さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

和歌山のジムから初の全日本新人王 竹本雄利、MVP対決制す

2018-12-24 10:58:45 | 新人王戦




そういうことで年末の世界戦ラッシュと並ぶ、ボクシングファンのお楽しみといえば
なんといっても全日本新人王決定戦です。
今年もG+で全試合生中継、ありがたくTV観戦しました。
先週からBoxingRaiseやG+で生中継試合が続いていますが、それはまた後日として、
簡単にこちらから感想を。試合結果や経過はこの記事にも詳しく



ミニマム級、歴代最多のエントリー数があったそう。
東の芝沼智樹が果敢に出るが、西の竹田宙が下がりながら連打し、正確なヒットでまさる。
芝沼の攻勢を見る採点もあったが、2-1で竹田。妥当なところかと。

G+の実況、この試合に関しては無茶苦茶。右と左の区別もつかず、竹田のヒットは目に入らない模様。
お箸持つのが右で、お茶碗持つのが左やで、と思わずTVの前で独り言が出ました。



ライトフライ級、東のサウスポー亀山大輝がせわしなく手数出す。
長身の西、見村徹弥は左フックから右ストレート当て、亀山ダメージありか。
手数の亀山、正確さで見村という対比で、互いに好打もあったが、見村が上回ったか。
しかし採点は2-1で亀山。僅差はともかく、ひとりフルマークで亀山支持がいました。
ようそんなアホな、としか言いようがありません。後味悪い採点でした。



フライ級、東のサウスポー荒川竜平が、西の湊義生を初回、右フックでダウンさせる。
しかし正確なヒットではなく、引っかけた感じで、ダメージはなし。
2回、湊が再三右ボディストレートを入れ、このパンチが伏線となってか、
3回、湊がフェイント入れた後に打った、上への右ダイレクトが決まり、今度は荒川ダウン。
荒川立ったが、追撃の右で倒れ、キャンバスに頭を打つダウン。即ストップ、タオルも入る。

今年の西軍代表の中でも、注目選手のひとりだった湊、強烈な逆転KOでした。
今後は「ユースタイトルに行きたい。大成ジム...の選手が持っているので」とのこと。
選手の名前をど忘れしたか、名前が出てこなくて焦っていた模様(笑)
頭の古い私などは、世界でも日本でもないのか、と思いますが、まあ、段階踏んで、ということなのでしょうね。



スーパーフライ級、東の、というか北国、北海道畠山ジムのファイター、若木忍が
相打ち気味のタイミングで先手を取るが、西のサウスポー大橋哲朗がインサイドから正確に返す。
カチッとしたフォームを崩さず、最短距離を通るコンパクトな左ストレートを上下に散らし、
サイドステップも冴える大橋が、果敢に出る若木に打ち勝って、クリアな勝利。
非常に筋の良さが見える大橋、パワーがついてきたら楽しみな存在。



バンタム級、東の石川春樹が、左右に動きつつショートパンチで攻める。
西のサウスポー藤川祐誠は左を当て返す。
2回は石川が左アッパー、左フックの連打を決めるが、3回藤川ボディ攻撃。
4回も藤川が強引にボディを攻め、石川止まるが、右ヒットから連打。
競った印象だったが、ボディ攻撃の効果と攻勢で、2-0藤川。



スーパーバンタム級、長身対決。東の三尾谷昂希が、左突いて足を使う。
西、というか北陸カシミジムの英洸貴は右ダイレクトで先制。
見合いとクリンチが多い展開、三尾谷は格好だけ手を出すが当たらず、クリンチばかり。
せめて出した手が当たっていれば、まだ格好もつきそうなものですが。

英が単発ながら徐々にヒットを取っていて、英の勝ちかと思ったがドロー。
優勢点も2-1で割れたが、英の勝者扱い。
これでドローとは、如何なものか...まあ逆やないのが、せめてもの良心でしょうか?



フェザー級は東西MVP対決。共に強打を秘める者同士、スリリングな一戦。
東の峯田光が右で先制も、西のサウスポー竹本雄利が恐れず踏み込み、右フックでダウンを奪う。
左一発で二度目、さらに連打で攻め、ゴングと同時に三度目のダウン。
しかし2回、竹本もう一押し出来ず。峯田が苦しいながらも持ち直し、徐々に回復。
3回、峯田の右で竹本の左目下が腫れる。竹本は右ジャブで探らず、左を当てようとして、
しかし警戒が勝ってしまって、手数が減り、回復の余地を与えたところは反省点。
ボディに散らす攻めも不足。
しかし5回、互いにヒット応酬、竹本右ジャブがここで出て、連打も。

初回の貯金と最終回の攻防もあり、竹本の勝利。強敵相手の勝利は見事。
和歌山のジムから初の全日本新人王、しかもMVP獲得、まさに快挙です。



スーパーフェザー級、東の関島優作がコンパクトなワンツーを決める。
西の太田卓矢は2回、相打ち気味に右を決めるが、関島は右から左フック返しをヒット。
関島のスリーパンチがよく決まるが、太田も奮戦し、激しい攻防。
4回、太田はジャブから細かい連打で出るが、関島の右フックヒット。
5回、なおも太田奮戦、関島はカウンター取れず劣勢、初めて失点。

とはいえ、4回までは全部取っていて、採点は3-0で関島、クリアな勝利。
関島の実力と共に、心身ともにタフな、太田の健闘も光った試合。



ライト級、大柄な東、橘ジョージが、西の石脇麻生を両手で押しながら手数を出す。
押し合い、揉み合いの合間に、橘が巧みに手を出し、ヒットを取っていく展開。
石脇はボディ攻撃やジャブ、右のヒットを取るが、レフェリーのブレイクも遅めで、
どうにもやりにくそう。
体格でやや劣った印象もあり、クリアに打ち勝つ、という展開には持ち込めない。

それでも最終回の右ヒットからの攻勢などもあり、正確なヒットの数で、やや石脇がまさる、
という見方もありかと思ったが、判定は2-1で橘。いずれも48-47という数字でした。
結果は残念でしたが、石脇は良い素質を持っていますし、今後に期待です。



スーパーライト級、メキシコでアマチュア経験ありの34歳、東のサウスポー遠藤健太が、
元ラグビー選手の西、岡田翔真の入り際に左を合わせる好スタート。
岡田は右リードから入るが、右で相手の体勢を崩せず、反撃される。
2回、岡田が入って右から左を返すが、遠藤がそこに左カウンター。岡田ダウン、TKO。
岡田は果敢に攻めたが、遠藤の外して打つ強打がまさった一戦。



ウェルター級、マーク・ブリーランドばり?の長身、痩身、東の辻本純兵が、
4勝オール初回KOの35歳、西の松井敦史を初回早々、右アッパーから右クロスで倒す。
松井は元全日本社会人王者で、アマチュア歴が長いらしく、上体が立ったままで、
懐を取りに行くスタイルではない模様。辻本とのリーチ差を克服出来ず、
右の強打も4回にヒットがあったのみで、ジャブ、ワンツー、ボディブローを浴び続けた。
判定はクリアに辻本。抜群の体格を生かせれば、面白い存在。



ミドル級は、ナイジェリア人とのハーフ、東のワチュク・ナァツと、西の京原和輝が初回から打ち合い。
初回互いに右ヒット。2回、両者揉み合いつつ打ち合い、ヒットはあるが効果は薄い。
3回、京原の右連打、ナァツは左ヒット。京原ぐらつくが反撃。
4回京原やや疲れ。ナァツの左フック決まるが、散発的。

やや低調な内容、判定はドロー、優勢点でナァツが勝者扱いでした。



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ということで、全階級を見渡していえば、フェザー級で一番の注目だった、
峯田光の敗戦が驚きではありました。

西の竹本雄利は、こちらも西軍MVPだったとはいえ、予想はやはり峯田だったと思いますし。
しかし峯田の強打を恐れず、しっかり踏み込んで、鋭い右フックを決めて倒した先制攻撃には、
お見事、脱帽、としか言えません。和歌山から初の新人王獲得に拍手です。


軽量級は西軍が続けて勝ち、クラスが上がるにつれて東が巻き返す、という流れでした。
軽量級においては、本当に有力な新人がエントリーしていないという面もありましょうが...。
ことにアマチュア歴のある有力選手は、出場規定の変更などもあり、昔日の大会とは違い、
出場することがなくなっています。
その昔は川島郭志が決勝で負けたりしていたわけですから、だいぶ様子が違いますね。

まあ、その事実を踏まえたとて、若い、キャリアの浅いボクサーの奮戦ぶりは、
見ていて惹き付けられるものがあるわけ、ですが。
それはそれとして、やはり遠からず、この大会の存在意義は、見直される時期が来るのかもしれませんね。




コメント (2)
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