明日香の西外れ、檜隈(ひのくま)集落奥の丘に在る於美阿志(おみあし)神社の境内に建つ古い十三重石塔です。
於美阿志神社は渡来系氏族、東漢(やまとのあや)氏の氏寺とされる古代寺院檜隈寺、七世紀後半の創建で中世には廃寺化、その跡地に明治後期、近くに在った産土神、阿智使主(あちのおみ)を祭神とする於美阿志神社が遷宮してきた。
<南東側より>
於美阿志神社の境内、所謂、檜隈寺塔跡に建ち、十二・十三重の屋根と相輪部を失い、現在十一重塔。
凝灰岩製で現高4.3m 、初軸部には其々月輪内に顕教四仏の種子薄く彫り沈める。
南面は釈迦如来のバク。
<南西側>
屋根反りも緩やかな曲線、月輪内の種子は鎌倉時代の薬研彫りとは一線を隔した底面の扁平な古式な彫法です。
向かって右側が西面、阿弥陀如来のキリーク。
<西北側より>
基礎石は低く古調、塔身幅約70cm、高さ約63cmと安定感がある。
平安時代後期の造立になる石塔として重要文化財に指定されている。
それにしても枯野と化した塔跡に建つ石塔もやっぱり何処か寂びしげです。
飛鳥時代、此処にはどんな塔が建っていたのだろうか??
撮影2010.1.23