柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

「お別れ会」がご縁でした

2008年10月02日 | 葬儀後の相談いろいろ
私がいつもお世話になっている司法書士の先生がいます。
まだ30代の若い女性の先生です。

葬儀を終えた方の名義変更などを御願いしてますが
若いのに、とても頼りになる人です。

彼女との出逢いは、ある女性Mさんの死がきっかけでした。

Mさんは40歳を過ぎてから勉強して司法書士の資格を取った方です。
遺族の方達が、葬儀後に時間に追われながら、悲しみを感じながら
故人の諸手続きをするのを見て
何とか少しでもお手伝いできないかと悩んでいた時
Mさんを思い浮かべたんです。

「葬儀後に手続きに困ったら、とりあえず相談してみてください」と
案内すると、思ったとおり多くの方が相談に行きました。
親切なので、皆さんに喜ばれました。

ある日、Mさんは入院をしたんですが
大変珍しい病気が発見されました。
心臓の癌でした。
手術を終え、退院したMさんは又、元気に働き始めましたが
この時すでに余命半年と宣告を本人、家族は受けました。

自分の事務所に助っ人を向い入れ、合同事務所を作る準備を始めます。
死の本を読みあさり、休みごとに家族で旅行に出かけ
終末期に入るであろうホスピスを見学し、そこで
ボランティアもしてみました。
火葬場も見に行きました。
私が死んだら、お葬式はしないで、ここに連れてきて火葬してね。
と家族に伝えています。

そして発病から8ヵ月後「どんなにわずかな望みでも捨てるわけにはいかない」
と再手術を受けますが、そのまま意識は戻らず、亡くなりました。
家族の手には、手術室に入る前にMさんが手渡した手紙がありました。

家族は、Mさんの希望通り、火葬だけしました。

しかし、Mさんの仕事仲間から、「みんなでMさんのお別れ会を開かせて」という申し出がご主人の元に入ります。
そして、その「お別れ会」を私がお受けしたのです。

会費制で土曜の午後に行なわれた「お別れ会」は、参加者が200名。
世話人の方と協力しての約2時間の会でした。

初めから、最後までご主人は号泣されてました。
実はこの日まで、ほとんど泣けなかったそうです。
亡くなってちょうど1ヶ月。
悲しみが押し寄せてきた時期だったのですね。
お嬢さんも、息子さんも同様でした。

Mさんは、私の忘れられない人の1人です。
「何でもやりっぱなしが多かったのに、最後は見事に納めきっていた。
 とにかく強い女でした。自分にとっては一番の飲み仲間、けんか相手でした」
ご主人が言われた言葉です。

Mさんはステキな人でした。

そのときの世話人の1人が、今お世話になっている
司法書士の先生です。
Mさんの助っ人として、一緒に事務所をするつもりで
合同事務所の案内状も刷り上げ、
発送する直前の死でした。

Mさんと同じように、遺族の方に優しく対応してくれます。
損得抜きで、無駄な事は薦めない方です。

Mさんがくれたご縁なんです。




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1 コメント

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働く女性の気持ち (ポンポンダリア)
2008-10-05 23:45:40
働く女性は、もちろん、生活やお金のことも大切ですが、同時に、何か、ポリシーを持っていらっしゃる方が多いと思います。
男性は、やはり、家族のために。とか、会社のためにとか。多いと思いますが、
女性で、いわゆるキャリアを持っていらっしゃる場合は、社会貢献や社会の何かに気づいてしまって、お仕事を続けるという方がいらっしゃるように思うのです。
案外、男性より大きな心があるのかも。
母性愛とかも関係しているのかなあ。
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