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先日紹介の獅子窟寺「王の墓」の更に奥、今はもう使われない「坂口の墓地」の佇む石仏さん。
まるでもう永らく人っ子一人訪ねてきたことの無い様な佇まい、枯れ笹がうず高く石仏の足元を埋め尽くし・・ここは一瞬たじろぐほど、別の空気が流れて居る。
いつからこうしてここに佇んで居るのだろうか??
付近には10躰足らずの石仏が並んでいるが、特に目を惹く二体の中世仏が際立って居る。
「椿地蔵」の名で呼ばれる地蔵石仏は、総高110cm、像高75cm、やや痩身の定形地蔵立像。
笹の葉が足元を埋め尽くしているがボリュームの在る二重蓮座の上に立っている。
竹やぶに囲まれ年中陽が射さない環境にあるため、石仏はいつも湿って苔生している。
記銘は無いものの全体の像容から南北朝、室町初期頃の造立だと考えられている。
このちで良く目にする像容の阿弥陀石仏。
肉付きよく刻まれているが、彫りは簡略化が進んだ室町後期の造立。
この墓地は遥か昔に忘れられた墓地なのだろう・・・今は重い空気が包んでる・
撮影2012.6.17