クアトロの肉料理の黒板に“ザブトン”と書かれている。
「ザブトンって何だろう」
と、お客様がささやく。
そこから、禁断の世界が開く。
ザブトンは、一頭から数キロしか取れない希少な部位の牛肉なんですよと、シェフ。
脂の刺しが良くてとても柔らかい旨みが濃い肉ですよと、さらにシェフ。
ここまで聞くと注文せざるを得なかったお客様。
しばらくすると、そのステーキが運ばれる。
旨い。
これは禁断の美味しさだ。
このザブトンは、さつま福永牛のもので、福永とは、地名ではなく牧場の名前で、牛肉の日本一になつたことのある牧場ですよと、さらにさらにシェフの解説。
さらにさらにさらに、クアトロの父が追い打ちをかける。
この肉に合うワインはいかがでしょう。
ちょっとしたささやきが、禁断の世界へといざなう。
あなたも、今日のクアトロでささやいてみよう。
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