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NY原油、60ドル台に戻すー学校で教えてくれない経済学

2005-10-22 10:38:45 | 経済学
10月21日、NY原油先物(WTI)相場は、ハリケーンWilmaがメキシコ湾岸の製油所操業に被害をもたらすとしてバレル60.63ドルまで戻した。一時59.15ドルまで下げていた。ただ、大方の石油アナリストは、原油相場は再び60ドルを割り、50ドル台半ばまで低下すると予測している。

一方、IEA(国際エネルギー機関)、Mandil専務理事は、原油在庫の増加は一時的であり、冬場のシーズン入りとともに再び石油需要は増加に転じる。その際は、不測の事態に対処して、現在実施している6,000万バレルの緊急備蓄原油放出継続を予定していると発言した。

同専務理事は、ハリケーンKatrina,RitaそしてWilmaと続いた米製油設備に与えた影響はいまだ十分には修復しておらず2006年にはいっても、稼働率低下状態が続くと話したとWSJ紙電子版(10月21日)は紹介している。

最近、石油節約の考え方が出ているが、人の記憶というものははかないものである。
早晩、石油ガソリンを人々は使い始めるだろう。世界的な石油供給不足状態はまだ「森を抜け出していない(We are not out of woods)」と話した。

米国は日量750万バレルを消費する世界最大の石油消費大国である。米国が本気で石油節約に取り組めるかどうかが最大のポイントであろう。中国、インドでの石油需要が落ち込む事態にならない限り、世界の石油需給は不足状態が続くであろう。

幕張で開催中の世界モーターショーでは、低燃費のハイブリッド車と低燃費のデーゼルエンジンオンパレードと報じられる。石油消費節約は結構なことだが、長続きするとは思えないと先のIEAのMandil専務さえ疑問視している。

石油の今の値段バレル60ドルが割安か割高かにはまだまだ議論の余地がありそうだ。米国の話であるが、車に乗らないと生活が成り立たない。ガソリンがガロン3ドルは高いが、最近のようにガロン2ドル台を再び割り込んでくると人間というのは実に勝手なもので財布の紐は当然緩むだろう。

中国、インドが60ドル原油をなりふり構わずがぶ飲みを続けるのはなぜなのか。安いに越したことはないがまだ石油の値段は割安と見ているからだろう。世界の景気が後退局面に入れば、心配しなくとも必ず原油相場は暴落するだろう。

産油国も米国も暴落は避けたい。石油消費国が買い続ける限り石油の値段は下がるまい。(了)

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