写真の様に数多くの石造物が集められこの正縁寺の境内に安置されて居ます。
此処は前回紹介「秋玄寺」より南東へ約1.5km、多分一昔前は静かな丘陵地であっただろう?新旧建ち並ぶ住宅地の真ん中に有ります。
JR学研都市線「忍ヶ丘駅」北へ約500m、創建は不明ながら元融通念仏宗、現在は浄土宗恩院末の小さな寺院です。
境内片隅の一画に、近くの造成開発や道路拡張などで行き場を失った石造物が数多く集められ、大切に祀られて居る。
先ずは、ちょっとずんぐり横広の舟形を持つ定形の十三仏板碑。
例に違わず三列四段と中央上部に天蓋下の虚空蔵菩薩を置く。
総高84cmと小さいながら、中肉の像容もはっきりしていて安土桃山時代の天正十四年(1586)も確認出来る。
こんな処にも・・・・と思わず唸った板石に厚肉で刻まれた阿弥陀、地蔵の双体石仏。
隣町、交野市星田地域に多い、僕が勝手に名付けた「星田型石仏」に瓜二つ。
ここから星田は約3kmばかり当然この地に在ってもなんの不思議もないが、他の地域では見ることの無いローカル色の強い石仏です。
像高共に約70cm強、向かって左に来迎印阿弥陀立像、右には定形の地蔵菩薩立像、その傍らには少しオーバーハングの舟形光背を持つ地蔵石仏。
単独としては珍しい合掌印の地蔵立像です。
他に、山形頂部に庇を造り、その下部に舟形を彫り窪め阿弥陀坐像を刻んだ六字名号板碑。
ちょっと変わった先の尖った山状自然石に刻まれた地蔵立像・・・、小洒落た意匠が現在アートとしても、そのまま通用しそうです。
寄せ集めでバラバラですが、なかなか見応えの有る石仏さん達です。
撮影2012.2.12