ザ・クアトロ

クアトロの父のたわごと

ピアノ・レッスン

2009年04月24日 | ワインの話

Photo ニュージーランドを舞台にした映画「ピアノ・レッスン」は名作であった。19世紀の半ば、スコットランドからまだ未開の植民地ニュージーランドへ嫁がされてきた主人公は、口がきけない。そんな彼女が大事にするものはピアノであった。そのピアノこそが彼女の分身である。そしてそのピアノを介して激しい愛のドラマが描かれる。
未開の植民地ニュージランドへ大きなピアノを小舟に積んで上陸する冒頭のシーン。海は深く暗い色をしている。降り立った砂浜は鉄分を含むのか黒い砂浜である。そして、海にまで張りだした森は鬱蒼としている。自然の厳しさを思わせるそのニュージーランドの風景は、その後のこの主人公の行く末を暗示する。
ニュージランドのお気に入りのワインがクアトロに再入荷した。“キム・クロフォード/ソーヴィニヨン・ブラン”である。ニュージランドの中でもソーヴィニヨン・ブランの名産地マールボロ地区のものだ。このキム・クロフォードはニュージーランド・ワインの中でもとびきりに評価が高い。トロピカル・フルーツのような鮮烈な香りとしっかりとした酸を併せ持ち、余韻も長く飲んでいて飽きが来ない。ニュージランドの豊かな自然の中で磨かれた個性豊かな味わいの白ワインである。
一見ひ弱そうな女性が、力強く野性的にピアノを奏でるあの映画の主人公のような白ワインなのである。

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