非国民通信

ノーモア・コイズミ

遺憾に思うほどのことじゃあるまい

2010-02-17 22:56:26 | ニュース

国母の乱れた服装で苦情殺到 JOCに電話やメール(共同通信)

 バンクーバー冬季五輪スノーボード・ハーフパイプの国母和宏選手(21)が服装に乱れがあったとして日本選手団の入村式出席を自粛した問題を受け、日本オリンピック委員会(JOC)に苦情の電話やメールが殺到していることが12日、分かった。内容は「スポーツマンらしくしてほしい」「国民の代表としてあり得ない」など厳しいものが多く、国母選手の服装やスタイルに理解を示す内容は少ないという。

 社会人ってのは、どちらかと言えば大学生よりも中学生に近い存在です。大学ではご無沙汰だったのに、朝礼とか各種当番とか名札とか中学校時代の風習を会社に入ってから再体験することになった人も多いと思います。服装について口うるさく言われるのも同様でしょうか。大学生だったらとやかく言われないものですが、中学生だったら着衣の乱れにも何かとうるさいですよね。そこで学校指定ならぬ協会指定の制服を、なんとも中二病っぽい着方をしていた選手がいたようで、それが何かと取り沙汰されているわけです。当初から過剰反応の傾向は見られましたが、他に話題もないのか次第にエスカレートして……

国母の母校に「殺すぞ」メール、別便帰国など検討(スポーツニッポン)

 国母が所属する東海大スキー部の相原博之監督(48)は15日、バンクーバーに向け出発することになった。現地の練習会場などでスノーボードの萩原監督ら全日本スキー連盟(SAJ)、JOC関係者に会って一連の騒動について謝罪する。国母本人と対面できるかどうかは不明だが、相原監督は「会うことができたら指導したい」と話した。

 今回の問題で大学に寄せられたメールの中には「殺すぞ」「帰ってこなくてもいい」など過激な内容も含まれているという。そのため、五輪終了後についても、予定通りチームと一緒に帰国させるか、別便での単独帰国とするか、あるいは大会を転戦してから後日帰国させるか――など、あらゆる可能性の中から最善の方法を検討することになる。

五輪スノーボード:国母選手の応援会中止…東海大(毎日新聞)

 バンクーバー五輪のスノーボード・男子ハーフパイプ日本代表、国母和宏選手(東海大)の服装が乱れていた問題を受け、東海大は15日、札幌市南区の札幌キャンパスで予定していた国母選手の応援会を中止すると発表した。同大広報担当は「服装の問題や会見時の態度などで、多くのおしかりを受け、本学としては心から応援できないと判断し、自粛することにした」と話した。

 この程度で「殺すぞ」とか脅迫メールを送る神経もどうかと思いますが、それで応援を自粛する東海大学もアレですね。警察に通報するなどの毅然とした対応を見せても良かったのではないでしょうか。例えば拝外主義者のヘイトスピーチなんかでも、早い段階で一蹴されていればそんなには広まらないものですが、彼らを恐れて周りが同調するような態度を取ると一気に波及してしまうものです。一昨年の国籍法改正の時など、ちょうどそんな感じだったのではなかったでしょうか。その点では協会や大学側の、今回の対応には首を傾げてしまうわけですが、では我らが政府与党はと――

スノボ国母選手の「服装の乱れ」 文科相「極めて遺憾」(朝日新聞)

 川端達夫文部科学相は15日の衆院予算委員会で、バンクーバー冬季五輪のスノーボード・ハーフパイプ代表の国母(こくぼ)和宏選手の「服装の乱れ」について「こういうことは二度とあってはいけない」と厳しく批判した。自民党の下村博文氏の質問への答弁。

 川端氏は「ファッションという意味ではそういう服装もあるのかもしれない」と述べたうえで、「国民注視のもとでオリンピックが開かれ、日本選手団が日の丸を胸に参加した時に、代表として適切でない服装をしたことは極めて遺憾だ。コーチも指導していただきたかった」と述べた。

 国母選手が記者会見で「反省してま~す」と語尾を伸ばして語ったことにも「みんなの期待を受け国を代表して参加しているという自覚が著しく欠けていた」と述べた。

 曰く「こういうことは二度とあってはいけない」だそうです。そんな大したこととは思えないのですが、川端文科相としてはバッシングの盛り上がりにきっちり同調して見せる必要性を感じていたのかも知れませんね。ある意味、これも民意を重んじる姿勢の現れなのかも知れません。そもそも「代表として適切」な服装とは何なのか(北朝鮮のマスゲームのごとく、国家から命じられた通りに一糸乱れず行動することでしょうか)。加えて「みんなの期待を受け~」とのことですが、私は別に期待した覚えはないわけで、じゃぁ私は文科相の言う「みんな」には含まれていないのか等々、突っ込みたくなるところは多々あります。でも文科相的には良識を示したつもりの答弁なのでしょう。

 元よりそう極端に注目度の高い選手ではなかったように思うのですが、バッシングのネタが出てきたことで俄に注目しだした人も多いのでしょう。決して最初から注目していたわけではないはず、川端文科相だって後から知ったに過ぎないはずです。昭和天皇よろしく「あっそう」とか、「元気があっていい、まだ正常に近い」とでも流しておけば済むような話なのに、「極めて遺憾」などと言い出してしまうわけです。各種の実権を握る与党の政治家まで同調圧力にあっさり靡いてしまう様は、何かと薄ら寒いものを感じます。

 

 ←応援よろしくお願いします

コメント (19)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする