柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

高齢者の救急、読売新聞記事

2012年06月24日 | 尊厳死宣言とは
20日の読売新聞に記事が出ました

医療ルネッサンス、高齢者の救急
自然な最後 家族の選択

という見出しです

取材は1か月以上前なのですが
私が講演の中で父の最後を話したのを聞かれた記者の方が
父の時の延命の話で取材に来られました

私は父の時も義母の時も延命の選択を経験しています
色々な話の中で、結局、義母の話がとりあげられ
今回の記事になりました

義母はいくつかの持病があり何度も入退院を繰り返していました
そのたびに「もしもの場合、延命はどうしますか?」聞かれ
兄弟で話し合った末、無駄に延命するより自然な死を、と決めていました



少し呼吸が荒く入院した母でしたが
危険な状態ではないと聞き
一度帰宅しようと病院を出て間もなく
容態が急変したと連絡があり、すぐに戻りました

ICUにいた母は何事もないように寝ていました
周りに誰もいないのでナースセンターを訪ねると
母が死んだと知らされました
再度母の処に戻って初めて点滴も酸素マスクもないことに気が付きました

心臓がとまった時、速やかに医療行為が終了していたのです

「あ、そうか、延命をしないという事は、このような状態になるのだ」と理解しました

母が急変して私がICUに戻るまで10分くらいしかかからなかったのです

母を一人で逝かしてしまったけれど、きっと静かな死を迎えたのだと思いました
もし延命をお願いしていたら、母の周りはまだ慌ただしい光景があったはずです

家族や兄弟に連絡をし、母に付き添いながら
皆が集まるのを待ちましたが、私も穏やかに待っていたのを覚えています

いつか来る日、と覚悟していたことです

記者の方は、いろいろな角度から何度も丁寧に話を聞いてくださり
私どもの心情を書き記してくれました

どんな送り方をしても
遺族にとっては、なにがしかの後悔は残ります
でも、自然な最後を選んだことは、夫も私も後悔をしていません

今回の取材は、母の死を見直すいい機会になりました


最新の画像もっと見る