9月30日(日) 快晴
赤道祭
今回の航海では赤道を3回往復します。往復と言うのが変なら、6回通過します。しかし『赤道祭』は初回の今日だけです。甲板では色々な行事が行われています。赤道をはさんで北半球と南半球の綱引き。船の揺れをうまく利用した方が勝利を収めます。
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南半球の星座
昼は甲板食。赤道祭がにぎやかに執り行われた。この船は今度の航海中に3度赤道を越えて、3度戻る。最初の赤道越えは今日のケニア沖、2度目はベレン沖、3度目はエクアドル沖だ。しかし赤道祭は3度やるのではなく、今回1回だけだ。南半球に入ったとたんに乗客は南十字星探しを始める。図書室には星座表も天体に関する本も全くない。僕はフランス製のスターポケット(星座鏡)を持っているので貸してあげたが、理解できないらしいので、いつも図を描いて説明することになる。
オーストラリアは日本の反対側にあるので、星座が上下ひっくり返って見える。
日本から見ることのできない「南十字星」は天体全体に88個ある星座の中で、最小の星座で正確には南十字星「座」だ。それだけに形もまとまりが良く、明るく輝くので、見つけやすい星座である。見ごろはオーストラリアの秋から冬にかけて、宵のころ天頂近くに容易に見つけることができる。
この南十字星座の近くに少し大きめの形の良く似た十字型の星の並びがある。これは「ニセ十字」と呼ばれ、本物とよく勘違いされる。見分け方は、本物のそばにはケンタウルス座のアルファ星とベータ星という明るい2つの星が輝いていることだ。このアルファ星とベータ星の間隔を2倍進むと本物の南十字に突き当たる。
南十字の傾きは、天の南極を中心に、1日1回転しているので時刻によってその位置が変わる。なお、北半球と違って、天の南極に「南極星」なるものはない。そこで真南を知りたい時には、南十字の長い1辺のガンマ星とアルファ星を結んで、アルファ星の方向に5倍伸ばした点が天の南極である。
南十字に接してコールサック(石炭袋)と呼ばれる真っ黒い部分がある。オーストラリアの先住民のアボリジニはこれを珍鳥エミューが卵を抱く姿と見ている。
夜空のきれいな郊外で南の空を見上げると、よく晴れているはずなのに、大小2つのクモがぽっかり浮かんでいるのに気づく。これは、大マゼラン雲、小マゼラン雲という天体である。地球がある銀河系と同じく星の大集団で、世界1周航海中のマゼランが発見したものだ。
蛇足だが、マゼランは世界1周航海はしていない。彼はポルトガル人だが、1511年に喜望峰を越えて東回りにモルッカ諸島まで行った。ポルトガル王に嫌われ、スペインに移住し、1519年5隻の船に270人の乗員でセルビアを出航し、西回りの航路を進んだ。1520年、マゼラン海峡を通過し、1521年、モルッカ海峡より西に位置するフィリピンで現地人に殺された。これをもって人類初の世界1周航海とされている。船団は1522年、1隻の船で18人の生き残りがセルビアに戻った。彼らが本当の世界1周航海者である。
読書:「NGO大国」 斎藤千宏
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