柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

小さい葬儀社が、頑張ります

2008年10月05日 | 葬儀の世界
今日は日曜日。
夕方、笑点を見てたら・・・というより
台所しながら、聞いてたら
コントのなかで、葬儀の事前相談をしてるじゃありませんか。

へぇ~。
どれどれ、と覗いて見たら
サンドイッチマンが葬儀社とお客さんになって
危篤の親父の葬儀を相談してました。

100万円コースがありますけど
1000万円コースもあります。
金ぴかの祭壇です。

10万円コースもあります。
祭壇はみかん箱。
柩は発泡スチロールに氷詰め。
火葬場には電車で行ってもらいます。

なんて言ってるんです。
葬儀の事前相談がコントになるんだ。

皆が知っている情景だからコントになるんだ。
今や、事前相談は当たり前だね。

と、妙に納得してみてました。



今日は、葬儀社さん数社と新しい葬儀社の形を
検討する集まりがありました。

どうやって葬儀の依頼を受けるかは
葬儀社にとって大問題です。

特に小規模の葬儀社は
年々、厳しい状態になっています。

ところが、そんな状況でも
成長している葬儀社があるんですね。

そこには、成長する理由が沢山、詰まっています。

そういう葬儀社は、そのノウハウを惜しみなく提供します。

不思議です。

ちゃんと葬儀理念がある会社は
「勉強したければ、どうぞ聞いてください」状態なんですね。

という訳で
今日の検討会にわざわざ遠方から
自社の成長を話しに来てくれました。

そういう会社には
優秀なブレーンがいるんですね。

お2人の話を興味津々で聞きました。

それぞれに、やるべき事が見えてきたようです。

良いと思ったら、実行しないと
何も生まれません。

やってみてダメなら
他の方法を考えれば良いのです。

何もせずに
「困ったね」と言ってても始まらない。

小さな葬儀社が
どうやって、生き残っていくのか?
この、心意気がいいですね。
私も、陰ながら、サポートするぞ。

た・の・し・み!!!

お葬式でも、おしゃれがいいです。

2008年10月03日 | 喪服もおしゃれに
私が今まで関わってきた葬儀社のユニフォームは目立つ物ばかりです。

他の葬儀社は、黒っぽい物が多いんですよ。

私が始めてパートのオバサンで入った葬儀社は
女性のユニフォームはブルーグレーのジャケットとベストとスカートでした。
その頃はまだ、葬儀社の女性は黒の喪服を着てましたので
とても目だました。

そこで、私なりに気がついたんです。

お葬式の時って
遺族も、お手伝いしてくださる人も
会葬者も、全員が黒の喪服でしょ。

お客様が質問しようとしても
用事を頼みたくても
葬儀社のスタッフまで、黒いユニフォームだと紛らわしいじゃない!!!
スタッフは、お客様と同じでは、役に立たないんですね。

それから、何回もユニフォームを選んできましたが
全部、ひと目でスタッフとわかる物にしました。

コーヒーブラウンのジャンパースカートと同じ色のジャケット。
次は明るいグレーのジャケットと黒のスカート。

その次は
ジャケットは光沢のあるグレー系のツイード調、
黒のスカート
スカーフは黒とグレーの2枚あわせ

どれも、とてもおしゃれなユニフォームでした。
お客様からも好評で、どこにいても
ユニフォームを見て私達を見つけます。

男性は、ブルーグレーなどを作っていました。

私は、通常業務では、ユニフォームは着用させず
地味目の私服で対応してもらいました。

故人の大事な式なのにくたびれたり
汚れたユニフォームを着るのが嫌だったから。
葬儀社は、裏方もするし、忙しいと着たきりスズメで
ユニフォームが汚れています。
今度注意して見てみて下さい。

お陰で、全員がユニフォームの汚れには敏感で
いつもきちんとしていました。
それに、家で洗える素材の物を選んでましたので。

私はいつも、ユニフォームに着替えると
気持ちがピリ!としたし、プライドも一緒に着ていた感じです。



お客様の喪服にもいつも、目がいきましたね。

男性はピチピチの喪服を着ている人が結構います。
久しぶりに着たら太ってしまって、きつい。
ボタンが取れかかっていたり
ズボンの裾が落ちていたり

急に着るので、気が付かないままの人が多いんです。
その場で直す為「針と糸」は必需品でした。

女性はあせって、着替えてくると
黒いストッキングが伝線していたり
冬は静電気でスカートが足にまつわりついてたり
「エレガード」も必需品です。
スカートの裾から糸がほつれていたり

着物の喪服もトラブルがありましたね。
ご自分の喪服を持参した人は
腰紐がたりない、帯板がない、襟芯が入ってないなど
また、着物の喪服は結婚した時に持たされたまま
一度も袖を通してない人も多く
太ってしまって、着物の合わせが足りないとか
帯を締めたら、短くって結べないとか・・・ね。

草履は最悪です。
新品だと鼻緒がきつくて、痛くて、歩けなくなる人もいます。
ずっと履かずにいた草履は底がパカッて糊がはがれちゃう事も。


ずいぶん、応急処置をしました。


でも、おしゃれな喪服を着ている人もいるんです。
そういう人は
黒い服を組み合わせて、上手に来ている人です。
既成の喪服よりずっと、おしゃれな感じです。

男性も喪服の選び方がステキな人がいます。
ブレザーを上手に着ている人。
黒のドレスシャツを着ている人など。

皆さんも、一度、喪服の点検をしておきませんか?
そして、手持ちの服で喪服に出来る組み合わせを探してみませんか?



「お別れ会」がご縁でした

2008年10月02日 | 葬儀後の相談いろいろ
私がいつもお世話になっている司法書士の先生がいます。
まだ30代の若い女性の先生です。

葬儀を終えた方の名義変更などを御願いしてますが
若いのに、とても頼りになる人です。

彼女との出逢いは、ある女性Mさんの死がきっかけでした。

Mさんは40歳を過ぎてから勉強して司法書士の資格を取った方です。
遺族の方達が、葬儀後に時間に追われながら、悲しみを感じながら
故人の諸手続きをするのを見て
何とか少しでもお手伝いできないかと悩んでいた時
Mさんを思い浮かべたんです。

「葬儀後に手続きに困ったら、とりあえず相談してみてください」と
案内すると、思ったとおり多くの方が相談に行きました。
親切なので、皆さんに喜ばれました。

ある日、Mさんは入院をしたんですが
大変珍しい病気が発見されました。
心臓の癌でした。
手術を終え、退院したMさんは又、元気に働き始めましたが
この時すでに余命半年と宣告を本人、家族は受けました。

自分の事務所に助っ人を向い入れ、合同事務所を作る準備を始めます。
死の本を読みあさり、休みごとに家族で旅行に出かけ
終末期に入るであろうホスピスを見学し、そこで
ボランティアもしてみました。
火葬場も見に行きました。
私が死んだら、お葬式はしないで、ここに連れてきて火葬してね。
と家族に伝えています。

そして発病から8ヵ月後「どんなにわずかな望みでも捨てるわけにはいかない」
と再手術を受けますが、そのまま意識は戻らず、亡くなりました。
家族の手には、手術室に入る前にMさんが手渡した手紙がありました。

家族は、Mさんの希望通り、火葬だけしました。

しかし、Mさんの仕事仲間から、「みんなでMさんのお別れ会を開かせて」という申し出がご主人の元に入ります。
そして、その「お別れ会」を私がお受けしたのです。

会費制で土曜の午後に行なわれた「お別れ会」は、参加者が200名。
世話人の方と協力しての約2時間の会でした。

初めから、最後までご主人は号泣されてました。
実はこの日まで、ほとんど泣けなかったそうです。
亡くなってちょうど1ヶ月。
悲しみが押し寄せてきた時期だったのですね。
お嬢さんも、息子さんも同様でした。

Mさんは、私の忘れられない人の1人です。
「何でもやりっぱなしが多かったのに、最後は見事に納めきっていた。
 とにかく強い女でした。自分にとっては一番の飲み仲間、けんか相手でした」
ご主人が言われた言葉です。

Mさんはステキな人でした。

そのときの世話人の1人が、今お世話になっている
司法書士の先生です。
Mさんの助っ人として、一緒に事務所をするつもりで
合同事務所の案内状も刷り上げ、
発送する直前の死でした。

Mさんと同じように、遺族の方に優しく対応してくれます。
損得抜きで、無駄な事は薦めない方です。

Mさんがくれたご縁なんです。



お葬式セミナー

2008年10月02日 | sibatanoriko?
私は住まいの地域で「街の先生」という登録をしています。

今までの生活経験・職業経験を活かして、学習指導者として地域に役立たせる
ボランティア活動です。

教育、音楽、美術、書道、茶道、舞踊、家庭生活、手工芸、語学、文学、教養
市民生活、産業、技術、スポーツ等など

私の葬儀関係は、市民生活に分類されていました。

葬儀のコンサルタントとして独立し始めて、すぐに登録しましたが
この2年間、一度もお声がかからず「嫌われてるかな~」と
心配してましたが、今年になってお呼びがかかりました。

春頃に問い合わせが入り
その後立て続けに5箇所の申し込みがありました。

このヒットはなんでしょうか?

多分、葬儀が人生の一部として認知されてきたのでしょう。

今年の映画「おくりびと」の反響も同様ですね。

6月に最初の葬儀セミナー「今時の葬儀事情」を行ないました。

そして先週、区役所の広報誌で募集したセミナーがありました。

60代、70代の方が大半でしたが
とても好評で、反応の良さに驚きでした。

一般の方と葬儀の話しをすると
ほとんどの方が、間違った知識を持っています。

一番多い質問は
「病院で死ぬと病院に入っている葬儀社に、頼まなきゃならないでしょう」

「そんな事はありません。
病院と提携している葬儀社の仕事は
病室から霊安室まで故人を移動することです。
これは無料の仕事です。
その先、霊安室から自宅への搬送は家族が自由に決めていいんですよ。

この搬送から料金が発生します。
ですから、もし希望の葬儀社があるのなら
そこに連絡して迎えに来てもらうのが一番です。(割引があるかも!)
何箇所にも支払をするのは、面倒ですよね。」

この質問をされた方は
親戚で不幸があり、病院の葬儀社に自宅まで運んでもらったら
葬儀社がすぐに見積書を出して話し始めてたので
そのまま、家族は葬儀の打合せを始めてしまった・・・のだそうです。
その結果、不満足の葬儀だったそうです。

「葬儀社を決めてなかったら、どうしたらいいの?」と聞かれました。

「一度引き取ってもらい、家族でよく相談して
葬儀社に問い合わせしてみて、それから決めましょう!」と話すと

「どうやって断ったらいいの?」とさらに質問が。

「家族と相談して決めたいから、一度引き取ってください。
ここまでの料金は、後で請求書を送ってください」と言いましょう。

「その後、葬儀社はどうやって選んだらいいの?」と突込みが。

希望する葬儀社数社に
「親族20人会葬者80人で料理も返礼品も香典返しも
車両関係も平均的なものを使った見積を1時間以内に出してください。
と電話しましょう。
そのとき、親切か感じ悪いか観察を忘れずに!
出してもらった見積書を、見比べて判断しましょう。
ただし、値段だけで決めてはダメ。
見積書を見ながら、不明の点を質問して
答えと社員の対応で決めましょう」

「時間がかかると遺体は腐りませんか?」

「大丈夫!ドライアイスは24時間有効です」

2時間、葬儀の説明とこんなやり取りで賑やかにセミナーは終わりました。

最後に頂いたアンケートには
続きが聞きたいという声が多かったんです。

皆さん葬儀に興味があるんです。
しかし、葬儀を学ぶ場が与えられていない・・・という事なんですね。

年末から年始にかけて
後、3箇所で「街の先生」をします。

皆さんも聞きたくありませんか?
葬儀の話し。