柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

葬儀の仕事6

2009年05月19日 | 葬祭スタッフ
初七日法要後の会食が終わると、喪主は親族を見送ります。
故人にお線香を手向けて帰り支度が始まりますが
喪主は返礼品、供物、花束などを親族に手渡してお礼をします。
喪主の多くは、この手順を知りません。
担当者が側にいて、お手伝いをします。

親族との挨拶は、そう簡単には済みません。
長話になる事もありますが、喪主にとっては親族の様子から
葬式を無事に終了した「達成感」を感じる時間でもあります。
先に挨拶を終えた親族のお見送りは、他のスタッフがします。
車の移動や手配、荷物の積み込みを手伝います。
二日間ですっかり親しくなった子供たちやご年配の方と
少しの間、歓談したりします。
このときに、親族から褒めていただけたりすると
クタクタになっていても又、元気が頂けるものです。

最後にご遺族が荷物をまとめられて
帰られるので、これもお手伝いをします。
ご遺族が帰られてから
ご自宅に届ける荷物を車に積み込んで担当者が
お届けします。

供花、供物、自宅用の返礼品、弔電、飾りつけた愛用品などです。

ご自宅に運び込み、遺骨や位牌、遺影写真を飾りつけ
お参りできるようにセットしします。

喪主様にお届けした品物を確認していただき
今後のするべきことを伝えます。
49日法要、位牌の支度、香典返し、諸手続きの説明などです。

看病、臨終、通夜、葬儀、火葬、初七日、会食と
気の張ることばかりが続いたご遺族は、お疲れなので
大切な説明だけして、早々に引き上げてきます。

式場では急いで後片付けがされています。
もし通夜が入っていれば、すぐに支度を始めなければ間に合いません。

葬儀終了後のご親族を追い立てずにお見送りしながら
次の葬儀の支度に駆け回る事は、日常茶飯事です。

担当者は、返礼品の総数を確認したり、請求書の内訳を再確認します。

一つの葬儀をお受けすると、葬儀スタッフはあうんの呼吸で動き回ります。
あるスタッフが、告別式の朝、こんな話をしました。
通夜を終えて自宅に着いたら、くたびれてコートを着たまま
つい横になって寝込んでしまったそうです。
午前4時に目が覚め、慌ててお風呂に入り
それから、告別式のナレーションを作っって、何とか間に合ったそうです。

この話を聞いていた同僚は皆、その状況が理解できました。
担当者はそのご家族にとって、一番いい別れの場を作ることに夢中になります。

チョット、粋がってない?
と言われそうですが、葬儀を職業にした人は、
基本的に優しい人、人の為に役立ちたい人が多いのです。

葬儀社によって、担当者が一貫せずに分業だったり
仕事内容が違ったりはしますが
とても、大変な仕事です。

でも私は、こんなに一所懸命になれる仕事をもてて
しかも、その場でお客様の反応がすぐにいただけるなんて
とても幸せな職業だと思っています。

「葬儀の仕事にプライドを持ちなさい。
あなた方は、それだけの仕事をしています」

これは私の口癖でした。

葬儀社は不透明で不要な葬儀価格はつけるべきではありません。
が、しかし、スタッフの仕事には価格をつけて請求すべき物で
十分のその価値があると思います。