非国民通信

ノーモア・コイズミ

昨今はタチの悪い非自民党の政治家が多いと思う

2010-02-18 23:01:09 | ニュース

英国も真っ青な“ゆりかごから墓場まで”(日刊ゲンダイ)

「生活保護世帯」は平成20年度段階で全国に114万8766世帯も存在します。前年比3.9%増。総世帯数の2.39%に当たり、平成4年度以降、増加の一途です。

(中略)

 職員85人をケースワーカーとして配属する尼崎市では、1人が127所帯も担当する状況です。一旦、受給開始した世帯が生活保護廃止に至る比率は毎年、全体の1割程度に留まるからです。

 而(しか)も、大半は死亡に伴う保護廃止。収入増を理由に生活保護から“脱却”する世帯は、尼崎でも全国でも10%前後なのです。何故でしょう? 「働きたくても働けない」改め「働けるけど働きたくない」甘えを増長させる、至れり尽くせりな厚遇福祉制度だからです。

 さて、今日は一部の民主党支持層が絶大な信頼を寄せる日刊ゲンダイです(民主党支持者はもう少しメディア報道への懐疑心を持つべきだと思います)。今や政府与党の御用新聞と言えば産経新聞ではなく日刊ゲンダイでもあるわけですが、今回の記事はいかがでしょうか(まぁ引用したのは日刊ゲンダイの記者ではなく田中康夫が書いた箇所ですけれど)。どうやらケースワーカー一人あたりの担当世帯が多い理由を生活保護廃止に至る比率の少なさに求めているようです。受給者は増えるばかりで一向に減らない!と。

 う~ん、社会の貧困化が進めば生活保護世帯が増えるのは当たり前で、本来であればそれに合わせて担当者も増員しなければいけない、しかし公務員は問答無用で削減しなければならないというのが半ば常識と化しているわけです。受給者は増えているのに、しかるべく担当人員の補充をしないばかりか人員削減に踏み切れば、一人あたりの担当世帯は増えるしかないですよね? しかも自民党は民主党に比べればまだマシだったと言うべきか、公務員削減に関しては民主党の方が積極的かつ無批判ですから(参考)、この傾向は今後も加速されていくはずです。ところが日刊ゲンダイ及び田中康夫的には、保護廃止の比率が低いからだ、ということになっているようです。

 では保護廃止がなぜ少ないかというと、田中康夫の語るところでは「『働きたくても働けない』改め『働けるけど働きたくない』甘えを増長させる、至れり尽くせりな厚遇福祉制度だから」とのこと。何か根拠があっての話なのでしょうか。ただ世間の偏見に乗じているだけにも見えます。どこの政党でもメディアでもカルト的性格が強まるにつれ同じ世界観(偏見)を共有している人々の間でしか通用しないことを言い出すものですが(政権交代前なら産経新聞が、今であれば日刊ゲンダイがまさにそうですね)いかがなものでしょう。上述の『説明』は全く根拠のない思い込みに過ぎません。ただ生活保護世帯への偏見を田中康夫と共有している人にとっては、そのまま頷ける説明になるのかも知れません(例えば生活保護の不正受給が蔓延っている~みたいな脳内設定と現実を混同している人からすれば田中康夫のヨタももっともらしく聞こえてしまうのでしょう)。

 モデルケースとして厚生労働省が示す夫33歳・妻29歳・娘4歳の世帯に適用される月間生活扶助基準額は16万2170円。20~30代の単身者でも月額8万3700円。そこに住宅扶助も加算されます。更に、医療費は全額無料。子供の学用品、学級費、給食費、交通費も扶助対象。出産扶助、葬祭扶助も用意されています。これぞ正しく、イギリスも真っ青な“揺り籠から墓場まで”。更には、生業扶助と称して、自動車運転免許の取得費用も全額国庫負担の摩訶不思議振りです。

 子供のいる世帯で16万2170円、独身でも8万3700円が恵まれているとは考えにくいですし、そもそも現実の生活保護受給者は何らかの疾病を抱えているケースが多いことを鑑みれば医療費の扶助は当然(これがなければ金銭的な理由から治療を受けれられなくなる、健康を回復して社会復帰する可能性も閉ざされてしまいます)、また自動車免許の有無で就業できる範囲に少なからぬ差があることを考えれば、自立支援の意味でも免許取得費用の補助は合理的と言えます。加えてイギリスが“揺り籠から墓場まで”と言われていたのは何十年前の話だよと突っ込みたくもなりますが、仮に日本の生活保護世帯が恵まれているとしても、それを受給できるのが貧困世帯の15~20%程度に過ぎないことをどう考えているのでしょうか。

 他方で日本では現在、年間所得が100万~200万円に留まる世帯が全体の12.6%。200万~300万円が12.8%を占めています。詰まりは、「働いても一向に苦しい」勤労者よりも恵まれた不労所得環境が、厳然と存在するのです。

 ……で、ワーキングプアより生活保護世帯の方が収入が多いことを問題扱いすることで、働いても生活保護世帯以下の収入しか得られない就労環境の存在はあっさりと流されています。田中康夫的には、どう頑張って働いても生活保護水準以下の給与しか得られない人々が1000万人以上いることではなく、生活保護世帯が114万世帯存在することの方が嫌なのでしょう。真っ当な政治家なら貧困世帯の大半が社会保障の対象から外されている現状に心を痛めても良さそうなものですが、運良く社会保障の対象に収まることが出来た人々を「働けるけど働きたくない」と根拠なく決めつけ、「不労所得環境」と呼んで悪者に仕立て上げることにばかり熱心なようです。そもそも、これだけ低賃金労働が街にあふれているのなら、生活保護世帯がいざ就業したとしてもその収入はどれほどでしょうか? キャリアに欠ける生活保護受給者が高給の職に就くのは至難です。就ける仕事となると、生活保護水準以下の給料しかもらえない仕事になってしまうことも考えられます。薄給の仕事はたくさんありますから! しかるに生活保護水準以下の収入しかないと、就業しても生活保護が減額されるだけで即時廃止には至らない、だからこそ収入増を理由とした生活保護の“脱却”はレアケースに止まるのでは……

 にも拘(かかわ)らず、財政難に直面する全国の自治体から悲鳴の大合唱が生まれないのは、どうしてでしょう? 答えは簡単。尼崎市に於(お)いては年間270億円に上る生活保護扶助費の95%は、交付税措置も含めて国庫負担。危機感は生まれません。

 現状で生活保護を受給できるのは貧困世帯の1~2割、だから貧困世帯の内のごく一部、せいぜい1~2割しか面倒を見なくて良い、残る9割近い貧困世帯は放っておいても良いと言うのであれば自治体側の負担など軽いものです。全貧困世帯に健康で文化的な生活を保障しようともなれば結構な手間と費用がかかりますけれど、現状の貧困補足率のままで済むのなら楽なものです。一方で田中康夫は生活保護費の国庫負担率が高いから、自治体の負担が少ないからだと説明しています。しかるに大阪市などは自治体独自の判断で生活保護を打ち切りに出来るよう検討しているわけで(保護費の25%程度が市の負担/参考)、氏の説明が当てはまるケースが多数派であるかどうかは甚だ疑わしいところです。

 加えて、与野党を問わず大半の既存政党にとっても、生活保護世帯の善男善女は有り難き票田。斯(か)くて、良心的な福祉事務所職員は、次年度も生活保護世帯認定を迫る有形無形な力の狭間で、苦悩しているのです。

 そして最後がこれです。もはや何が言いたいのかわかりません。生活保護認定によって、どこか特定の政党の票が増えるとでも言いたいのでしょうか。「既存政党」と言うからには、自民、民主、公明、社民、共産辺りを指すことになりそうですが、それぞれ5つの「既存政党」に票が流れたとしても、別に何も変わりませんし。新党日本だけは損をするとでも思っているのだとしたら、被害妄想家ぶりも大したものです。「生活保護世帯認定を迫る有形無形な力」とやらを敵に見立てているようでもありますが、じゃぁ生活保護申請の阻止に血道を上げる現実の自治体は田中康夫にとっては「同志」なんでしょうかね。

 

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遺憾に思うほどのことじゃあるまい

2010-02-17 22:56:26 | ニュース

国母の乱れた服装で苦情殺到 JOCに電話やメール(共同通信)

 バンクーバー冬季五輪スノーボード・ハーフパイプの国母和宏選手(21)が服装に乱れがあったとして日本選手団の入村式出席を自粛した問題を受け、日本オリンピック委員会(JOC)に苦情の電話やメールが殺到していることが12日、分かった。内容は「スポーツマンらしくしてほしい」「国民の代表としてあり得ない」など厳しいものが多く、国母選手の服装やスタイルに理解を示す内容は少ないという。

 社会人ってのは、どちらかと言えば大学生よりも中学生に近い存在です。大学ではご無沙汰だったのに、朝礼とか各種当番とか名札とか中学校時代の風習を会社に入ってから再体験することになった人も多いと思います。服装について口うるさく言われるのも同様でしょうか。大学生だったらとやかく言われないものですが、中学生だったら着衣の乱れにも何かとうるさいですよね。そこで学校指定ならぬ協会指定の制服を、なんとも中二病っぽい着方をしていた選手がいたようで、それが何かと取り沙汰されているわけです。当初から過剰反応の傾向は見られましたが、他に話題もないのか次第にエスカレートして……

国母の母校に「殺すぞ」メール、別便帰国など検討(スポーツニッポン)

 国母が所属する東海大スキー部の相原博之監督(48)は15日、バンクーバーに向け出発することになった。現地の練習会場などでスノーボードの萩原監督ら全日本スキー連盟(SAJ)、JOC関係者に会って一連の騒動について謝罪する。国母本人と対面できるかどうかは不明だが、相原監督は「会うことができたら指導したい」と話した。

 今回の問題で大学に寄せられたメールの中には「殺すぞ」「帰ってこなくてもいい」など過激な内容も含まれているという。そのため、五輪終了後についても、予定通りチームと一緒に帰国させるか、別便での単独帰国とするか、あるいは大会を転戦してから後日帰国させるか――など、あらゆる可能性の中から最善の方法を検討することになる。

五輪スノーボード:国母選手の応援会中止…東海大(毎日新聞)

 バンクーバー五輪のスノーボード・男子ハーフパイプ日本代表、国母和宏選手(東海大)の服装が乱れていた問題を受け、東海大は15日、札幌市南区の札幌キャンパスで予定していた国母選手の応援会を中止すると発表した。同大広報担当は「服装の問題や会見時の態度などで、多くのおしかりを受け、本学としては心から応援できないと判断し、自粛することにした」と話した。

 この程度で「殺すぞ」とか脅迫メールを送る神経もどうかと思いますが、それで応援を自粛する東海大学もアレですね。警察に通報するなどの毅然とした対応を見せても良かったのではないでしょうか。例えば拝外主義者のヘイトスピーチなんかでも、早い段階で一蹴されていればそんなには広まらないものですが、彼らを恐れて周りが同調するような態度を取ると一気に波及してしまうものです。一昨年の国籍法改正の時など、ちょうどそんな感じだったのではなかったでしょうか。その点では協会や大学側の、今回の対応には首を傾げてしまうわけですが、では我らが政府与党はと――

スノボ国母選手の「服装の乱れ」 文科相「極めて遺憾」(朝日新聞)

 川端達夫文部科学相は15日の衆院予算委員会で、バンクーバー冬季五輪のスノーボード・ハーフパイプ代表の国母(こくぼ)和宏選手の「服装の乱れ」について「こういうことは二度とあってはいけない」と厳しく批判した。自民党の下村博文氏の質問への答弁。

 川端氏は「ファッションという意味ではそういう服装もあるのかもしれない」と述べたうえで、「国民注視のもとでオリンピックが開かれ、日本選手団が日の丸を胸に参加した時に、代表として適切でない服装をしたことは極めて遺憾だ。コーチも指導していただきたかった」と述べた。

 国母選手が記者会見で「反省してま~す」と語尾を伸ばして語ったことにも「みんなの期待を受け国を代表して参加しているという自覚が著しく欠けていた」と述べた。

 曰く「こういうことは二度とあってはいけない」だそうです。そんな大したこととは思えないのですが、川端文科相としてはバッシングの盛り上がりにきっちり同調して見せる必要性を感じていたのかも知れませんね。ある意味、これも民意を重んじる姿勢の現れなのかも知れません。そもそも「代表として適切」な服装とは何なのか(北朝鮮のマスゲームのごとく、国家から命じられた通りに一糸乱れず行動することでしょうか)。加えて「みんなの期待を受け~」とのことですが、私は別に期待した覚えはないわけで、じゃぁ私は文科相の言う「みんな」には含まれていないのか等々、突っ込みたくなるところは多々あります。でも文科相的には良識を示したつもりの答弁なのでしょう。

 元よりそう極端に注目度の高い選手ではなかったように思うのですが、バッシングのネタが出てきたことで俄に注目しだした人も多いのでしょう。決して最初から注目していたわけではないはず、川端文科相だって後から知ったに過ぎないはずです。昭和天皇よろしく「あっそう」とか、「元気があっていい、まだ正常に近い」とでも流しておけば済むような話なのに、「極めて遺憾」などと言い出してしまうわけです。各種の実権を握る与党の政治家まで同調圧力にあっさり靡いてしまう様は、何かと薄ら寒いものを感じます。

 

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自民党の路線を踏襲する民主党

2010-02-16 22:52:52 | ニュース

 昨今は小沢一郎が「古い自民党」の象徴みたいに語られることも多いですが、実際はどうなんでしょうね。彼がまだ自民党に在籍していた頃、小沢は自民党の保守本流に属する政治家だったのでしょうか、それとも本流から離れた改革派の政治家と見なされていたのでしょうか。例えばエロ拓こと山拓など外交面では対話路線の政治家として昨今の自民党にあってはハト派と目される部類ですが、元来は「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」や「防衛族」でならした人です。自民党の極右化があまりにも急激であったために、いつの間にか防衛族が相対的なハト派になってしまったのかも知れません。小沢も似たようなもので、民主党があまりにもカイカク路線に傾倒しているが故に、小沢一郎が相対的に「古い自民党」的なものに見えているのではないかという気がします。まぁ、金銭感覚に関しては古い自民党そのものなんでしょうけど……

国家公務員削減「3万5千人以上」枝野刷新相(読売新聞)

 枝野行政刷新相は14日のテレビ朝日の番組で、国の出先機関の統廃合に伴う国家公務員の削減について、「3万5000人以上」を目指す考えを表明した。

 刷新相は今後、原口総務相ら関係閣僚とも協議したうえで、政府が今夏に策定する「地域主権戦略大綱」に、出先機関改革の基本方針を盛り込む方針だ。

 刷新相は、政府の地方分権改革推進委員会が麻生前政権下の2008年12月の第2次勧告で、出先機関の統廃合によって職員約3万5000人の削減を目指すとしたことに触れ、「自民党時代にこの数字が出たのだから、国民の期待はこれがスタートラインだ。期待に応えないといけない」と述べ、前政権以上の目標を目指す考えを示した。

 統廃合の対象については、「税務署とか海上保安本部は地方に必要だが、(予算の)個所付け的なことを決める出先機関はいらない。地方で決めればいい」と述べた。主に国土交通省の地方整備局などが対象となるとの考えを示したものだ。

 一方、小沢とは距離があると目されている一人である枝野行政刷新相の発言です。こちらはいかがでしょうか、「自民党時代にこの数字が出たのだから、国民の期待はこれがスタートラインだ。期待に応えないといけない」とのこと、つまりこれが意味するのは「自民党路線の継続」です。自民党が決めたことをスタートラインとし、自民党が決めた方向へと突き進む、それを自民党以上の規模で実行すると、そう明言しているのですから。もし民主党が自民党の否定の上に立っているのなら、自民党が決めた路線(公務員削減=小さな政府)から転換しなければなりません。しかし、枝野が主張しているのは路線の継承であり、それはすなわち自民党路線の肯定と強化であると言えます。

 官邸主導が政治主導と呼称を変え、そして公務員削減は自民党プラン以上の規模で! 民主党の公約である議員定数削減だって、削減の方向性に関しては自民党も同意するところ、違いと言えば民主党の方がより大規模で性急な削減を企てているくらいです。要するに民主党とは小泉以降の自民党をより先鋭化させた政党である――そう評価するのが妥当なところではないでしょうか。民主党と自民党との違い、それは方向性の違いではなく、強度の違いに過ぎません。そしてより過激なのは、極右に傾倒して失速した自民ではなく、かつて小泉カイカクを支持した有権者を取り込んだ民主党なのです。

 自民党と政治理念の相反する政党が選挙で勝ったのなら、「自民党時代にこの数字が出たのだから、国民の期待はこれがスタートライン」なんて発想は出てこないはずです。有権者にそっぽを向かれた自民党の削減プランなど撤回して、逆の方向性を検討したっておかしくないでしょう。つまり自民党案とは反対に、少なすぎる公務員を増員する等々。しかるに総理大臣お墨付きの新閣僚は、自民党が定めた方向性を「スタートライン」と位置づけ、その発展的継続を明言しているわけです。いい加減、民主党は自民党よりマシ~なんて言うのは終わりにした方が良いのではないかと思います。小泉以来のカイカク路線の支持者がそれを言うなら的外れではありませんが、構造改革に否定的な立場からすれば、民主党の方がむしろタチが悪い部分を持った党なのですから。

 

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格付け会社は間違っていない

2010-02-15 22:52:19 | ニュース

「外国に影響されるアホみたいな日本人多い」亀井金融相(朝日新聞)

 亀井静香金融相は12日の記者会見で、外資系格付け会社が日本の長期国債の格付け見通しを引き下げたことに関連して、「日本人は外国に影響されちゃう。アホみたいなのが多い」と述べ、格付けのあり方や、国民の受け止め方に不満を示した。4月から、金融相は格付け会社の監督権限を持つことになっている。

 亀井氏は「日本国債は90%国内で消化していて、外国で消化している話ではない」と指摘。その上で「国債の格付けに対して、実態に合っていないと注意喚起することも大事かもしれない。勝手に格付けを決めて、それで影響がでたって格付け会社が尻ぬぐいするわけじゃない」と批判した。

 亀井大臣ですが、つい先日も国民はアホみたいなことを言っていましたね。前回は世論の大勢が小沢氏の責任を追及する方向に傾き、民主党サイドの唱えるシナリオに国民が乗らないことを憤っての発言でしたけれど、今回は格付けがらみですか。どうせだったら選挙の時にも「国民はアホ」と公言してみても良かったのではないでしょうか。なにしろ有権者は国民新党に冷ややかな目を向けたのですから。あの選挙結果はアホな国民がマスコミに踊らされた結果だ、ぐらい言ってみたらいかが?

 それはさておき、米S&P社による日本国債の格付け見通しが「ネガティブ(弱含み)」に引き下げられたそうです。ただし格付け自体は21段階中で上から3番目の「AA」に据え置きとのことで、そこまで酷いランキングではなさそうにも見えます。むしろ自ら先進国の座を放棄しようとしている日本の経済状況からすれば、まだまだ好意的な評価と言ってもおかしくないくらいです。日本以外の国が軒並み順調に景気回復に向かう中、例外的にデフレどん底の日本であるにも関わらず格付けが「AA」で据え置かれたのであれば、客観的には「まだまだ安全圏」とのお墨付きが下されたようなものでしょう。

社説:日本の債務懸念は行き過ぎ(フィナンシャル・タイムズ)

 こうした異常な数字を簡単な説明であっさり片づけることには慎重になった方がいい。だが、いくつかの基準からして、日本は他国と異なる。第1に、債務総額の水準はミスリーディングだ。国が持つ資産を差し引いた日本の債務は、GDPの100%に満たない。

 第2に、国債の元利払いのコストは低く、GDPの1.3%程度だ。これに対して、米国はGDPの1.8%、英国は2.3%、イタリアは5.3%に上っている。第3に、日本の財政には手を尽くす余地がある。何しろ、消費税率はたったの5%だ。第4に、日本国債の95%は国内投資家が保有しており、気紛れな外国人投資家には影響力がほとんどない。

 実際、今もって日本の問題は過剰貯蓄なのだ。銀行は膨大な預金を抱えており、どこかに投資する必要がある。当面の間、政府は日本国債の買い手の確保に苦労することはないだろう。日本の債務問題は、家族の中で解決されていくのである。

 要するに、日本は今のところ、まだ財政のブレーキを踏む必要はないということだ。むしろ、もう少しの間、緩和型の財政政策を通じて景気回復を確かなものにした方がいい。ただし、ある一点において、日本は慢心しすぎている。デフレとの戦いがそれだ。

 フィナンシャル・タイムズの主張と日本の経済誌の主張は180°異なることが多いです。昨年の今頃「国民の消費を刺激する真の財政出動に加えて、企業が非生産的な資金を内部留保しないよう政府が止めさせる必要がある」と主張していたのもフィナンシャル・タイムズでした。日本の「経済に詳しいフリをしている人」は雁首揃えて「内部留保は使えないお金なんだ」と大合唱していましたが、海外の経済誌とは見解が異なるようです。もしかしたら外国の経済誌は日本の経済誌と違って意見が一様ではないのかも知れませんが、ともあれ海外メディアの代表的な一つであるフィナンシャル・タイムズに言わせれば「日本の債務懸念は行き過ぎ」とのことです。「国民一人あたりの借金額は~」が定番の国内メディアとは正反対ですね(ただしFT紙が日本の消費税とイギリスの消費税の違いを見落としている点、税収に占める消費税の割合は日本と欧米諸国でもそう極端な差がないことを見落としている点は指摘せねばなりませんが)。

 亀井氏は国民はアホ云々の後で「国債の格付けに対して、実態に合っていないと注意喚起することも大事かもしれない」とも語ったわけですが、「日本だけデフレ」「日本だけ不況から脱出できない」という状況を考えれば「弱含み」は致し方ないところでしょう。これだけ経済情勢が悪化しているのに格付けが現状維持だったら、今度は格付け会社の方が信用できないということになります。太平洋戦争中だったら「連戦連勝」と嘘でも景気の良いことを並べ立てられたかも知れませんが、そういう時代ではないということを亀井氏は自覚すべきです。

日本国債の格付け見通し引き下げ 米社、財政再建に懸念(朝日新聞)

 米格付け会社のスタンダード&プアーズは26日、日本の長期国債の格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」(弱含み)に引き下げた。鳩山政権の政策では、財政再建が従来の予想より遅れると判断したという。発表直後の午後4時ごろには、東京外国為替市場の円相場が1ドル=89円60銭から90円30銭付近まで急落した。

 同社は「日本政府の債務負担は格付け先の中で最も重いグループに属している」と指摘。そのうえで、政権交代後の一連の政策について、「中期的な経済成長見通しの向上を見込みにくい」とした。格付け自体は「AA」に据え置いたものの、「中期的な成長戦略がとられなければ、格付けを1段階引き下げる可能性がある」としている。

 市場では、日本国債の9割超を国内投資家が保有することもあり、影響は限定的との見方が大勢だが、「中長期的には財政再建の道筋が必要だ」(民間エコノミスト)との懸念も出ている。

 そもそも格付け会社側は「中期的な経済成長見通しの向上を見込みにくい」「中期的な成長戦略がとられなければ」という観点から見通しを引き下げているわけです。それなのに日本国内のエコノミストは「中長期的には財政再建の道筋が必要だ」と語る――つまり海外からは経済成長の欠落が指摘されているにも関わらず、日本国内では財政再建の問題にすり替えられているのです。まず亀井氏が憂慮すべきはそうした動き、海外からの問題提起を財政再建論にすり替えようとする輩ではないでしょうか。格付け会社は財政再建しろと言っているのではなく、経済成長しろと言っているのですから。そして問題を財政再建論にすり替えようとする輩は政府周辺にこそ潜んでいるわけです。格付け会社を監督する前にやるべきことは他にあります。

 

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仕事は真剣に選ぶものです

2010-02-14 22:54:24 | ニュース

未内定者4割も当たり前!厳冬就活戦線で八方塞がり(ダイヤモンド・オンライン)

 大学新卒者の採用戦線に明るい兆しが見られない。1月14日に発表された内定率は73・1%(12月1日時点)。つまり、未内定率が26・9%で約12万人が就職浪人やフリーターとなる瀬戸際に立たされている。いまだに就職活動を続けている現4年生(今年3月卒業予定)が山ほどいるわけだ。

 しかも、この内定率は大学発表の数字。就職率のアップダウンが新入生獲得に直結するだけに、大学側はともすれば“化粧”(内定率を実態より高く見せる)しがちだといわれている。

 ある私立大学理事によれば、「未内定者は中堅の大手校で3割、それ以下だと4割を超えているようだ」というから深刻だ。

 いまだに内定がもらえない4年生は、大学の就職部からも見放されつつある。すでに現3年生の就職活動がスタートしており、事務職員が総動員される入試もある。そこで大学側は、就職情報会社や派遣会社など人材系企業に4年生の就職指導をどんどん委託するようになっているのだとか。

 他人の心配をしている場合でもないのですが、新卒の就職も大変なようです。本文中でもサラッと触れられていますが、この時期にもなると現3年生が新卒採用の主たる対象でしょうから、まぁ現4年生は既に「いきおくれ」みたいなものです。アカデミックな価値が尊重される社会でもないだけに研究水準よりも就職率を誇りたい大学も多いと推測されますが、そんな大学の就職部もいき遅れの4年生は外部業者に任せる方向なのでしょうか。まぁ、大学の就職部/課なんてハローワーク並みに頼りにならない印象しかありませんので、業者の方がマシなのかも知れません。

 もっとも、2010年卒の大卒求人倍率は1・62倍(リクルートワークス研究所調べ)で、仕事がないわけではない。「今残っている求人の多くは、中堅・中小企業で募集1~2人という案件。これらの企業は宣伝予算がない」(就職情報会社)だけなのだ。つまり、就職先を選り好みせず、自ら探し出す意欲があるのなら、とっくの昔に就職は決まっているはずなのである。

 では、なぜそうしないのか。前出のパソナ関係者によれば、呆れたことに「母親の“無理をして就職することはない”という子どもかわいさのひと言が、未内定学生を増やす一因となっている」という。「親を教育してほしい」そんな依頼が本当に人材系企業に舞い込んでくるというから笑えない話である。

 さて厳しい就職事情を伝えるかに見える一方、結論は「就職先を選り好みせず、自ら探し出す意欲があるのなら、とっくの昔に就職は決まっているはず」とのことです。まぁ、この辺は週刊ダイヤモンドですから仕方ありません。産経新聞や日経新聞ですら例外的にマトモな主張を載せることもありますが、週刊ダイヤモンドの主張は100%ゴミです。週刊ダイヤモンドに掲載歴があるなら、そのライターは間違いなくカスであることが保証されます。ともあれ、ダイヤモンド社的に言えば就職難は学生の自己責任だそうです。

 引用した記事が「就職戦線」ではなく「採用戦線」という言葉で始まっていることに注目してください。つまり就職しようとする側ではなく、採用しようとする側にとって「明るい兆しが見られない」そういう記事なのです。総じて好況ですと売り手市場で求職者側が有利になる、それは雇用者側にとっては好ましくないので財界寄りの立場に立つ論者はこぞって「経済成長の時代は終わった(キリッ)」と語るものですが、反対に不況だと買い手市場になる、雇う側が圧倒的に有利になるわけです。だから不況の深刻化で空前の買い手市場、雇用者側はよりどりみどりの展開になるだろうと、そう期待していた人も多かったのかも知れません。しかるに、ロクな待遇も用意できない会社は相変わらず学生から敬遠され、人が集まらない。だから「明るい兆しが見られない」、そうした状況への苛立ちが、ここに引用したような記事を書かせているのでしょう。

 「我が社を志望した動機は何ですか」と聞かれて「求人があったからです、仕事なら選り好みしませんから」などと答えれば不採用確定ですが、会社側がどれだけ不採用を連発してもやっぱり「就職席を選り好みしなければ就職は決まっているはず」ということになってしまうのでしょう。むしろこの時期になっても採用を決められない雇用主に対して「まだ新卒者の26・9%が未内定、求職者を選り好みせず、(新卒者を)自ら探し出す意欲があるのなら、とっくの昔に採用は決まっているはず」とか「社長の“無理をして採用することはない”という無責任なひと言が、採用の決まらない一因となっている、社長を教育して欲しい」と論難することだって出来るわけですが、この国ではそういう習慣がありません。

 ちなみに中途採用の有効求人倍率は昨年12月の段階で0.46倍でした。こちらは選り好みしようがしまいが根本的にポストの数が足りません。優良企業ってのは離職率が低い=新卒一括採用のみで人員をまかなえる一方、離職率の高い中小ブラック企業は辞めた人の代わりを絶えず確保する必要性から中途採用にも積極的です。こうした中小企業の求人は新卒者には不人気で売れ残っているということですが、もし新卒者が「就職先を選り好みせず」こうした中小企業の求人に殺到したらどうなるでしょうか。会社は無垢な処女が好きです。トウの立った既卒者は新卒者に簡単に駆逐されてしまいます。だから新卒者は無理をしないでください。夢も希望もある新卒者まで中小ブラック企業に応募したら、中途求職者の就職先はますます減ってしまいます。

 

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デフレに負けないピザ屋を見習え

2010-02-13 22:53:09 | ニュース

福岡エムケイに値上げ指導 九州運輸局、500円認めず(朝日新聞)

 福岡都市圏で初乗り運賃500円を認可申請していたタクシー会社、福岡エムケイ(福岡市)に対し、九州運輸局は570円に値上げするよう求めて通知した。タクシー業界の過当競争を防ぐため昨年10月に施行されたタクシー適正化・活性化特別措置法に基づく措置で、法人タクシーへの値上げ指導は全国初。期限の24日までに値上げに応じないと、営業が続けられなくなる。

 同社は低運賃で全国展開しているエムケイ(京都市)のグループ会社として昨年1月から営業。初乗り運賃を福岡都市圏の他社より1割安い500円としてきた。昨年10月、九州運輸局に認可の継続を申請した。

 九州運輸局は同社の経営状況を分析。「現行の運賃では運転手の人件費や安全を保つための収益を上げられない」との査定結果をまとめ、審査を受けずに料金が認められる自動認可運賃の下限に当たる570円が妥当とした。

500円タクシー、近畿運輸局が値上げ「指示」(読売新聞)

 近畿運輸局は10日、大阪府内で最も安い初乗り500円の運賃の継続を申請していた堺市と大阪市の法人タクシー2社に対し、継続を認めないと通知した。

 「ワンコインタクシー」に対し、実質的な値上げを求めており、法人に対する値上げ指示は全国初。ワンコインタクシー側は「業界つぶし」と反発を強め、訴訟も検討するが、既存業者は「過当競争の是正につながる」と歓迎している。

 規制を強化する「タクシー適正化・活性化法」の昨年10月の施行後、法人に対する初判断で、通知した同運輸局の長井総和・自動車交通部長は「安全にかかるコストが運賃に正しく反映されておらず、適正化が必要」と強調した。

 通知を受けた2社は「ワンコインタクシー敷津」(大阪市浪速区、36台)と「新金岡交通」(堺市北区、41台)。同運輸局は敷津に対し、「適正な利潤が出ていない。初乗り590円が妥当」とし、新金岡には「売り上げを実際より多く記載している」と申請を却下した。

 福岡と大阪で、同時期に似たような通知が下されたようです。一部事業者からは反発もあるそうですが、まぁ妥当なところではないでしょうか。これが工業製品であれば技術革新によってコスト削減が可能になる、その結果として従来品よりも安価な供給が可能になることもあるわけですが、タクシーのようにコストの大部分が人件費で占められるような業界であれば、値下げは必然的に賃下げと労働強化に直結しますから。

 もちろん値下げによって獲得できるシェアもある、値引きで他所から客を奪える場合もある、単価が下がっても客を増やすことで会社の利益が増えることもあるわけです。だから特定の事業者だけを見れば採算が取れていることもあるでしょう。ただ、業界全体で見れば話は別です。低価格を武器にした事業者がシェアを獲得すれば、その分だけ他の事業者の顧客は減少します。利用者が減れば売り上げも落ちますから、既存の事業者は低価格攻勢に対して何らかの対策を取る必要に迫られるでしょう。対抗して運賃を値下げするとか――しかるに値下げでシェアを奪い返しても、値下げした分だけ売り上げは落ちますから、それを補う分だけ顧客を獲得しなければならなくなってしまいます。ただしタクシー利用者が急に増えるはずもありませんから、そこはもう他の事業者と生存を欠けた奪い合いを演じるしかない……

 状況によって好ましいものと好ましくないものは入れ替わります。夏場なら冷房は欠かせませんが暖房など邪魔なだけ、逆に冬場なら暖房はありがたいですが冷房など悪い冗談ですよね。競争原理や談合、護送船団方式なんかも同様だと思います。閉鎖的にお互いの利益を守り合っているような業界なら談合が悪で競争原理の導入が求められますし、過当競争でお互いが骨身を削り合っているような業界なら、競争を抑えて業界全体の利益を確保することの方が大切です。そして日本だったら前者に該当するのはせいぜいプロ野球界ぐらいで、後は深刻な過当競争にあえいでいるのが実態、中でも最も過剰な競争によって追い詰められているのがタクシー業界ではないでしょうか。

 こと値下げ/値引きともなると「利用者のため」が大義名分に掲げられることも多いですけれど、それは一面的に過ぎます。労働者の取り分を際限なく削ることで低価格が実現されている、それが利用者のためを考えてのことと正当化されるなら、貧困国の児童労働だって「利用者のため」です。そもそも値下げは利用者のサービス向上である以前に、自社だけは売り上げを伸ばそう、他社を出し抜こうという我欲の表れでもあるはずです。値下げすれば自分のところだけは売り上げを伸ばせるけれど、隣の同業者が売り上げを落とす――こういう状況で値下げに踏み切ることは一概に褒められたことではありません。値下げ/値引きの肯定的な面だけではなく、否定的な面にも目を向けるべきです。

 とりわけ深刻なデフレ、他国では例を見ない異常な状態に陥っている日本においては、値下げは症状の悪化を意味します。景気の良い国、インフレ状態にある社会なら値下げは太り気味の人の体重が落ちたようなものかも知れませんが、デフレの日本において値下げとは栄養失調の患者がさらに体重を落としたようなものです。今、必要なのは値下げする努力ではなく価格=価値を保つ努力なのではないでしょうか。売れないから値引きする、そうした繰り返しが「民」の側からもデフレを加速させます。

 昨年末、日本のピザの値段が高い云々という話が一部ネット上で盛り上がりました。日本だとピザは宅配ばかりなので配達コストが嵩むというのが有力な説でしたが、もう一つ挙げるとすれば「高くても売れるから」でもあるはずです。そこでネット世論に敏感で経済に少し詳しい池田信夫氏は「日本の宅配ピザって高いなぁ。どこの国でも10ドルしないのに。「ピザの王将」が出てきたら、当たると思う。」とつぶやいていました。http://twitter.com/ikedanob/status/7183964124

 う~ん、もし「ピザの王将」が当たったら、ピザは現在のような価格では売れなくなってしまうでしょう。そうなると既存のピザ店は生き残りを賭けて値下げ競争に挑まなければならなくなります。何もしなければ低価格店に顧客を奪われる一方ですから。そうしてピザ業界の価格破壊が始まれば、どこかでコストを削減しなくてはならなくなる、ピザの原材料費なんて微々たるものでしょうから、どうしても人件費を圧縮対象にするしかなくなる――結果として、モノの値段も働く人の値段(給料)も下がるわけですね。「ピザの王将」だけは儲かっても、業界全体の利益は小さくなる、ひいては日本全体の経済規模も小さくなる、と。

 牛丼もハンバーガーも弁当も、価格の下落が著しいわけです。そうしないと売れないのでしょう。一方でさっぱり値段の下がらないピザ業界は、ある意味デフレに負けない物価の優等生だと思います。このご時世、価格を維持できているというのは大したものですから。低価格攻勢で競争相手を出し抜いた企業ばっかりが注目されがちですが、もうちょっと広い視点で考えるなら、より参考になるのはピザ屋です。デフレに負けず、販売価格をキープし続けるピザ業界は実は模範です。

 

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与党の責任

2010-02-12 22:57:35 | ニュース

欲しいのは「国民の幸せ」=首相(時事通信)

 「国民が幸せを感じていただけることが一番のプレゼントだ」。11日に63歳の誕生日を迎える鳩山由紀夫首相は10日夕、首相官邸で記者団から欲しいプレゼントを問われるとこう答えた。その後、官邸スタッフらが主催した誕生会に出席した首相は、「今までは政権を取ろうというのが誕生日の誓いだった。以前の方が楽だったと感じているが、苦があるから将来、必ず楽がある」とあいさつ。内閣支持率が下落する中、政権運営に苦しむトップリーダーの苦悩ものぞかせていた。

 先日の施政方針演説では「いのちを守りたい」と連呼していた鳩山首相ですが、「国民が幸せを感じていただけることが一番のプレゼントだ」そうです。良識的に見えるけれど具体的なことは何も言えないのが特徴なのかも知れません。この辺の発言は誠意あるものなのかも知れませんが、行政の長たるものは「いい人」であるかどうかよりも有能かどうかが問われるわけで、肯定的なイメージはあるけれども抽象的で実効性に乏しいフレーズを多用されると何かと不安になります。それはさておき「以前の方が楽だったと感じている」とのこと。そりゃそうです、それだけ責任が重い立場ですから。

 責任を追及するのは、責任を負うことに比べればずっと簡単です。野党として政府を批判するのは簡単でも、与党として批判に応えるのは決して容易いことではないでしょう。昨今の政治資金を巡る問題では、民主党に比べればまだしも自民党の方がマトモなことを言っているように見えますが、別に自民が民主よりもマトモだというわけではありません(自民党が与党だった頃なら、両者の関係は正反対でしたから)。ただ責任を追求する立場の方が、責任を負うべき立場よりも何かと「有利」なのです。

自民の逆襲、「ミスター年金」たじたじ(読売新聞)

 「ミスター年金」の異名をとる長妻厚生労働相が年金改革を巡り自民党からの批判のやり玉にあげられ、苦しい説明を強いられた。

 年金問題で自民党政権を追い込んだ長妻氏が「逆襲」された格好だ。

 9日の衆院予算委員会。自民党の大村秀章・前厚労副大臣が2010年度予算案に関し〈1〉年金保険料が事務費などに流用され続けている〈2〉年金記録の確認作業を「2年間」でなく「4年間」を前提としている――などと指摘し、09年衆院選での民主党の政権公約(マニフェスト)違反だと追及した。

 厚労相が保険料の流用について「今回は遺憾だが、マニフェストに書いてあるように4年で実現する」などと反論すると、大村氏は「4年とは書いていない」と突っ込み、議場で民主党の委員会理事らがマニフェストを取り出し、慌てて確認する場面も。鳩山首相は「マニフェストに(年限が)書いていないものは基本的に4年間でやりたいということ」などと助け舟を出していた。

 長妻も野党サイドから政府与党の責任を追及していた頃は大活躍でしたが、逆の立場に回ると苦しいものです。政府与党の問題点を指摘、批判するくらいなら私のようなブロガーにも務まるくらいで、大して難しいことではありません。しかし自身が政府与党として責任を取る、批判に応えて問題を解決しようとなると大変です。でも、それが出来ないようであればその党は「政権担当能力がない」と言われても仕方ないと思います。

 政府与党として最悪の対応は、与党でありながら責任を追及する側に回ることです。つまり、舛添のパターンですね(参考)。例えばトヨタのリコールを考えてみましょう。部外者がトヨタの対応を批判する、これは当然のことです。ではトヨタの社長がトヨタ自動車㈱を批判するとしたらどうでしょうか? 豊田社長が自ら、トヨタはなってない、トヨタの社員は考えを改めるべきだ~などと言い出したとしたら? 「おまえが責任者だろうが」と言いたくなりますよね。だから企業のトップは自社で問題が起これば、まずは責任者として頭を下げることから始めるのが普通です。しかるに普通でないのが舛添の場合で、厚労省のトップとして発生した問題の責任を負おうとするどころか、逆に職員を口汚く罵ることで、自らは「責任を追及する側」に回ろうとしたわけです。これは最悪。

 そして政権交代がなった以上、試されるのは長妻や民主党の政権担当能力です。長妻が「責任を追及する能力」に長けていることは異論のないところでしょうけれど、「責任を負う能力」の方はどうでしょうか? 舛添よろしく責任を追及する側(=楽な側)に回ることでも国民の支持は保てるかも知れませんが、それでは永遠に問題は解決しません。そこで気になるのは民主党サイドの与党としての「自覚」です。小沢の政治資金問題に端を発した検察悪玉論で明らかになったのは、民主党自身が国家権力であることへの自覚の欠如でもあったように思います。いつまでも野党気分で、自分たちの他に「権力」がいると被害妄想に浸っているようでは救いようがありません。自分たちが政府与党であり国家権力そのものであることを自覚できない内は、本当の意味で政権担当能力を発揮できる日は訪れないでしょう。

 

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ホワイトカラーの派遣社員の話2

2010-02-11 22:57:42 | 編集雑記・小ネタ

 派遣社員の雇用期間に制限があるのはよく知られていることと思います。かつては原則1年で、それ以上継続して雇用するのであれば直接雇用を提案する義務がある、という建前になっていたわけです。1年以上に渡って当該の労働力を必要とするのであれば、一時的な必要性ではなく恒常的な必要性から人を雇っていると考えられるわけで、ならば派遣社員としてではなく直接雇用に切り替えても過剰な人員にはならないだろうと――そういう建前になっていたわけです。現在はこの期間が3年に延長されていますが、まぁ有名無実ですね。

 ところが、何かと耳目を集める製造業(ブルーカラー)派遣の世界とホワイトカラーの派遣の世界では事情も大きく異なります。製造業派遣に関しては3年間の雇用期間の制限が適用されることになっているわけですが、ホワイトカラーの場合も同様とは限りません。「政令26業務」という派遣雇用期間の制限が適用されない特別な業務があるのですが、実はホワイトカラーの派遣社員の場合、ほとんどの仕事が「政令26業務」に収まってしまう、すなわち実質的に派遣社員としての雇用期間に制限がなかったりします。

 特に多いのが5号(事務用機器操作)業務で「電子計算機、タイプライター、テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作の業務」と定義されるものです。用語が古色蒼然としていますが、要はPCを使った事務ですね。たぶん、オフィスワークだったら何でも該当すると思います。このご時世、事務職なのにPC抜きで仕事をするなんてなかなか考えにくいですから。雑用など「それ以外」の仕事が多いようだと話は変わってくるのですが、要するに今時のホワイトカラーの仕事であれば基本的に「政令26業務」に収まる、だから製造業派遣と違ってホワイトカラーの派遣の場合は、実質的に派遣期間の制限が存在しないわけです。

 これが30年以上昔の話だったら、上記の5号業務が「専門性のある業務」の範疇に含まれていたとしても不思議ではありません。誰もがPCを使えるとは限らない、だからPCを使える人は特別枠で探さないといけない、そういう状況ならばこの種の業務が例外的な扱いとして設定されていたとしても納得がいきます。しかし、誰もがPCを使えるようになった現在においては「誰でもできる」業務であるはずの「事務用機器操作」が、派遣期間制限の対象から外されたままになっているというのも不思議な話です。事務員を安く雇い続けたい側にとっては好ましい仕組みであるにせよ……

 ただし派遣雇用期間に制限がないと言っても、永遠に派遣社員のまま雇い/雇われ続けるケースは決して多くありません。その辺は以前にも触れました昔年の女性一般職の場合と似たようなものです。主として男性の総合職なら定年まで同じ会社で働き続けるのが当たり前と思われているわけですが(ただし優良企業に限る、日本でも中小ブラック企業は終身雇用とは限りません、昔っから)、女性の一般職で定年まで働き続ける人って滅多にいないですよね? それと同じことが派遣社員にも言えます。トウが立ってきたら、会社側は若い子への入れ替えを考えるわけです。どんなに頑張って働いたところで、今や5号(事務用機器操作)業務なんてのは特別な熟練を必要とするわけではありませんから、会社側からすれば古い人を雇い止めにして新しい人に切り替えるぐらい、どうってことはないのです。

 ですから派遣期間に制限などなくともいずれはクビを切られる運命ですし、切られたベテラン派遣社員の代わりに、すぐにまた新しい人が募集されるのもまたよくあることだったりします。いわば派遣社員の「乗り換え」ですね。特に派遣社員の賃金相場は下落が著しく、新たに雇い入れる場合は3年前の水準よりも低い給与で人が雇える場合も多いですので、雇用側としては願ったり適ったりと言えます。ブルーカラーの派遣の世界は伝え聞く範囲でしか知りませんが、ホワイトカラーの世界は概ねこんな感じです。

 

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もし民主党と自民党で立場が逆だったなら

2010-02-10 22:57:45 | ニュース

小沢氏不起訴に意見二分(中国新聞)

 政治資金規正法違反の疑いで告発されていた小沢一郎民主党幹事長の不起訴が決まった4日、中国地方の街頭では、有権者から幹事長続投をめぐり賛否の声が上がった。起訴された元私設秘書の衆院議員石川知裕被告に対しては、議員辞職を求める声が相次いだ。

 「不起訴でも疑念は消せない。政治不信を巻き起こした責任を取ってほしい」。呉市の会社員辻勝好さん(62)は小沢氏の幹事長辞任を求めた。岩国市の渡辺黎子さん(77)も「元秘書は起訴された。事務所代表として責任を問われるべきだ」と訴えた。浜田市のパート従業員高尾順子さん(54)は「衆院選では、民主党にはカネの問題がないと期待して支持したのに結局、自民党と同じ。政権交代の意味がない」と失望をあらわにした。

 意見二分と言っても世論調査を見る限り批判的7:容認3ぐらいの割合みたいですけれど、ともあれネット上の熱心な民主党支持層の動向とは裏腹に世間の目は冷めたものです。以前にも何度か指摘してきたことですが、鳩山内閣の支持率と選挙前に掲げた個々の政策への支持率には大きな差があります(参考)。有権者の大半は民主党の掲げたマニフェストの実現に期待したのではなく、もっと別のものを期待していたのでしょう。その一つが政治とカネの問題の解決で「衆院選では、民主党にはカネの問題がないと期待して支持したのに結局、自民党と同じ。政権交代の意味がない」とのコメントはその辺を象徴しています。

 クリーンな政治を期待するなら民主党はあり得ないだろうと私なんかは思うのですが、まぁ政権交代がほぼ確実になるまで小沢の政治資金や不正献金疑惑を追及してきたのは共産党ぐらい、大手メディアからは軒並みスルーされてきたわけです。メディアを賑わすのは自民党閣僚の疑惑ばっかり、昨今の民主党支持層の言葉を借りれば「小沢/民主党にも疑惑はあるのに自民党閣僚ばっかり追求を受けるのはおかしい!」ってところでしょうか。何はともあれ大手メディアの報道を見る限りでは、民主党は自民党と違ってカネの問題がない――政権交代前まではそう思える余地があったのかも知れません。

自民は不祥事から卒業=谷垣氏(時事通信)

 自民党の谷垣禎一総裁は7日、京都府宮津市内で講演し、過去に党所属議員が政治とカネで不祥事を繰り返したことに関し「乗り越えようとの議論をやってきた。私が総裁の間に(不祥事と)決別し、卒業しなければならない」と強調した。

 また、谷垣氏は、小沢一郎民主党幹事長の資金管理団体の事件で小沢氏自身や党幹部らが捜査を批判したことについて「検察と対峙(たいじ)する姿勢から、法の支配を否定しようとの疑惑を持たれても不思議でない。徹底的に闘わねばならない」と述べ、政府・民主党への追及を強める姿勢を示した。

 まぁ無理じゃね?と思いますが、政府与党に返り咲く可能性が遠のけば遠のくほど関係機関やメディアの注目も遠のくものですから、追求するのは共産党だけで世間一般の目には届かない、政治にあまり関心がない人からすれば自民党は政府与党と違ってカネの問題がない政党に見えてしまう、そうなる見込みぐらいはあるのでしょう(野党でいる限りはね!)。それはさておき、「検察と対峙する姿勢から、法の支配を否定しようとの疑惑を持たれても不思議でない」辺りは妥当なところと言えます。自民党だって自分が与党になって検察の追求を受ける側に回れば今の民主党のように法の支配を否定しようという方向に動くでしょうから猶更です。

 小選挙区制は長らく自民党の政権安定化に貢献してきました。しかし、その小選挙区制が自民党内閣ではなく、非自民党内閣によって導入された事実は注目に値します。非自民党政権が作った枠組みが自民党の政権復帰後に本領を発揮するなんてこともあるわけです。では民主党が推し進めている行政への一極集中や官僚の口封じ、公約に掲げられた比例区の削減等々はどうでしょうか? アメリカの核は問題ないが中国の核は脅威みたいな立場の人も多いですが、自民の独裁は危険だが民主党の一元化体制は促進すべきみたいな主張を展開している人も多いと思います。でも小選挙区制度を導入した非自民党政権が短命であったように、民主党政権だって永遠ではないでしょう。そこで民主党が作った枠組みに自民党が収まる日がいずれ訪れるであろうと考えてください。行政の強権を持って検察を黙らせることができる、法の支配が否定されて司法は行政に介入できない、そこで「行政」のポジションに自民党が就くことを想定してみるならば、民主党政権の方向性の危うさもいくらか客観的に見ることができるのではないでしょうか。

 

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政権交代の前と後でスタンスが変わるぐらいは当たり前

2010-02-09 22:56:23 | ニュース

外国人参政権をめぐる長尾教授インタビュー詳報「読みが浅かった」 (産経新聞)

 外国人への地方参政権付与は合憲としてきた長尾一紘(かずひろ)・中央大教授が、従来の考えを改めて「違憲だ」と明言した。主なやりとりは次の通り。

 --地方参政権を認める参政権の部分的許容説に対する今のスタンスは

 「過去の許容説を変更して、現在は禁止説の立場を取っている。変える決心がついたのは昨年末だ」

 政府与党べったりの他紙とは一線を画し、政権交代以前に日刊ゲンダイが担っていたようなポジションに収まりつつある産経新聞ですが、基本姿勢はあくまで変わっていません。かつては政治とカネの問題を追及しておきながら政権交代後は疑惑の追及をタブー視するような論者も目立つ中で、産経新聞のぶれない姿勢はある意味で大したものです。まぁ民主党にしてから外国人参政権に否定的な論調が吹き出しつつあるだけに(参考)、他紙が追随してくる可能性も否定しませんけれど。

野党時代の主張を捨てないで
 
遺志を継ぐ者
 
与党になるなら取り下げる
 
本当に実現させる気があったのか

 取材を受けた長尾氏は「過去の許容説を変更して、現在は禁止説の立場を取っている。変える決心がついたのは昨年末だ」と語るわけです。まぁ変節と言えば変節ともとれますが、民主党だって野党時代と与党になってからでは主張を一転させているケースが目立ちます。野党時代は当時の与党(=自民党)によって否決されることを前提に国会提出していただけだとか、いざ与党になって実現可能性が高まるや自説の封印を宣言してしまうなんてこともありました。結局はこの教授も、期せずして民主党に歩調を合わせているだけなのかも知れません。

 「理論的反省だ。法律の文献だけで問題を考えたのは失敗だった。政治思想史からすれば、近代国家、民主主義における国民とは国家を守っていく精神、愛国心を持つものだ。選挙で問題になるのは国家に対する忠誠としての愛国心だが、外国人にはこれがない。日本国憲法15条1項は参政権を国民固有の権利としており、この点でも違憲だ」

 さて、この人の定義ですと私は「国民」に該当しません。国籍を持っているだけでは「国民」とはみなされないようです。では「国家を守っていく精神、愛国心」を有しているが日本国籍を有していない人はどうなんでしょうね。例えばサルコジやシュワルツェネッガー、次の参院選で民主党から出馬予定と噂される前田日明など外国にルーツを持つ人でも、彼らの居住国のマジョリティの価値観に忠実な――先祖代々のフランス人、アメリカ人、日本人よりも忠実な――人は少なからずいます。

 「選挙で問題になるのは国家に対する忠誠としての愛国心」とも曰うわけですが、じゃぁ「国家に対する忠誠」とは何なのでしょうか。政府に対する忠誠というなら今の産経新聞は愛国心に欠けるということにもなります。では「国旗」「国家」に対する忠誠? それより日本のConsitutionへの忠誠でも求めるのが最も普遍的で良いのではないかという気がします。なぜか日本で「愛国」を語る人はConsitutionへの忠誠を問いませんが、アメリカでも国籍を取得する際には真っ先にConsitutionへの忠誠を宣言することが求められるわけですから。

 なお憲法15条を含む憲法解釈に関する最高裁判決はこちらです。

 「実は在日韓国人より、中国人の方が問題だ。現在、中国は軍拡に走る世界で唯一の国。中国人が24日に市長選があった沖縄県名護市にわずか千人引っ越せば、(米軍普天間飛行場移設問題を焦点とした)選挙のキャスチングボートを握っていた。当落の票差はわずか1600票ほど。それだけで、日米安全保障条約を破棄にまで持っていく可能性もある。日本の安全保障をも脅かす状況になる」

 ……で、中国は軍拡に走る世界で唯一の国だそうです。へー。まぁ中国の軍拡自体は好ましくないことですけれど、ただ経済成長で物価も人件費も上昇する中では「現状維持」でも自然と軍事費が伸びていくとか、軍事費よりも教育費など他の予算の方が伸びが大きいのであって軍事費の割合を急増させているわけではないとか、その辺は割り引いて考えておくべきでしょう。それはさておき「中国人が~わずか千人引っ越せば~」だそうです。ご存じのように名護市長選挙では新基地建設反対を掲げた稲嶺氏が勝ったわけですが、「中国人がわずか千人引っ越せば」選挙結果は変わっていたはずだ、基地建設賛成派の候補が勝っていたはずだと言いたいんですかね?

 そもそも中国人だからと言って全員が同じ候補に投票するわけではありません。党議拘束のかかった国会の投票と住民投票を意図的に混同させてはいないでしょうか。しかも選挙権を得るには日本国籍保有者でも3ヶ月の居住が必要です。3ヶ月以上も前から選挙のために有権者を転居させるとは何とも遠大な話ですが(それをやるくらいなら鳩山祖父のように選挙区割をいじった方が楽です)、これなら別に日本人でも可能です。有権者の移住によって選挙結果を動かせる、それが現実的だと思うのならフジサンケイグループは重要選挙区に新たな事業所と社員寮を設立し、社員を一斉に転居させてみたらいかがでしょうか。「わずか千人引っ越せば」キャスティングボートを握ることができると言うからには、この長尾氏も自説の賛同者に移住でも呼びかけてみたらいいと思います。

 

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