さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

ホープの価値を証明も、戴冠ならず 橋詰将義ドロー判定に泣く

2018-12-11 00:02:52 | 関西ボクシング



ということで、日曜の一部興行について。
まずは試合の感想から。それ以外にも少し。


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日本スーパーフライ級タイトルマッチ、奥本貴之vs橋詰将義。
歴戦の奥本に挑むは、新人王獲得後、雌伏の長かったホープ橋詰。
短躯の奥本、長身の橋詰のサウスポー対決です。

序盤、橋詰が積極的に出る。右リードから左。やや忙しなく打って出る。
左ストレート、右フック当てる。奥本は足を使ってジャブを返す。やや意外?な対応。
橋詰はロングの距離はやりやすいか。奥本のジャブも良いのは良いが。
1回橋詰、2回はやや橋詰、3回は奥本が出るが、橋詰が右ジャブ、左ストレートで抑える。

橋詰は若干、オーバーペースにも見えたが、徐々にリズムが整ってくる。
4回、上体を柔軟に動かして外し、足を止めてウィテカーのような防御も。
右リード、左ストレート、右ボディ、ショートも当てる。
5回、ボディの打ち合いになるが、ここでも橋詰がまさる。

前半、私は橋詰フルマーク。2回を逆にしても4対1。限界を超えて無理しても、3対2まで。
しかし途中採点、2-1で奥本リード。これは驚き。そんな見方があるのか、と。

6回、橋詰がボディ攻撃。奥本やや止まる。ダメージありと見える。橋詰。
7回、橋詰手数減らす。セコンドがあえて休ませたか?奥本。
8回、橋詰が左、奥本外してカウンター。橋詰ボディから上。奥本捌く。やや橋詰。
9回、打ち合いになる。互いにヒットあり。奥本カット、バッティングによる。やや奥本?
10回は橋詰が左当て、ボディに追撃。橋詰。

前半リードを前提に試合を回せるかと見えたところで、計算が狂った?橋詰でしたが、
後半も、前半ほどクリアではなくとも、リードはしていたと見ました。

私の採点は2回を逆にした採点でも、7対3で橋詰。同道した友人は8対2でした。
しかし公式採点は96-95(奥本)、97-93(橋詰)、95-95でドロー。

当然、自分の見方が完全に正しいとは言いませんが、あれだけヒットの数に差があって...
というのが、率直な印象でした。橋詰は何とも言い難い表情でリングを降りました。



この内容で、王座奪取ならなかった橋詰、あれだけリードしていたのだから、
もうひとつ効かせるパンチがあれば、と言えば言えるのでしょうが、
リーチと長身、スピードと柔軟な動きを最大限に生かして闘ったこの試合については、
最大限に称えられるべき、でしょう。

新人王獲得後、長らく「カタカナ選手」との試合が続き、昨年あたりからようやく、
日本人との対戦が始まり、その流れで組まれたタイトルマッチにおいて、
橋詰将義はホープとしての存在価値を証明しました。
結果はともかく、良いものを見たな、という満足が残る試合でした。


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メインは日本ウェルター級タイトルマッチ、矢田良太vs藤中周作。

共に強打と打たれ脆さを併せ持つ者同士、藤中が果敢に攻めかかるスタート。
互いにリードパンチを忘れ、右のパワーショットを狙い合う。
3回、矢田が右から左フックを返し、藤中がダウン。
しかし藤中立って、果敢に打ち返す。

両者、中盤も強打を振るい合うが、崩しや組み立てがなく、
いきなり決め手のパンチを打つばかりなので、当然そうそう当たるものでもない。
打ちたいパンチと当たるパンチは別なんやなあ、ということがよくわかる、そんな展開が続きました。

しかし、徐々に要所で右アッパーをのぞかせるなどした矢田が、
8回に右カウンターをヒット。9回、右フックでぐらつかせ、ストップとなりました。

ウェルター級らしい迫力ある攻防、と言っても嘘ではないですが、
あまりにも単調な試合展開でもありました。
矢田は相変わらずのパワーを見せ、今回は打たれ脆さも見せず、打ち勝ちましたが、
次に対戦するであろう帝拳のサウスポー、永野祐樹の堅実さと左強打は、
今の矢田にとっては非常な脅威だと思います。パワーで抑えこめるものかどうか...不安ですね。


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この一部興行は、やはり日本タイトル二本立てということで、狭い府立の地下は大盛況。
関東や中部からの応援団も大勢ご来場。通路の通行もスムースには行かないほどの状況でした。
まあ、この前日、第一競技場を一杯にしたK-1と比べたら、
何ほどのこともないのでしょうが。

で、その狭くて真っ平ら、段差のない会場で、相も変わらず椅子を揃えて並べてある。
当然、前の人の頭越しにリングを見ようとしても、非常に見にくい。

長年思っていたことですが、府立の地下で興行するプロモーターの皆様には、
椅子の置き方を、列ごとに半分ずつずらして置く、くらいのことはしてもらいたいと思います。
そうすれば、前の列の客の、肩と肩の間からリングが見えるんですけども。

ホールのような会場がない以上、そこはあれこれと知恵を働かせてほしいものです。
まあ、多分、観客のことなど、あまり真剣に考えておられないんでしょうけども、
一応これでも暇割いて、身銭切って見に行ってるんですからね。
言うだけ空しいかも、という徒労感もありますが、一応、善処を望みます、と書いておきます。

あと、試合中に通路を通行するのはご遠慮ください、というアナウンスも、やっていただきたいです。
これまた言うだけ...以下同文ですが、本当に目に余りますので。



コメント (2)
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