さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

功罪やや罪重し/早期切り捨て希望/突然の決定戦/返上返上、また返上/「状況固定」の退屈

2014-01-21 22:15:51 | 話題あれこれ

しばらく観戦予定もないので、話題あれこれと。

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WBCプレジデント、ホセ・スライマン死去

功績や業績は枚挙にいとまが無い反面、ボクシング界における「公」のモラルを破壊し、
人脈、コネ、よしみ、言い方は何であれ、様々な癒着、ご都合主義を団体運営に持ち込んだ人物でした。
その体制を何期何年か数えるのも面倒なほど長きに渡って維持し続けた間に、
世界のボクシング界は、取り返しのつかない変容を遂げ(てしまい)ました。

そのことに対する評価は死してなお、厳しくなされるべきである、というのが私の個人的な見解です。
功罪相半ば、という言葉がありますが、功四割、罪六割、というのが実感です。これでもやや甘いかもですが。


確か本田秀伸の世界戦の時でしたか、大阪の会場で、リングサイドで観戦していたとき、
メイン直前に目の前を歩いて行ったのを、間近で見たことがあります。
何というか「悪人面」が地球一周して帰ってきたような顔やな、と思った記憶があります。
良くも悪くも、そんじょそこらにいるような人間やないな、この人は、と。

まあ、私の見方はともかくとしても、毀誉褒貶かまびすしい人物でありましたが、
ボクシング界に絶大な影響力を持つ人物であったことは間違いないでしょう。
ご冥福をお祈りします。しかしWBCの今後は、どうなるんでしょうね。ちと心配です。

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IBF会長ダリル・ピープルズ、来日へ。

お馴染みの THE PAGE によりますと、件の「大阪コンフィデンシャル」の事情説明と釈明、謝罪のため
自発的に来日する、とありますが、デイリースポーツでは「JBCの要求に応じて」という表現です。

もしこれが、亀田プロモーション主導による来日であれば、また色々ややこしいでしょうけど、
JBCが「JBCを取り、亀田を切る」選択をIBFに強いるのであれば、感情的には嬉しい話ですね。
もちろん過去にも書いてきた通り、それだけで頬被りというのは、納得し難いですけど。

それにしても、この話、さっさと片付けてもらいたいものですね。
いうたってあっという間に2月です。村田のマカオ興行もすぐです。
4月には長谷川のみならず、その他のボクサーの試合もあれこれと話が出てくるはずです。
その前景気を煽る助走期間といいますか、その時期に、汚い名前をあれこれ話題にしたくないですし。

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お馴染みロッキー・フェンテス、遂に世界戦出場
IBF王者ムサレーンは、フライ級時代にドネアとも闘った強豪ですが、何故か王座返上。
挑戦者アムナット・ルエンロエンの対戦相手に急遽抜擢、とのことです。

それなりに「おお」と思う話題ですね、これ(^^)
奈須勇樹との初戦で初めて見て以来、何度も来日しては勝ち続けている実力者ですが、
なんと試合期日が明日。急なお話で...というどころの騒ぎじゃありませんね。
相手が元々試合予定だったことを考えると、極めて不利な条件ですが、
何とかベターな状態であってほしいと願うばかりです。

アムナットは、よく専門誌でも取り上げられていた、元トップアマで、
井岡一翔やゾウ・シミンにも勝ったことがあるのだそうですが、今回の試合時で34歳。
フライ級でこの年齢の世界王者って、あまり聞いたことがないです。
色々興味深いカードですね。明日ネットで見られるかなぁ...。

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戸部洋平戦が決まっていると報じられていた帝里木下、日本王座を返上

しかし今年は、カーニバル前の王座返上が多い年ですね。決定戦ばっかです。
これは四大王座認可のデメリットのひとつか、と思ったりもします。
帝里に関していえば、瞼の負傷が理由で試合が延びるのかな、と思っていたら、返上となりました。
おそらく、世界挑戦の具体的な話があるのかも知れませんね。

防衛回数自体は延びていたし、ランキングも上昇していましたが、
試合内容に関しては、日本王者として盤石とは言えないという風に見ていました。
ここらへんは大場浩平についても同様です。個人的には残念に思います。
未完成ながら素質は感じる、戸部洋平との試合で、
そういう私の辛い見方を覆してくれるかな、と期待してもいました。ちょと残念です。

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月曜日、WOWOWで放送ありました、やっと決まったリゴンドーの試合。
軽量級最高のスーパースターだったドネアに完勝しても、なかなか試合が組まれず、
やっとアグベコみたいな、名前のある相手と試合が出来たのに、さっぱり盛り上がらない。

客席は、どこの前座よ、というくらい空席だらけ。試合内容も高度なれど平板。
リングサイドの3列目くらいのとこでで、ガキ...もといお子様が、
なにやら携帯ゲームみたいなのに勤しんでいる様子が見えたのには、
さすがにこちらも開いた口が塞がらず...エキサイトマッチであんなの初めて見ました。

別にリゴンドー、何も悪いことしてるわけじゃないんですけどね。
腕から肩、そして背筋の強さから来る、強固な上半身の構えで相手を威嚇し、
それでいて柔軟で速い打ち出しの左を中心に、相手のヘッドムーブやサイドステップを
正確に捉え続けて無力化する、高度過ぎるほど高度なボクシングはまさしく驚異です。

しかし、それとわかっていても何故か退屈、見飽きてしまうのも事実です。
プロ転向直後は、もちろん相手の耐久力も違いましたが、もっと獰猛に相手を倒しに行く風に見えたんですが、
最近、すっかりセーフティーファーストになってしまっていて、しかし圧倒的に巧くて強いものだから、
先の展開が読めてしまうところがありますね。ああ、何も変わらんのだろうなコレ、という。

私は、プロなのだからお客さんを魅了するボクシングを、というような、ボクシング界に昔からある
お馴染みの常套句に対し、あまり共感を覚えなかった方です。
ボクシングは、勝つ、という意志と意志との激突であり、それが時に企まざるスペクタクル、
劇的な試合となることはあるが、ボクサーに対し、それ以上の要求をすることは筋違いであり、
さらにいうなら、選手自身の虚栄心、出世欲というようなものが、不自然に表現されるようなボクシングは、
少なくとも私の思い描くものとは方向性が違っている、と思っていました。

その考えは今でも、さして変わっていませんが、最近のリゴンドーの試合だけは、ちょっとその辺が揺らいでいます。
何というか「状況固定」の展開を作り上げることを、ボクシングにおける至高の芸術性であると考えているかのような
リゴンドーのボクシングを見ていると、いくらなんでもなぁ...と思わずにはいられないのです。

もちろん、ドネア戦でも思ったとおり、ボクサーが目指すボクシング、勝利の形は人によりさまざまなのだ、と
頭では理解していても、やっぱりこれは...まあ、余計なお世話かもしれませんけど、
次の試合がまたいつになるやら、という話も含め、本当にこれでいいのかなぁ、と。

まあ、違う意味で、その行く先が興味深い存在である、と思ったりもするのですが。
本当に、これからどないなるんでしょうね、このお方。


コメント (2)
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