積の約70%は
山であり、山の恩恵も数々受けてきた歴史がある。
 
 このような環境下から、漁師は潮を見る、
猟師は風を読むという生き方の基本的な智慧を
日本人の多くは学んできたはずだ。
 
 ところが、それが昨今特に急速に薄れてきたように
感じられる。
 
 ただ相場の世界では、万国共通で、
潮目、風向きを読み間違えると命取りになる
ケースが多い。
 
 3月22日、米FRB(連邦準備制度理事会)は、FFレートの
目標金利を0.25%上げ、年2.75%と決め即日実施した。
これを受けて、3月23日のNY為替市場で、ドルは、
対ユーロで1ユーロ=1.2991ドル、対円で106.06円で
取引された。
 
 同日、米労働省が発表した、2月の消費者物価指数
(1982~84=100:季節調整済み)が、前月比0.4%
上昇、予測の0.3%増を上まわったことが、米利上げを
支援するとの読みからドル相場上昇を後押しした。
 
 特に対ユーロで、ユーロ売り、ドル買いが目だったのは、
ドイツの景気指標であるIfoの3月指数が、94.0へ
2月の95.4から低下したことが響いたようだ。
 
 ドル堅調を受けて、NY原油先物5月相場は、バレル53.40ドルへ
前日比2.63ドル幅で急落した。
 ロンドン國際石油取引所相場も、ブレント種5月物相場が、
バレル52.75ドルへ、1.84ドル幅急落した。
 
 ドル相場のコインの裏表として動く要素の強い
金相場は、ドル堅調の地合いを受けて、
オンス425.40ドルへ6.20ドル下げた。
 
 原油相場が史上最高値のバレル57ドルをつけた
背景には、中国、インドなどでの需要増が背景にあるが、
産油国は、ドル相場下落で、ドルの目減りをなんとしても
回避したいとする強い意思をしばしば表明していた。
 
 銅、アルミ、ニッケルあどの非鉄相場も穀物など
含めた一次産品商品相場上昇の裏にも、原油同様、
ドル相場下落が後押ししていたことが指摘できる。
 
 財政赤字、経常赤字2つ併せて1兆ドルの
俗にいう双子の赤字を米国は抱えている。
この巨額な赤字をファイナンスするため、
世界の投資家の目を米ドル資産に引きつける
残された数少ない手段が利上げであると
マーケットは既に読んだと思われる。

 FRBは今回、インフレ懸念を声明文の中で
色濃く出した。世相一般、原油高騰をインフレ要因と
しているが、ドル安を最も怖れ、ドル安こそが
インフレの元凶であることを熟知している張本人が、
ほかでもない米FRB議長、グリーンスパン氏
その人であることを忘れてはなるまい。

 利上げを続けて行けばリスクも大きい。
しかし、大きなリスクを十分承知しながらも
敢えて米国という国は、利上げを継続すると
漁師は潮を見、猟師は風を読んだのではなかろうか。

 司馬遼太郎は、著書「風塵抄」の中で、
「日本人は古来、田んぼのなかで草むしりばかりして
過ごして来た。」と書いておられる。

 漁師の血、猟師の血はどこへいったのだろうか。
日本という国で、農民の血が色濃く出てくると
激動の21世紀に生き残れないかもしれない。(了)

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米FRB0.25%利上げ、年2.75%へ:NY株大幅安ー

2005-03-23 11:03:16 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表



 米FRB(連邦制度理事会)は、3月22日、
短期の目標金利を0.25%上げ、
年2.75%と決めたと発表した。
これにともない公定歩合は年3.75%となった。
 
 A4サイズ一枚のプレスリリースを読むと、
インフレ懸念が色濃く出ている。
しかし、慎重なペース(Measured pace)で
利上げすれば、インフレ亢進は
十分封じ込むことが出来るとも述べている。

 同レポートは、原油相場が上昇した割には、
生産は堅調に推移しているが、物価上昇は
比較的軽微にとどまっているとも指摘している。
 
 米東部時間午後2時15分に利上げ発表
直後からNYダウは下げに転じ、
前日終値から94ポイント大幅急落した。
ハイテク株でかためたナスダック総合株価指数も
18ポイント下げた。

 NY株価を殺すには、刃物は要らない。
利上げ懸念が強まれば株価は簡単に下げる。
日経ダウも米株安を受けて下げるだろう。
 
 FRBは、声明文の中で、ここ数ケ月インフレ圧力は
強まり、物価上昇がはっきりしてきた(evident)と
インフレ懸念を強調した。

 マーケットは、段階的にしろ利上げは
今後も継続されると読んだ。FRB発表後、
NY株式市場は売り一色となり、債券相場も
連れて急反落した。

 10年物国債利回りはここ8ケ月来最高の
4.60%を突破した。長期債利回り上昇は、
そのまま住宅ローン金利上昇に連動する。

 低金利をテコに上昇してきた米国住宅価格上昇は
バブルとも言われている。バブルで有れなんであれ、
住宅好調は米景気を引っ張ってきたエジンンの一つであった。
それが住宅ローン金利上げから米景気全体にブレーキを
かけそうだ。

 一方、NY為替市場は、0.25%利上げを受けて、
ドルは対ユーロで1ユーロ=1.3076ドルまで急上昇した。
当面、金利据え置きの欧州と比べ、米利上げにより、
米欧利回り格差がさらに拡大するとの読みから、
ドル相場を対ユーロで押し上げた。
 
 ドルは対円でも1ドル=105.46円へ小幅値上りした。

 1ドル=105円の為替レートこそが
史上最高値の56ドル原油の日本経済への
衝撃を和らげていることを
忘れることは出来ない。(了)
 

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『桜宴』in Kobe

2005-03-22 10:50:12 | スケッチ
 阪神電鉄魚崎駅から徒歩南へ10分の
ところに『桜宴』という日本風レストランがある。

 灘の代表的銘酒のひとつ、「桜正宗」が経営している。
特に休日の昼時だと予約していかないと軽く1時間は
待たされる。

 魚崎郷、御影郷、灘郷と酒蔵が大阪湾沿いに
並んでいる酒蔵銀座の一角を占める。

 この日も酒蔵ラリーの一行がおしかけていた。
3月末まで日本海産の蟹料理を
一人前3,500円で食べさせてくれるから
ありがたい。

 住吉川をはさんで西へ清酒、菊正宗、白鶴、
福寿と続く。

 白鶴酒造は白鶴美術館でも有名である。
当の桜正宗、山邑酒造は、全国的にも有名な
灘高・灘中の創業者である。

 酒造会社が関係している教育事業としては、
宮水の本家、西宮にある清酒「白鹿」で有名な
辰馬酒造がある。

 辰馬家は、灘同様、中高一貫教育の
甲陽学院の創業者である。
 戦前の旦那衆は蓄財を美術や教育にも
投資した。

 戦後日本の税制が変わり寄付がしずらくなった。
相続税をがっぽり取られ、旦那衆が生き残れなくなったと
いう見方もある。

 いろいろな見方があり、一概には言えないが、
金持ちが安心して寄付出来るようになると
庶民も恩恵にあずかれるのではなかろうか。

 金持ちに機嫌よくお金を使わせたらいいと思う。

 『桜宴』の店入口で順番待ちの客人を
スケツチした。(了)



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)

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セブンイレブンジャパン住吉駅南店

2005-03-22 10:11:25 | スケッチ
 JR神戸線、住吉駅南に、日本コンビニトップの
セブンイレブンジャパンの店がある。
阪神淡路大震災のあと駅南に出来た
高層マンション1階に店舗を出した。

 商品搬入の大型トラックが店の前に
とまったところをスケッチした。

 道隔てて隣にライバル店ローソンがある。
気のせいか最近、神戸市内でセブンイレブンの
新店舗が目立つようになった。

 最新版の会社四季報によれば、
セブンイレブンは毎年650程度の店舗を開設
しているそうだ。

 最近では高級おにぎりがヒットしている
話も聞く。
 利益は今年2月末決算で、1,000億円の
税引き後利益を出した。年34円の
配当をする優良企業である。

 親会社のイトーヨーカドウが50%強株を
保有しているが、株価はどうしたことか
1株3,200円を挟んでいったりきたりで冴えない。
 ライバル、ローソンの株価は4,000円台で
堅調、配当も年70円と意欲的だ。

 同じマンションンの2階には
日本マクドナルドの店がある。
こちらは外食日本一だが、株価は
2,200円前後で低迷している。
ハンバーガーで新味を出して
撒き返しを図ろうとしているが
果たしてどうか。

 株価は全てでないが、
JR住吉駅南一角での三すくみの争いは
見ものである。(了)



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)

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神戸大空襲のかすかな記憶が残っている。

2005-03-18 08:35:33 | スケッチ
戦争のささやかな体験の一例・・・江嵜企画代表


神戸大空襲は1945年3月17日というから60年前の話である。

 神戸市内から東約8キロ離れた阪神電車青木駅そばの
祖母の自宅の中庭から真っ赤に焦げた夜景を見た。
 東の窓からは青白い色の夜景が記憶に残っているが
それは大阪空襲だった。

 近くは赤く、遠くは青く目に映るらしい。当時6歳の子供心にも
不思議な光景であり、いまもって記憶から消えない。
 祖母に連れられて神戸三宮の神戸の自宅の焼け跡を
見た。そのときの情景が今も鮮明に脳裡に焼き付いている。

 祖母が、あそこが台所、ひょろひょろと立っている管は
水道管だと教えてくれた。
 祖母が孫の私を戦争体験させてくれたお蔭で
こうしてかすかながら戦争を知ることが出来る。

 可愛がってくれたという叔父は当時ビルマ戦線で
戦死した。頭部貫通銃創という名前を覚えている。
 ところで、10年前神戸は大地震に見舞われた。
阪神青木駅は、空襲はまぬかれたが地震では
築大正8(1919)年の家は全壊した。

 震災のあと青木の知人は、震災より空襲の方が
はるかに怖かったと話した。
 青木には現新明和工業、当時の川西航空機深江工場で
ゼロ式戦闘機の部品を生産していたが、米軍の標的にされて
壊滅した。

 神戸は記録によれば、3月17日と5月11日、
6月5日と3回空襲を経験している。
 川西航空機が空爆を受けたのは亡父の
話では5月11日である。

 母校本庄小学校は川西航空機と道一つ隔てて
建っており当然の事のように米機の標的にされた
ようだ。

 三宮空襲のあと父を青木に残してわが家族は
姫路市の北10キロの奥の過疎村に縁故疎開した。
当時は学童疎開と縁故疎開があった。

 終戦の年(1945年)の12月に1年生のクラスに
戻ったが、小学校が修復したのは3年生の秋だったと
記憶している。
 当時校庭には焼夷弾の残骸がまだ積み上げられていた
ことを憶えている。

 青木の家の周りには「爆弾池」と子供仲間が呼んでいた
池がそこここにあった。はだしで池に飛び込んでガラスの
破片で足の裏を切ったあとがいまも残っている。

 青木の家の防空豪の記憶もかすかに残っている。
しかし、親戚の家族だけでなく、防空豪の中で命を落とした
人が多かったと聞く。

 焼夷弾も怖いが、1トン爆弾による被害の方が
はるかに大きかったことは十分想像出きる。
 阪神電車の踏み切り警手が爆弾でふっ飛ばされて
なくなられたとあとで聞いた。空襲警報が発令されても
電車は止められなかったのであろう。

 本庄小学校は震災でも被害を受けたが建てかえられ
当時の面影はない。
 新明和工業は、今は飛行艇を生産しているが
軍需工場の面影はない。

 青木の浜には時々潜水艦が出入りしているらしいが
表面的にはいまは平和そのものに見える。
 神戸が米軍の空爆の標的にされたのは、
神戸製鋼所、川崎製鉄、川崎重工業、三菱重工など
巨大な軍需工場が密集していたためである。

 川崎製鉄は戦後、千葉へ工場を移転して成功した。
現在は日本鋼管と統合してJFEHGとして高収益企業に
豹変した。

 神戸製鋼所は地震で壊滅的被害を受け、
神戸工場は閉鎖に追い込まれたが、幸いにも
降って沸いたような鉄鋼市況好転で会社としては
息を吹き返したのは神戸の人間としても喜ばしい
限りである。

 先の青木の知人は震災のあとなくなったが、
生前、彼は空襲の時は、頭の上から焼夷弾が降って
きた。爆弾が炸裂した。あのときのことを思い出すが
空襲は本当に怖かったと話していた。

 60年の歳月が流れていま日本という国は平和を
満喫している。(了)



Kenさんのスケッチは、ブログ容量の関係で削除させて頂きましたが、11月1日に、「かんぽう」さんから『ユニークに乾杯』というタイトルで出版予定です。定価2.000円。
ISBN978-4-904021-03-3  C0071 1905E 
株式会社 かんぽうサービス ℡06-6443-2173
大阪市西区江戸堀1-2-14 肥後橋官報ビル6F(〒550-0002)

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原油新高値更新、NYダウ下げる:原油問題ー

2005-03-18 08:23:19 | 経済学
学校で教えてくれない経済学・・・江嵜企画代表


 NYダウ平均株価は、3月16日、1%、112ポイント下げ、
10,633と、目先目標としていた11,000が再び
離れていく感じが強まりつうあるようだ。

 NYダウにこの日引導を渡したのは、
世界最大の自動車メーカー、GM株が14%
値下がりしてダウ平均を35ポイント引き下げたからだ。

 つれてBoeing2.9%安、DuPont2.6%,Home Depot2.2%
安と枕並べて討ち死にした。

 お茶の間には、毎日、NHKテレビニユースの終わりに、
その日の為替相場とともに、NYダウの上げ下げが
報道されるが気にとめてテレビを見ているひとが
その内なん人いるだろうか。

 ささやかでも株主になれば多少とも日本人の世界でも
NY株式に関心を持つだろうが欧米と比べてまだまだ
国民的スケールでNY株価が話題になっていないのも
事実である。

 1989年10月19日、NY株式は21%安と大暴落した。
この日が月曜日(Monday)であったことから、
Black Mondayとしてもよく知られている。

 GM(ジエネラルモータース)の昨日の14%、4.71ドル
下げはブラックマンデー以来最大の下げだったから
その与えた衝撃は甚大だったとウオールストリート
ジャーナル(電子版)は伝えている。

 GM株はなぜ下げたのか。引きがねを引いたのが
NY原油市場で、WTI軽質油相場が、バレル1.41ドル上げ、
56.46ドルへ史上最高値を更新したことである。

 お決まりのコースであるが、4月先物の金相場は、
オンス2.80ドル上げ、444ドルで取引を終了した。

 原油相場は、先週の米エネルギー省が、暖房用油と
ガソリン在庫が急減したとのレポートを材料にして
投機資金が流れ込んだためと石油アナリストは
説明している。

原油相場は、欧州市場で一時バレル57ドルをつけた後、
その後のNY原油電子取引で、56.97ドルまで値上りした。

 原油相場に先高観を生んでいる材料のひとつに、
1980年、中東戦争でつけた相場は、ドル安に伴う
ドルの目減りを勘案すれば93ドルに相当するから
まだまだ上値余地があるとの見方が指摘できる。

 GM株の値下がりは、ガソリン相場が再び
ガロン3ドル台で定着するとGMの売上利益とも
大幅にダウンするだろうとの見方から先回りした
売りが底流にあると見られている。

 GMは、1年前1株当たり利益を4ドルから5ドルと
予測していた。それが今年になってそれを
1ドルから2ドルへ大幅に下方修正したと
先のウオールストリート紙は紹介している。

 それでGM株は14%下げた。しかし、Ford株も4%安、
DaimlerChryslerは1.5%安とGMと比べれば下げは
まだ軽微だが、米国の投資家が自動車株全体の
先行きについて、ガソリン高騰それに伴う
自動車売上減予測の影が確実に忍び寄って
きていると肌身に感じているからだろう。

 低燃費のハイブリット車売れ行き絶好調の
トヨタ株はNYダウの大幅安にもかかわらず
微々たる下げにとどまったことが見事にその間の
事情を説明している。

 3月16日、イランのイスファファンで開かれた
OPEC総会で、目標生産枠を日量50万増やすと
決定した。しかし、彼らは既に70万バレルをオーバー
生産しているため、現在の過熱相場を冷やすに
なにひとつ効果がない。

 OPECの石油供給能力に限界があることにくわえて、
ロシアなど非OPEC生産国も筒一杯生産していると
伝えられる。
  

 原油相場の高値安定が続くとの見方は、供給サイドの
限界だけではない。需要面で中国、インドなどで消費に
ブレーキがかかる気配が見られないことが指摘できる。

 IEA(國際エネルギー機構)は、先週、中国の石油消費は、
2005年、7.9%、日量50万バレル増加して日量688万
バレルまで増加すると発表していた。

 中国などの需要増加を吸収するためには、最低
日量181万増やして843万バレルの供給が必要だと
IEAは予測したことも原油相場の買い材料として
働いているのだろう。

 原油が上げて、NYダウが下げた。NYダウが下げて
3月17日の日経ダウは100ポイント近く下げた。しかし、
原油相場高値更新も日本ではほとんど取り上げられ
ないのはなぜだろうか。

 そのひとつが、円相場が1ドル=104円前後で
落ちついているからであろう。

 3月17日、NY為替市場では、ドルは対円で104.49円から
104.16円へ下げた。しかし、ドル安の流れは変わらないとの
見方が根強いから原油相場がドルベースで過去最高を更新しても
被害を最小限度に食い止められているからだろう。
 
 3月17日、米商務省は、米国の2004年第4四半期の
経常赤字が過去最高の1,879億ドルと発表した。
同年第3四半期の赤字が1,659ドルへ上方修正されたが、
それをはるか上回る大幅な赤字拡大である。

 米経常収支赤字拡大はドル安要因である。
ところが、1,000兆円近い負債を抱えた日本の財政は
破綻寸前であると指摘される。

 にもかかわらず、どうしたことかドルは売られて
円が買われている。
 原油高騰を辛くも凌いでおれるのも
円が高いお蔭であろう。

 原油相場高値更新、NYダウ下げる。
 原油相場はなぜ上げ続けるのだろうか?
 NYダウはなぜ下げたのか?
 一人一人の日本人のこれから先の生活にとって、
 それはどういう意味を持つのだろうか?

 日本では、いまライブドアで持ちきりである。
新聞、テレビ、ラジオに公器としての自負があるなら
一人一人の日本人に分かり易く噛み砕いて教えて欲しい。(了)

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