非国民通信

ノーモア・コイズミ

やっぱり自民党時代と変わっていない

2010-02-22 22:53:45 | ニュース

 まだ民主党が野党で、自民党閣僚の不祥事を追求していたり審議拒否の構えを見せていた頃の話です。当時の自民党は「閣僚の金銭疑惑よりも急を要する政治課題があるはずだ」「国会審議に応じないのは横暴だ」などと民主党の国会対応を批判していました。同様の主張を、通勤途中の駅前でも繰り広げている人がいたわけです。昨日のニュースで見た自民党議員と言うことが全く同じだなぁ、と思っていたら、意外にも民主党の幟を持っての街頭演説でした。まぁ民主党は寄り合い所帯ですし、しかも私の地元議会では自民党系会派と民主党系会派が仲良く手を携えているオール与党状態、ならば自民党と同じことを語る議員がいるのも不思議はないと、当時はそう思ったものです。

 民主党が与党になり、今までとは反対に自民党が民主党幹部の政治資金疑惑を追及する時代になりました。そこで自民党議員が疑惑を追及すると「おまえが言うな」的なことを言い出す人もいるわけです。ついでに自民党側も審議拒否の姿勢をちらつかせたりすると、今度は民主党サイドが自民党の対応を批判する――金銭問題よりも重要課題がある/審議拒否は言語道断だ――等々。これもまた、「おまえが言うな」ということになってしまいますよね。あの日見かけた民主党議員は今頃何をしているのでしょうか。あのとき、民主党の国会対応を口を極めて批判していた信念の人であれば、誰からも後ろ指指されることなく自民党の国会対応を批判できると思うのですが。

小政党「おとなしくして」=福島、亀井氏に不快感-中井国家公安委員長(時事通信)

 中井洽国家公安委員長は20日午後、水戸市のホテルで開かれた民主党茨城県連のパーティーであいさつし、社民党党首の福島瑞穂消費者・少子化担当相と国民新党代表の亀井静香金融・郵政改革担当相が閣議で頻繁に発言していることを紹介した上で「よくしゃべる。党の大きさに合わせもうちょっとおとなしくしてくれたらいいのになと毎日思っている」と不快感をにじませた。

 これまでに米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題や2010年度予算編成などの重要課題で両氏に振り回された場面もあり、つい本音が出たようだ。もっとも、言い過ぎたと思ったのか、即座に「こういうことを言うと連立政権が壊れるので、うまく議論をしながら期待に応えられるように頑張っていきたい」と付け加えた。 

 さて、こんな風に語る人もまた、政府与党内で結構な地位にいるわけです。海千山千の亀井静香は少数政党でも巧みに政権内に食い込んでいくような気がしますが、社民党の先行きには何かと不安を感じますね。民主党への妥協を拒んで政府与党から追い出されるか、民主党に妥協して福島瑞穂が社民党内で居場所を失うか、そのどっちかになりそうです。

「無償化対象、朝鮮学校は除外を」拉致担当相、文科相に(朝日新聞)

 4月に実施予定の「高校無償化」をめぐり、中井洽・拉致問題担当相が、在日朝鮮人の生徒らが通う各地の朝鮮学校を対象から除外するよう、川端達夫文部科学相に要請していたことが政府関係者の話で分かった。拉致問題が思うように進まない状況を踏まえてのこととみられる。

 高校無償化制度では、公立で授業料をとらないようにする一方、私立高校や外国人学校を含む各種学校の生徒にも公立の授業料相当額として年約12万円を支給する方向で予算が組まれている。学校の種類で支援の有無を区別すべきでないという考えからだが、今回の「閣内異論」も踏まえ、文科省は軌道修正も検討している。

 中井氏はこれまでも、サッカーの東アジア女子選手権への北朝鮮参加に反対し、参加が見送られた経緯がある。政府関係者によると、中井氏は17日に参院議員会館で開かれた拉致問題関係政策会議でも、高校無償化について「朝鮮学校を対象としないよう求めている」などと発言したという。

 文科省内には、今後、中井氏のような意見が高まった場合、「外交ルートなどを通じ、授業内容が日本の高校と同等だと確認できること」などを支給条件とすることで朝鮮学校を除外することもあり得るという考えが浮上している。

 ……で、中井氏の2連発です。この辺も自民党時代と変わりませんね。高校無償化は学費を負担する人のための制度であり、この場合は朝鮮学校に通う人に関わってくるわけですが、「朝鮮学校に通う人」を締め付けて拉致問題が解決に結びつくとでも思っているのでしょうか。「朝鮮学校に通う人」ではなく北朝鮮政府と話をしない限り、進展などあり得ないことは言うまでもありません。それなのに「朝鮮学校に通う人」を標的とする――拉致問題が解決しない原因を「朝鮮学校に通う人」に押しつけることで国民向けに「日本政府はやるべきことをやっていますよ」とポーズを取る、自民党時代と全く同じです。あの小泉ですら自ら訪朝して話を進めてきたのに、安倍以降は対岸から相手を罵るだけ、その路線を民主党もまた引き継いでいるようです。

 ちなみにこの中井蛤さん、サッカー北朝鮮代表以前にはマラドーナの入国を阻んだことでサッカーファンから知られている人物でもあります。その辺はさておき、文科相サイドでは中井氏の要請を受けて軌道修正を検討しているとのこと。高校無償化自体は評価できる政策の一つですが、この辺も妙な方向に修正されていくのかも知れません。マニフェストに載っても安心できないのが民主党ですから。そして「授業内容が日本の高校と同等だと確認できること」なんて条件が挙げられていますが、朝鮮学校だけ条件付きになるのでしょうか。日本の公立高校でも、身も蓋もないことを言えば高校レベルの授業が出来ていないところはいくらでもあるはずです。元より勉強よりも人間形成的なものばかりを重んじる日本の学校教育を鑑みた場合、そのコミュニティにおいて高等学校的な社会的地位を占めていれば、それは高校相当と見なされるべきだと思いますけれど。

 

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コメント (7)
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