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柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

悲しい知らせ 遺族の死

2008年06月14日 | 悲しみのケア
ご遺族の方と、長年お付き合いをしていますが、
季節の折々に、絵手紙をくださるNさんが、亡くなりました。

今日、息子さんからお葬式の連絡を頂きました。

Nさんは、小柄な方ですが声は大きくて眼光が鋭い方です。
警察に勤めていたと聞き、なるほどと思ったものです。

「私が家を出たのは、何時何分ごろ」なんて、いつでも時間をチェックしていたのを、思い出します。

長い闘病生活をされた奥様が亡くなり、寂しい思いをされてたときに
私が「遺族の心を語る会」を毎月開き始めました。

家族を亡くされた方が集まって、自分の気持ちを正直に話せる集まりです。

その1回目から、Nさんは参加されました。

その会には多くの方が参加されますが、
時間と共に自分の生活を取り戻し、この会から卒業されていきます。

でもNさんは約6年間、参加し続けてくれました。

この会では、皆さんに「家族を失う」と言う共通点があります。

ご遺族は、葬式後に、自分の悲しみがとてつもなく深く、容易に立ち直れないことに初めて、気がつきます。

周囲から、かけられた慰めや励ましは、時として痛んだ心を傷つけるし
聞いてもらいたい愚痴や思い出は、まわりが受け入れてくれない。

その気持ちを、どこに出したらいいのか?

結局、家に引きこもり、誰にも話したくない・・・そんな心境になるんです。

同じ経験をした遺族同士では、お互いに弱っている処がわかるのか
安心して、自分の思いを話されます。

「ここに来ると安心」と思っていただける集まりです。

Nさんは、この会では中心になって過ごされていました。

「この会は楽しい。こんな葬儀屋があるんだな
ここで、俺は救われた」
こんな言葉を素直に出してくださる方でした。

奥様を亡くした悲しみを訴えて、涙ぐみ
定期便のように、葬儀社の事務所に立ち寄られ
体力維持にヨガに通い(葬儀社の教室です)
絵手紙を習い始め、何人もの仲間を誘い
何度も、病に倒れながらも
すてきなガールフレンド達に見守られて、再起したNさん。

とっても、とっても寂しいです。
涙がこぼれます。

今度は、本当にお別れなんですね。
深いご縁を頂きました。

奥様の元に、いらしてくださいね。
きっと、Nさんの頑張りをほめてくれますよ。

Nさんに逢えたことを、天に神に感謝します。