豪州落人日記 (桝田礼三ブログ) : Down Under Nomad

1945年生れ。下北に12年→東京に15年→京都に1年→下北に5年→十和田に25年→シドニーに5年→ケアンズに15年…

城山三郎「大義の末」

2021-08-15 09:16:33 | 歴史
8月15日(日)晴
 
思想書『大義』に影響され予科練に志願した軍国少年・柿見は、理想とかけ離れた戦争の現実に深く絶望する。軍国主義を否定しておきながら、天皇の権威を再び政治に利用しようとする戦後社会で、人々と国家の変節に怒る柿見。なかったことにされた『大義』へ捧げた青春とそれを信じて死んだ友への想いから、破滅的な衝動に支配されていく。天皇制ファシズム警告の書。著者の城山自身は理工系学生であったため徴兵猶予になるも、大義のために帝国海軍に志願入隊。特別幹部練習生として特攻隊の伏龍部隊に配属になり訓練中に終戦を迎えた…。一昨日から終戦物の小説を3冊読んだ。
 
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